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富士通 FMV-BIBLO MF5/600R CD-R/RWドライブを搭載した
TEXT:水島伸行 Nobuyuki Mizushima |
19mmの十分なキーピッチと広めのパームレストにより、キーボードの操作は比較的容易に行なえるだろう |
3モデルが存在する新MFシリーズの中から、今回試用したのは、従来の上位モデル、MF4/600Rの後継となる「FMV-BIBLO MF5/600R」だ。シルバーと暗めのブルーという落ち着いた雰囲気であった従来機だが、このMF5/600Rでは、新色のクールシルバーとライトブルーメタリックのツートンカラーを採用しており、明るく爽やかなイメージとなっている。
IEEE1394とモデムポートは1枚のミニPCIカードによって実現されている |
機能面における従来機からの主な変更点としては、まず、ビデオチップが従来のTrident Cyber 9525DVDから4MBのビデオメモリを内蔵するATI RAGE Mobility-Mとなったことが挙げられる。98年末に発表されたこのチップは最新のRAGE Mobility 128などと比べるとやや非力な感もあるが、2D性能やDVD再生支援機能は現在でも十分通用するものとなっている。
モバイルマルチベイに装着された機器は、ベイの脇にあるツメを立てると簡単に外すことができる |
やや地味ながらも重要な改良点は、キーピッチが1mm広くなり、19mmとなったことだ。キーストロークは従来同様の2.2mmで、薄型のB5ノートとしては標準よりもやや深い。実際に使用してみると、リターンキーが大型化されたこともあり、タッチタイプも問題なく行なえた。また、力を入れてキーを押した際のキーボードの歪みも少ないため、快適な打鍵感を得ることができた。ポインティングデバイスはタッチパッドで、その手前には新たにスクロールボタンも装備され、ブラウザや表計算ソフト使用時の操作性も向上している。
このほか、S/P DIF光出力、PCカードスロット、56k通信対応モデムなど、多くの機能を備えており、MDレコーダをはじめとするオーディオ機器との連係からインターネット利用まで幅広い活用が可能となっている。唯一、本機を会社と家とで使い回すことを考えると、LAN機能を備えない点が残念だが、モバイルPentium III 600MHzの処理能力と、12.1インチXGA対応液晶パネルによる作業効率は良好で、機能、使い勝手ともにおおむね満足のゆく仕様と言える。デスクトップPC代わりの多機能ノートPCが欲しいが、ノートであればやはり持ち歩きたいという難しい要求を満たすマシンとして、貴重な選択肢となる1台だ。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□富士通のホームページ
http://www.fmworld.net/
□製品情報
http://www.fmworld.net/product/_frm-pc/biblo-mf.html
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