NEW PRODUCTS TESTREPORT

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ランドコンピュータ
SoftDVD MAX2000 for Windows
住友金属システム開発
MightyPEG/DVD 2000
音声と画質にこだわった
ソフトウェアDVDプレイヤー2製品
TEXT：天野司　Tukasa Amano

■SoftDVD MAX2000

SoftDVD MAX 2000の操作パネル。再生、早送りなどの基本操作のほか、Dolby Headphone機能のオン、オフ切り換えも行なうことが可能
　「SoftDVD MAX2000 for Windows」はランドコンピュータから発売されたソフトウェアDVDプレイヤーだ。最大の特徴はDolby Headphoneシステムに対応している点である。これはDolby LaboratoriesとLake Technologyによって共同開発された立体音響再生システムで、ヘッドホンを使用した際にDolby Digital 5.1ch相当の音響効果を再現する技術だ。

　通常、2チャンネルのステレオ再生では、前後方向の音の位置は表現することができなかった。だがこのDolby Headphoneシステムは、物理的には2チャンネル再生でありながら、中央前方、右前方、左前方、右後方、左後方の五つのチャンネルを擬似的に実現し、立体的な音響を得ることができる。さらにSoftDVD MAXではDH1～DH3という広さの異なる三つの音場パターンが用意されており、再生タイトルに応じて変更可能だ。

SoftDVD MAXのオーディオプロパティ。Dolby Headphoneのモード設定もここで行なう
　使用するヘッドホンは特殊なものを必要とせず、PCと接続できるものであれば何でもよい。実際に試してみた印象は、6本の外部スピーカーを使った再生ほどではないが、ステレオスピーカーやヘッドホンでの2チャンネル再生とは明らかに異なる、前後にも広がりを持った音場が感じられた。

　5.1chの音声は、言うまでもなくDVD-Videoの醍醐味の一つだ。だが実際に5.1ch再生を楽しもうと思うと、Dolby Digitalデコーダや合計で6本ものスピーカーが必要になり、コストも場所も必要となる。これが既存のヘッドホンだけで味わえることは、本製品の大きなメリットと言える。

　しかも6月中旬現在、パッケージ販売されているソフトで、Dolby Headphone出力が楽しめるのはこのSoftDVD MAXだけだ。画像の再生能力や各種機能は、ほかのソフトと比較しても遜色がないので、「5.1ch再生は試したいが費用が……」といった、とにかく手軽に3D音場を楽しんでみたい人にお勧めのソフトと言える。

■MightyPEG/DVD 2000

MightyPEG/DVD 2000ではマウスの右クリックで表示されるコンテキストメニューからの操作も行なえる
　住友金属システム開発から発売された「MightyPEG/DVD 2000」は、サイバーリンクが開発を行なっているPowerDVD 2000と同じエンジンを使用したソフトウェアDVDプレイヤーだ。

　心臓部となる新型のMPEG2デコードエンジンでは、デインターレース処理が大幅に強化された。従来のバージョンではテレビ番組やアニメなど、インターレースモードで収録されたタイトルを再生すると、動きの激しい場面で輪郭に櫛形ノイズが発生していたが、今回のバージョンではこれが大幅に緩和されている。また、映画などの16：9の画面比率で収録されたタイトルでは、中央部のみを拡大表示し、マウスで表示範囲を左右にドラッグすることができるパンスキャン再生に対応した。このほか、2倍速や4倍速といった変速再生や逆再生も可能となっただけでなく、気に入った場面をブックマークとして記憶して、その場面からの再生を可能にする「お気にナビ」機能も備えている。

MightyPEG/DVDの操作パネルは4種の中から選択できる。本ソフトを起動するたびにランダムに切り換えることも可能だ
　サウンド機能では、Sound Blaster Live!での4チャンネル出力、Fortmedia FM801搭載カードでの6チャンネル再生が可能となった。さらにS/P DIF出力端子からのDolby Digital、およびdtsによる5.1ch出力も可能だ。いずれの場合も外部にデコーダが必要で、利用できるサウンドカードはSound Blaster Live!シリーズなどに限られるが、再生環境さえ整えれば迫力のある立体音響が楽しめる。2チャンネルの環境においても、サラウンド効果を実現するQXpander機能により、広がりのある音場を体験できる点も注目だろう。