プロカメラマン山田久美夫の

最新デジタルカメラ 実売価格別ランキング



●29,800~49,800円
機種候補
※価格は「ヨドバシカメラ新宿西口店」
12月14日時点
FinePix 450049,800円
C-990ZOOM49,800円
QV-2300UX49,800円
DSC-S5049,800円(付属・充)
DSC-SX56049,800円(付属中)
FinePix2500Z49,800円(付属)
VN-EZ549,800円
XV-349,800円
Digilux Zoom49,800円(付属・充)
DSC-S3044,800円(付属・充)
C-960ZOOM39,800円
DC280J ZOOM39,800円
DC380039,800円
FinePix1400Z39,800円(付属中)
DSC-SX55034,800円
C-860L29,800円
FinePix130029,800円(付属)

 このクラスは、価格が手頃なこともあって、初めてデジタルカメラを購入する人を想定してランキングを作成した。ズーム機が上位に来ているのはそのためだ。

 すでに中堅モデルなどを使用しているユーザーのサブ機や二台目の機種であれば、「FinePix4500」がトップといえる。



●おすすめランキング
順位 機種名 コメント
1 富士フイルム
FinePix2500Z
 手ごろな価格で、しかも、211万画素光学3倍ズームを搭載した、好バランスモデル。

 CCDは1/2.7インチタイプだが、このクラスの中でも画質は明らかにトップレベルで、解像度もかなり高く、色再現性も見栄えのするもの。
 ボディーはやや大きめで、撮影時にレンズカバーを開け、メインスイッチをONにしなければならない点はちょっと不便だが、慣れでカバーできるレベル。電源は単3電池が使え、アルカリ電池でも十分な枚数撮影できるため、旅先で電池切れしても安心だ。
 また、実売49,800円でPC接続キットまで付属しているため、なかなかお買い得感がある。

2 ソニー
DSC-S50
 比較的おとなしい印象のモデルだが、完成度は高く、とても実用的。

 まず、電池の持ちが抜群にいい。普通の撮影であれば、オートパワーオフ任せで電源を意識して切らなくても、一日中安心して撮影できる点がうれしい。
 液晶モニターが回転式で、ハイアングルやローアングル撮影はもちろん、自分撮りも容易にできる点が便利。光学ファインダーはないが、液晶モニターの視認性が比較的いいため、さほど不満は感じない。
 また、オートモードではスローシャッターが1/30秒までに限定され、それより暗いシーンではゲインアップされるため、ノイズは多少増えるが、ブレが少ない点もいい。

 このほか、マクロモードでも至近距離から無限遠までカバーできるのでピンぼけの心配がなく、マクロ時のストロボ撮影も露出オーバーになりにくい。シャッター速度や絞り優先AE、スポット測光なども利用できるので、ベテランのサブ機としてもオススメだ。
 しかも、この価格でPC接続キットが付属しており、バッテリも本体充電できるため、買ってすぐに使える点もいい。

3 富士フイルム
FinePix 4500
 「ズームじゃなくてもOK」という人にはこのモデルがオススメ。

 本機はFinePix 40iのMP3なしバージョン。40iほどの楽しさはないが、薄型コンパクトで携帯性も良好。単焦点モデルだが、1280×960ピクセルモードなら、2倍のデジタルズームも可能。メモ用途がメインであれば、十分にズーム感覚で撮影できる。

 CCDは、1/1.7インチと大型のハニカム240万画素タイプ。実効感度もISO200相当と高く、カメラブレも少ない。しかも、実質的な解像度も通常の240万画素CCDより高く、色や階調再現性も良好だ。
 また、起動時間や撮影間隔もきわめて短く、AFも早いため、軽快感のある使用感を実現している。マクロ機能もレンズ前10cmまでと十分なレベルだ。
 電源は単3型2本。撮影枚数はやや少なめだが、電池が入手しやすいため、出先でも安心。
 実売価格は49,800円と、40iより2万円も安いが、パソコン接続キットが別売なので、実質的な価格差は意外に少ない。予算に余裕があるなら40iを奨めるが、MP3再生が必要ない人にはこちらがオススメだ。

4 コダック
DC3800
 実売39,800円と手頃な価格で、しかもポケットサイズの230万画素単焦点モデル。

 機能的にはとてもシンプルなモデルだが、CCDが1/1.75インチタイプの大きなものを搭載しているうえ、コダックならではの洗練された処理技術により、画質は上々。特に見栄えのする安定した写りは、5万円未満のモデルのなかでもピカイチの存在といえる。
 複雑な画像処理を行なうため撮影後の処理時間が長く、撮影間隔は約6秒もかかるが、割り切ってしまえばさほど不便ではない。むしろ、再生時のコマ送りがやや遅めで、しかも一覧表示機能がない点は気になるところ。

 バッテリは単3型2本。ストロボや液晶モニターを多用するとやや厳しいが、光学ファインダーメインで撮影しているのであれば、アルカリ電池でも実用十分なレベル。
 単3駆動可能で常時気軽に持ち歩ける、FinePix4500のライバル機といえる。デザインは好みが分かれるところだが、動作の遅さが気にならない人やカメラから直接ケーブル転送せずにメモリーカードリーダを使う人であれば、むしろ本機の方がお買い得感がある。

5 三洋電機
DSC-SX550
 マイナーチェンジモデル「DSC-SX560」が登場し、旧機種になったが、その分低価格でお買い得感十分な150万画素単焦点モデル。

 「DSC-SX560」との違いは、静止画時の連写が秒間15コマではなく、半分の7.5コマである点だが、そこまで必要ないという人なら実売価格で15,000円も安いこちらがオススメ。

 150万画素単焦点機ながらも、コンパクトで携帯性もよく、動作も実に軽快。画質もなかなか良好。30フレーム/sの滑らかな動画撮影ができる点も大きな魅力だ。また、記録媒体がCFカードで、microdriveにも対応しているため、データ量が巨大な動画撮影時でも安心。ただ、コンパクト化のために、電源が単3電池2本のため、電池の持ちは今ひとつ。とくに、microdrive使用時には必ずニッケル水素充電池と予備電池を用意したい。

 動画も撮れる一味違った常用機として、なかなか魅力的な存在といえる。また、予算に多少余裕のある人は、持ちやすくて超高速連写可能な「DSC-SX560」がオススメだ。

次点 C-990ZOOM -


●50,000~79,800円

機種候補
C-3040ZOOM79,800円
DSC-P179,800円(付属・充)
C-3030ZOOM69,800円
DC4800Zoom69,400円(付属・充)
DSC-S7069,800円(付属・充)
Allegretto M7069,800円(付属・充)
FinePix 40i69,800円(付属)
FinePix4700Z69,800円(付属中)
RDC-7S108,000円
LEICA DIGILUX 4.369,800円(付属・充)
”ipalm”PV-DC3000J67,800円(付属・充)
C-3000ZOOM64,800円
COOLPIX88062,800円
QV-3000EX59,800円
C-2040ZOOM59,800円
QV-2800UX59,800円
IXY DIGITAL59,800円(付属・充)
COOLPIX95059,800円
RDC-759,800円

 このクラスはボリュームゾーンであり、さまざまな機種が混在するクラス。そのため、ここではオススメ度ランキングはもちろんだが、基本的には自分の使用用途を考えて、それにあった機種を選ぶことが大切だ。


●おすすめランキング
順位 機種名 コメント
1 ニコン
COOLPIX880
 中堅クラスのなかでは、やや地味な存在だが、画質、ホールド感、機能、操作感ともにクラストップレベルの実力派モデル。

 ボディーはやや大きめだが、見た目よりも軽量でホールド時の安定感も上々。操作感も比較的分かりやすく、通常はAUTOモードに合わせておけば、家族みんなで気軽に使える。
 さらに、本機はかなり多機能なモデルで、機能的には「COOLPIX990」に匹敵するレベルだけに、本格的な撮影にも十分対応できる。入門レベルから本格的な撮影まで対応できるため、長く愛用できる点も大きなメリットだ。被写体別に最適な設定になるシーンセレクト機能もよく考えられている。

 気になる点は、バッテリ。通常は銀塩カメラ用のリチウム電池を利用するタイプで、持ちはなかなかいいが、バッテリの単価が高いのが難点。頻繁に使うなら、別売の専用充電池と充電器を別途購入することをお勧めしたい。

 また、実売価格は62,800円と手頃だが、PC接続キットやCFカードは別売で、専用充電器まで同時購入すると結構な金額になるので予算オーバーに要注意。

2 オリンパス
C-3040ZOOM
 12月8日に発売されたばかりのニューモデル。

 「C-3030ZOOM」のマイナーチェンジモデルだが、新設計の大口径ズームレンズの搭載で、画質面で大幅な改良が施され、機能もさらに充実したもの。ある意味で「C-3000Z」シリーズの完成形という感じだ。
 もともと、同社のラインナップの中でも上級モデルに位置する機種だけに、基本的なポテンシャルの高さは、同価格帯のライバル機をしのぐレベル。

 先代モデルの「C-3030ZOOM」との実売価格の差が10,000円と、どちらを選ぶか悩ましいところ。だが、先代よりもレンズの解像度がワンランクアップしており、より切れ味のいい写りを実現しており、機能面でも充実しているため、予算に余裕があるなら、「C-3040」のほうをお勧めしたい。

3 富士フイルム
FinePix 40i
 単焦点でもいいから、いつでも気軽に持ち歩きた人にオススメなのが、この「40i」。

 MP3機能については、評価が分かれるところだが、実際に使ってみると、なかなか楽しめるもの。このサイズなので、もともと持ち歩きが苦になるようなことはないが、MP3が聞けるため、完全な常時携帯デジタルツールという感じで愛用できる。ただし、付属するイヤーレシーバーの音質は今ひとつなので、音にこだわる人は高音質なものに変更することをお勧めする。

 起動時間や撮影間隔はきわめて短く、ポケットからサッと取り出して、パッと撮影できるという軽快さは大きな魅力。また、絵づくりも見栄えのするもので、実質的な解像度も300万画素機に迫るレベルだ。
 また、大人数の記念写真や風景撮影のときはフル画像で撮影し、通常のメモ用途は1,280×1,024ピクセルモードで、2倍のデジタルズーム機として活用するのがオススメだ。

 実売価格は69,800円と、単焦点タイプとしてはやや高価だが、MP3データ転送も可能なパソコン接続キット込みであることを考えれば、さほど割高感はない。
 もちろん、MP3を楽しむには、別途、ID機能付きのスマートメディアを購入する必要がある。販売店によっては、ID付きの32MBスマートメディア付きで販売されているので、それを購入することをお勧めしたい。

4 キヤノン
IXY DIGITAL
 今年の大ヒット作「IXY DIGITAL」。APSカメラ感覚で使える小型ボディーと高い質感は、いまも大きな魅力といえる。

 これほどコンパクトでスタイリッシュな2倍ズーム付きモデルは、ほかに存在せず、その点では現在でも唯一無二の存在といえる。
 もちろん、コンパクト化のために、操作ボタンや液晶モニターややや小さめな点は気になるところ。
 電源は専用形状の小型の充電式バッテリ。液晶モニターやストロボを多用すると、電池の持ちはやや不満を感じるレベル。しかも汎用電池が使えないため、できれば予備バッテリを携帯したほうが安心だ。

 画質的は、スナップ用途には十分なレベル。とはいえ、同じ1/2.7インチ211万画素CCD搭載機のなかでは中庸レベルのため、過度の期待はしないほうがいい。また、ノイズを抑えるため、暗いシーンをストロボナシで撮影しても、ゲインアップをしない仕様のため、カメラブレにも十分な注意が必要だ。

 スタイリングは別だが、ズームである必要がさほどない人であれば、「FinePix40i」や「FinePix4500」のほうが実用的で軽快だ。

5 カシオ
QV-2800UX
 クラス最高の光学8倍ズームを搭載した本格派多機能200万画素機「QV-2800SX」。

 このモデルは、スペックの割に注目度は低いが、コンパクトで高倍率で、レンズ回転式であり、機能面でも現行機でトップといえるほどの高機能モデル。

 その分、デザインはややゴテゴテしており、ボタンの数も多く、ファミリーユースにはヘビーな感じだが、手頃な価格のデジタルカメラで、本格的な撮影を楽しみたい人にお勧めしたいモデルといえる。
 特に、カメラの各機能を自分好みにカスタマイズできるため、使ってみると自分の道具として扱える上、数十種類もの撮影ガイド付き被写体別モードは写真の撮り方を勉強するのにも役に立つ(やや凝りすぎという感じもあるが)。

 もちろん、誰にでも勧められるモデルではなく、好き嫌いが分かれるところだが、このスペックで実売59,800円は充分にお買い得感がある。

参考 ソニー
DSC-P1
 今回、「DSC-P1」はあえて選外とした。

 334万画素光学3倍ズーム機を、コンパクトなサイズに収めた点は高く評価できるし、大いに魅力的。好条件下で撮影したものは、実用十分な画質であり、液晶モニターは小さいが明るいため、日中屋外での視認性も上々だ。

 だが、実際に使ってみると、レンズが暗く、ストロボの到達距離が短めであり、ストロボOFFでの撮影ではカメラブレが目立つケースが多い。
 画質的にも、他の300万画素ズーム機に比べて、ややコントラストが低めで、立体感に乏しい写りになる点も気になるところ。また、JPEGの圧縮率が変更できず、最大画像解像度で撮影すると、ファイルサイズが大きくなってしまうため、ライバル機と同じ容量のメモリーカードを使っても撮影できる枚数が少なくなる点も気になる。

 これ以外にも気になる点があり、誰にでも安心してお勧めできるモデルとは言い難いと考え、今回は選外とした。


●80,000円以上

機種候補
E-10175,000円
PowerShot G189,800円(付属・充)
DSC-F505V89,800円(付属・充)
COOLPIX99086,800円
FinePix4900Z89,800円
EI-200089,800円
C-2100 Ultra Zoom 99,800円
E-100RS128,000円
RDC-i700138,000円(付属・充)

 基本的にこのクラスは、始めてデジタルカメラを購入する人ではなく、すでに何らかのモデルを使っており、今回グレードアップをしようという人を対象に選考した。

 なお、今回は実売価格の関係で、「オリンパス C-3040」などが、一つ安価なクラスになっている。そのため、334万画素3倍ズーム機を検討している人は、「C-3000Z」「C-3030Z」「C-3040Z」なども対象機種になるため、これらの機種を含めて検討して欲しい。


●おすすめランキング
順位 機種名 コメント
1 オリンパス
E-10
 今回のノミネート機種のなかでもっとも高価なモデルだが、中堅機種のレベルが格段に向上した現在、あえてこの価格帯のモデルを選び、本格的な撮影を楽しみたいなら、思い切って「E-10」を購入することをオススメしたい。

 2/3インチの400万画素CCDと専用開発の大口径4倍ズームレンズの組み合わせは、想像以上に良好で、334万画素機より明らかにワンランク上の画質を実現している。
 もし、レンズ交換をする必要がなく、純正のワイドやテレコンバーターで撮影したい領域がカバーできるのであれば、わざわざレンズ交換式デジタル一眼レフを購入するよりも、本機の方が使い勝手がよく、かなりお買い得だ。

 もちろん、この価格まで出すなら、いっそレンズ交換式デジタル一眼レフを購入したほうが……と思う人も多いだろう。だが、レンズ交換式となると、交換レンズまで含めると40万円コースになるため、その半額で購入できる「E-10」のコストパフォーマンスの高さは大きな魅力といえる。

2 富士フイルム
FinePix4900Z
 光学6倍ズームを搭載した、ハニカム240万画素CCD搭載の本格派モデル。

 やや無骨な印象のデザインだが、手にしてみるとなかなか軽量でコンパクトで、携帯性も良い。また、液晶ビューファインダーの採用で、ホールド感も一眼レフに近い感覚で違和感なく撮影できる。

 独自のスーパーハニカムCCDも「40i」、「4900Z」と進化するにつれて画質が向上しており、本機ではさらに画質を最優先させたISO125の低感度モードの搭載で、さらにノイズ感の少ない階調豊かな画質を実現している。
 また、実質的な解像度もハニカム形式のため、240万画素という数値以上の実力といえる。
 本格的な撮影に対応できるよう、カメラの基本機能はかなり充実しているものの、細部の操作感に、やや未消化な部分も見受けられる。とはいえ、これも慣れでカバーできるレベルといえる。

 本機でもっとも気になるところは、シャッターのタイムラグ。液晶ファインダーのため、どうしてもシャッターチャンスが一瞬遅れる傾向があり、最高のシャッターチャンスを捕らえるのは、かなりの経験と勘が必要。この点さえ納得できれば、買いのモデルといえる。

3 オリンパス
C-2100 Ultra Zoom
 1/2インチ211万画素CCDと、光学手ブレ補正機能搭載の光学10倍ズームを組み合わせたハイスペックモデル。

 いかにもカメラ然としたスタイリングだが、大口径な10倍ズームとしてはなかなかコンパクト。
 光学手ブレ補正の制御は、同じ機能を搭載した「ソニー デジタルマビカ」に比べると、やや劣る感じ。ファインダーを覗いていると船酔い気味になることもあるのは少々残念だが、撮影時の補正効果は十分で、安心して超望遠撮影ができる(油断は禁物だが)。

 CCDは211万画素ながらも、1/2インチと大型なため、階調が豊かで再現域も広く、現在主流の1/2.7インチタイプより明らかにワンランク上の実力。写真画像としても美しさは、1/1.8インチ334万画素CCD搭載機を上回るほどといっても過言ではない。
 また、液晶ビューファインダーのレスポンスも比較的良好で、このタイプとしてはタイムラグも短く、シャッターチャンスを逃しにくい。

 CFカードが使え、連写性能に特化した150万画素CCD搭載の姉妹機「E-100RS」も魅力的だが、通常の撮影なら、やはり211万画素の本機の方がオススメだ。

4 キャノン
PowerShot G1
 今秋発売された、キヤノンの上級モデル。

 基本スペックは比較的おとなしいものだが、操作感はなかなか軽快。撮影レンズを中央に配したデザインも、ややクラシカルな銀塩カメラっぽく、違和感なく扱える。

 レンズは、F2-2.5の光学3倍ズームで、解像力も高く、ボケ味も素直で好感が持てる。ISO50設定時のノイズの少なさは1/1.8インチ334万画素機のなかでも特筆すべきレベル。もちろん、その分感度が低いため、ブレやすいので、撮影には十分な注意が必要だ。また、液晶モニターは独自の回転式構造で、縦位置撮影時でもハイアングルやローアングル撮影ができる点は大きな魅力といえる。

 ただ、レンズが明るく、ピントの合う範囲が狭いためか、意外にピントを逃すことが多い。また、露出制御の関係か、プログラムAEモードでやや暗めの場所を撮影すると、絞りとシャッター速度の組み合わせの関係もあって、ライバル機よりもブレやすい点にも注意が必要だ。
 画質的にも、ホワイトバランスの制御に若干のクセがあるうえ、全体に色の彩度が高めに設定されていることもあって、派手目な色調の被写体を撮影すると、色が飽和したような違和感のある仕上がりになる点は多いに気になるところ。

 基本性能が高いモデルだけに、上記の点をユーザーがカバーして使えば、同クラスのなかでもトップレベルの実力を発揮してくれるモデルといえる。

5 ニコン
COOLPIX990
 今春発売の定番334万画素3倍ズーム機。新旧入れ替わりが激しいデジタルカメラの世界では、比較的ロングセラーなモデルといえる。

 今秋のファームウエアアップデートにより、初期モデルにあった撮影時の待ち時間が大幅に短縮化されており、十分に軽快感のあるモデルへと進化している。

 もともと、クラス唯一の5点測距AF機能や高度な露出やホワイトバランス制御で、使いやすさと写りの安定度で定評のあるモデルだけに、各社から新鋭機が続々登場した現在でも、十分に選ぶ価値のあるモデルといえる。
 なかでも、接写撮影は同機の得意分野であり、レンズ直前まで寄れる点やアングルの自由度が高いレンズ回転式のため、小さなモノを撮影するときにはきわめて便利なモデルといえる。
 また、この秋には、ワイドとテレコンバーターが新タイプになり、画質が向上した点も、本機のようなシステムモデルにとって大きなメリットといえる。

 もっとも、直接のライバルとなる「C-3040ZOOM」や「PowerShot G1」に比べると、レンズがやや暗めで、少々ブレやすい点は気になるところ。携帯性を考えても、収納時は薄型になるとはいえ、やや嵩張る。また、CF Type2に対応していないため、microdriveが使えない点も少々残念だ。

次点 DSC-F505V   

(2000年12月22日)


[Reported by 山田久美夫]


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