ビル・ゲイツ基調講演レポート
~.NET対応Office 10とWhistlerで動作するタブレットPCをデモ~

11月12日(現地時間)開催

会場:MGM Grand Hotel


 COMDEX Fall/2000開幕前夜となる12日夜7時(現地時間)から、MGM Grand Hotelで、「Agility of Software」と題した、米Microsoftの会長兼CSAビル・ゲイツ氏による基調講演が行なわれ、.NET対応「Office 10」や新プラットフォーム「タブレットPC」がデモストレーションされた。

 ゲイツ氏は、最初にMicrosoftはどこに向かっているかについて語った。「'99年はWindows 2000がマーケットで支持され、テクノロジーの大きなキーとしてはワイヤレスやXMLなどの技術があった」とし、「XMLが、これからMicrosoftがどこへ向かうかの大きなキーの1つ」と述べた。

 また、ゲイツ氏は、.NET構想の新しい技術であるSoftware-to-Softwareモデルについて説明した。同モデルでは、ユーザーは必要にあわせて情報をカスタマイズ可能で、サーバーを必要とせず、異なる機器間で情報を共有でき、音声認識や手書き文字認識、マルチメディアなどの機能も持つという。

●.NET対応Office「Office 10」

 基調講演では、.NETに対応したクライアントソフトとして、Office 10のデモが行なわれた。「Office 10はセカンドβができたところ」としており、新機能のいくつかを紹介。80%のユーザーが使う機能が強化されたという。

 次期Officeでは、ウィンドウの右側にファイルオープンダイアログなどのテンプレートが用意される。テンプレートでは、あらかじめ設定したパラグラフのスタイルなどを選択して変更する事が可能。また、アプリケーション間の連携機能も強化された。

.NET対応クライアントソフト「Office 10」

●新フォームファクタ「タブレットPC」

 また、新しいフォームファクタとなる「タブレットPC」のプロトタイプのデモも行なわれた。タブレットPCはA4サイズ程度の大きさで、縦型の液晶ディスプレイを備える。

 タブレットPCは、.NETクライアントとしてだけではなく通常のPCの機能も持つのが特徴。OSは次世代Windows Whistlerで、USBキーボードやマウスなどを接続可能。500~600MHzのCPUと、メモリ128MB、10GBのHDDを搭載する。また、シンプルなユーザーインターフェイスと、液晶にペンで直接書き込む事で操作する「Electronic ink Technology」を搭載して、ユーザーは、紙のノートと同じように、直感的にタブレットPCを扱えるという。

 Wordを使用して、文字の種類を変えたり、手書きイラストをコピーして縮小し、再配置するデモが行なわれると、会場から大きな拍手が起こった。

Whistlerで動作するタブレットPC Electronic Ink Technologyでペンで紙に書くように操作できる

 また、基調講演の途中には「いったい普段なにをしているんだ? どうやって過ごしているの?」とよく質問されるとして、恒例ともいえる仕事中のゲイツ氏がスティーブ・バルマー社長に呼ばれて仕事をさぼって遊びに行くというビデオを上映し、会場をわかせた。

オフィスのゲイツ氏にところにバルマー氏から電話が…… バルマー氏と自転車に乗ったり、買い物をしたり……

□基調講演ニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2000/Nov00/COMDEX2000KeynotePR.asp

□COMDEX/Fall 2000のホームページ(英文)
http://www.key3media.com/comdex/fall2000/

(2000年11月13日)

[Reported by taira@impress.co.jp]


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