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プロカメラマン山田久美夫の

WORLD PC EXPO 2000デジタルカメラレポート

会期:10月17日~21日(17日は特別招待日)
   10:30~18:00 (10月21日は17:00まで)

会場:東京ビッグサイト 東1~6ホール 西3ホール

入場料:1,500円


 今世紀最後の大型国内イベント「WORLD PC EXPO 2000」が東京ビッグサイトで21日まで開催されている。デジタルカメラ関係では、先月、ドイツで開催された「フォトキナ」、先だっての「CEATEC」と大型イベントが続いたこともあって、今回のイベントで発表されたモデルは数少ない。

 しかし、会場には、この冬のボーナス商戦に向けての、各社の新製品が一堂に会しており、十分に見応えのあるイベントになっている。もちろん、発売前に実機に手を触れて、その感触を確かめられる数少ないチャンスであり、新機種の購入を考えている人にとって、とても有意義なイベントとなった。


●キヤノン、「EOS D30」、「PowerShot G1」を出品

 キヤノンは、20日発売予定のデジタル一眼レフ「EOS D30」と、フォトキナ発表の334万画素3倍ズーム搭載本格派モデル「PowerShot G1」を出品。いずれも自由に手にとって、その感触を確かめることができる。

 特に、一度発売延期となった「D30」は、すでに予約している人も多いようで、実際の感触をじっくりと確かめている人が多かったのが印象的。とはいえ、ブースでの人気が高く、詳しい質問をする人が多いこともあって、手にするまでにはそれなりの待ち時間を覚悟しよう。

 それに比べ、本邦初公開となる「PowerShot G1」は、比較的手にしやすい。実はこのモデル、写真で見るのと、実機に触れたのでは、かなり印象の異なるモノ。とくに、ボディの質感や操作の軽快さなど、実機でなければ、なかなか体感できない部分にその魅力があるため、ぜひ一度、その手で触れてみることを強くお勧めしたい。


●オリンパス、「E-10」、「E-100RS」を出品

国内イベント初公開のE-10

 オリンパスは、2/3インチ400万画素CCD搭載の本格派4倍ズームモデル「E-10」や、秒間15コマの高速連写可能な150万画素モデル「E-100RS」を出品。

 やはり人気が高いのは、国内イベントで初公開となった「E-10」。21日の発売に向けて、いまや急ピッチで開発が進んでいるようで、私の手元にある初期のベータ版モデルに比べ、シャッターの感触など細かな部分でのチューニングが施されており、より完成度が高まっていることが確認できた。

 また、発売後も店頭で触れる機会が少ない、フロントコンバーターやバッテリパックといった周辺アクセサリーも出品されているため、購入を検討している人は必見だ。

 一方、150万画素であり、高価なこともあって、注目度が今ひとつの「E-100RS」も出品されている。もちろん、ブースでは秒間15コマという超高速連写を体感することができる。利用用途は限定されるが、この連写はなかなか快感。こちらも店頭にはあまり並ばない可能性もあるため、興味のある人はぜひチェックしておきたい。


●ソニー、「DSC-P1」の巨大モデルや話題の「VAIO GT」を展示

 話題に事欠かないソニー。直前発表の新型AIBOは黒山の人だかり。また、68万画素10倍ズーム付きの新情報発信ツール「VAIO GT」は残念ながらアクリル越しの展示で、実機に触れることはできない。

 一方、コンパクトでスタイリッシュな334万画素3倍ズーム機の「DSC-P1」は、巨大な模型とともに、潤沢に実機が展示されており、かなり自由に触れることができる。こちらもまだ店頭で見かける機会が少ないモデルであり、購入を検討している人は要チェック。とくに、本機はボディの厚みが結構あるため、それが納得できるかどうかで、評価が分かれるところ。また、再生表示が遅いという欠点もあり、このあたりも実機できちんとチェックしておきたい。

 このほか、本機の特徴であるi-Jumpやピクチャーパラダイスのデモも行なわれているうえ、P1専用ケースや水中ハウジングなども出展されている。


●ニコン、「COOLPIX880」でのステージ撮影会を開催

 ニコンは今回、「COOLPIX880」をメインとした展開。テレビCMの「デジグラファーになろう」というキャッチフレーズでもわかるように、以前の重厚さなイメージから一転して、フレンドリー路線への転換を図ろうとしている感じだ。また、同ブースでは簡単なモデル撮影会も行なわれており、COOLPIX880の撮影感覚を確かめることができる。

 このほか、発売されたばかりの、COOLPIX990用のワイドやテレコンバーター、多機能リモコン、35mmフィルム用簡易スキャンアダプターといったアクセサリー関係も出展されているため、同機ユーザーもチェックしておきたい。


●リコー、イメージキャプチャツール「RDC-i700」をアピール

 リコーは、RDC-7をベースに、通信機能を大幅に拡張したイメージキャプチャツール「RDC-i700」をブースのメインとしてアピール。本機は、334万画素3倍ズーム機としての機能はもちろん、そのデータを簡単な操作で通信したり、カメラ単体でインターネットやE-MAILが可能であるなどPDA的な要素を盛り込んだモデル。

 大型のタッチパネル式液晶モニターを採用していることもあって、実機を見るとさすがに大柄な印象はあるが、機能的にはなかなかよく考えられており、デジタルカメラを中心としたモバイル機器としては、なかなかユニークな存在になりそう。

 ブースでは、通信デモやLAN接続といった、店頭では見られないデモも行なわれており、興味のある人はぜひ立ち寄ってみることをオススメしたい。


●カシオ、QV-2800での水着撮影会を開催。1万円を切る35万画素モデルの存在も。

 カシオは今回、デジタルカメラ関係では211万画素の8倍ズーム機「QV-2800UX」をメインとした展開。すでに恒例となった水着撮影デモも行なわれており、なかなかの人気を集めていた。

カタログに掲載されていたLV-10

 また、同社は先だって発表された小型プリンターを中心とした「EZ USB」というシリーズを展開しており、そのカタログ上には正式発表されていない、35万画素CMOS採用の低価格モデルが掲載されていた。

 このモデルは、USB接続式の4MB内蔵メモリー専用機で、撮像素子は35万画素CMOSセンサーで、レンズは固定焦点式の単焦点タイプとなっている。価格は実販で1万円以下となっており、液晶モニターこそないが、ストロボはきちんと内蔵されているなど、いわゆるオモチャ系デジタルカメラよりも充実した機能となっている。

 残念ながら会場には実機がなく、カタログ掲載のみだが、近々、大型量販店を中心に販売を開始するという。


●CEATECに近い展示内容だった、三洋、ビクター、松下

 三洋電機は、2インチの光磁気ディスク「iDフォト」採用機「IDC-1000Z」を中心とした展開を全面的にアピール。カメラ単体で編集可能な高画質な動画と、静止画撮影の両方に対応したモデルとして紹介していたのが印象的。

 展示内容は基本的に、先だってのCEATECとほぼ同等。iDフォトディスクの今後の展開として、高倍率ズーム搭載のiDフォトカメラやスクエアなデザインのコンパクト機、データストレージャーといった、モックアップが展示されていた。また、先行発表された、秒間15コマの超高速連写に対応した150万画素機「DSC-SX560」も出展されていた。

 JVCは、ワイド液晶搭載のWindowsCE機を中心とした展開だが、CEATEC同様、今回も334万画素ズーム機「GC-X3」や、DVカメラでありながらも192万画素相当の静止画撮影が可能なスタイリッシュモデル「DV2000」を出品。

 松下は、縦型の334万画素2倍ズーム機「iPalm」を出品。もっとも、同社ブースは新型ノートPCやPC系の周辺機器が数多く出品されているなかでの展示のため、あまり目立つ存在ではなかった。

□WORLD PC EXPO 2000のホームページ
http://wpc.nikkeibp.co.jp/wpc/
□関連記事
【10月4日】プロカメラマン山田久美夫のCEATECデジタルカメラレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001004/ceatec3.htm

(2000年10月19日)

[Reported by 山田久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp