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トレンドマイクロ ウイルスバスター2001 パーソナルファイアウォール搭載の
TEXT:竹内慶人 Yoshito Takeuchi |
パーソナルファイアウォールの設定画面。個別のIPアドレスからのアクセスを制限することも可能だ |
ウイルスバスター2001の新機能としてまず注目されるのは、「パーソナルファイアウォール」機能だ。これまでの個人向けコンピュータウイルス対策ソフトは、メールの添付書類や、フロッピー経由など、なんらかの手段でパソコン本体内に侵入したウイルスを発見し、駆除するものであった。しかし、ウイルスの中には、感染後そのマシンから入力されたパスワードやクレジットカード番号などの情報を外部のユーザーに転送したり、外部のマシンからウイルスに感染したマシンの遠隔操作を可能としたりするものもあり、既存のアンチウイルスソフトでは、これらによるデータの送信そのものを食い止める手段はなかった。しかし、パーソナルファイアウォールでは、万が一こうしたウイルスに感染しても、インターネットを通じて送受信される各種データを監視して、ウイルスによる情報の送信や、外部ユーザーからの不正なアクセスを防ぐ。
本製品には、初心者にも分かりやすい簡易操作のEASYモードと、細かな設定が可能なADVANCEDモードの二つが存在する |
ただし、本製品自体はWindows Me/95/98/2000/NT4.0+SP5以降に対応するが、パーソナルファイアウォール機能は、NT 4.0環境では使用できないので注意が必要だ。
Webトラップ機能は、JavaやActiveXを利用したウイルスの被害を防ぐことができる |
数日ごとに新種のウイルスが発見される現在では、これに対応する形でウイルス検索、駆除用の定義ファイルも日々更新されており、アンチウイルスソフトによってウイルスを検索する前には、定義ファイルのダウンロードをインターネット経由で行なうことが常識となってきている。ウイルスバスター2001では、PCの起動後、マシンがインターネットに接続されているかをチェックし、接続されていれば自動的に定義ファイルの更新を調べて、ユーザーへと通知する仕組になっている。このため、最新の定義ファイルを逃すことがなく、次々と現われる新種ウイルスへの対応も迅速に行なえる。
ウイルス検索中の画面。ウイルスが見つかった場合は、感染ファイルを削除したり、独自の領域に隔離したりする |
ウイルスによるファイル破壊などの被害を防止するだけでなく、インターネットによる通信信販などにおいて個人情報の漏洩しない安全な環境を構築するための手段の一つとして、アンチウイルスソフトの導入はもはや必須となっている。その選択肢としてウイルスバスター2001は、パーソナルファイアウォールによって一歩先行した製品と言えるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□トレンドマイクロのホームページ
http://www.trendmicro.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.trendmicro.co.jp/company/news/news000802.htm
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【8月2日】トレンドマイクロ、機能強化した「ウイルスバスター2001
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