会場:NewYork Jacob K. Javits Convention Center
現地時間の7月19日にNewYorkのJavits Convention Centerで開幕した「Macworld Expo 2000」。その初日に行なわれたApple Computerのスティーブ・ジョブズ CEOの基調講演は、当日まで秘密とされていた新製品が、いよいよ発表されるということもあって、会場の興奮も高まった。
●ジョブズ氏は15分遅れて登場
ジョブズ氏は、彼のトレード・マークになりつつある黒のタートルネックシャツとジーンズで登場。ステージに設置してあるデスクに向かうとマウスを手にとり、自ら操作し始めた。大きなスクリーンに彼の巧みなマウス操作が浮き上がる。
最初にスクリーンに登場したのはオプティカルトラッキング技術を使ったボールの無くなったマウス。しかもクリックボタンがない。ジョブズ氏は語った。「ボタンはどこだって?-表面すべてがボタンなんだ。だから大人の手でも、子供の手でも、右利きだって左利きだって大丈夫。スタイルも人差し指で押す人、ガバッと全体で押す人だっているけど、それでも大丈夫……」今後は、このマウスをデスクトップラインの標準装備にするという。解説の後には、ステッペンウルフ「Born To Be Wild」が流れるマウスのCM。会場は笑いと拍手の渦になった。
マウスと共にキーボードも変更された。ボリュームとディスクイジェクトが付属し、キーの数も108になる。多少サイズは大きくなったようだ。価格はともに59ドル。9月に出荷が開始される。
この日、公演会場の席に着いていた全員にマウスが配られた。なんと、シートの裏に引換券が貼られていたのだ。私は不覚にも席を離れていたために貰いそこねてしまった。
●Two brains are better than one.
Photoshopによるスピード比較デモは、最初はPowerPC G4 500MHzのシングルとPentium III 1GHzで行なわれた。Photoshopで描かれた映像が勢いよく処理される。結果は、当然のごとくG4優勢。Pentium IIIの処理が終わるのを待つ。PowerPC G4 500MHzデュアルのハイエンドモデルでは、まさにPentium III 1GHzの2倍の処理速度だ。ジョブズ氏は意気揚々と、「待ってられないから、次、行きましょう」とジョークをとばす。
Mac OS Xは、9月はじめのパブリックベータの登場を待つことになる。Aquaのデモでは吸い込まれるようにムービーがドッグに消えていく。
□Microsoftのニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/mac/products/office/2001/preview/press_releaseF.asp
●自分自身のビデオクリップでiMovie2をデモ
続けて、itoolsオンラインでのWebデザインを紹介。Webサイトの写真をドラッグするだけで位置も変われば、枠を選ぶだけで写真の縁取りを変えたりして、簡単なアルバム風ホームページの完成。初心者でもホームページ製作が簡単にできることを見せつけた。
□iMovie2の製品情報(英文)
http://www.apple.com/imovie/
●iMacに2度目のバースデーケーキ
バースデーケーキがクルクルと回る映像に会場は「おめでとう!」の喝采。iMac Second Birthdayである。成長は当然のように今回も訪れる。Indigo/Sage/Ruby/Graphite/Snowの五色が新たに発表された。それぞれがおとなしく深みを帯びた色になった。中でもSnowは、医療関係のマシンにぴったりな清潔な感じ。
□製品情報(英文)
http://www.apple.com/imac/
●新機種G4 Cube登場
最後に、17インチCRT、15インチと22インチのLCDの新しい3つのディスプレイを紹介して、基調講演は終了した。
□「G4 Cube」製品情報(英文)
http://www.apple.com/powermaccube/
□Appleのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□基調講演の概要(英文)
http://www.apple.com/hotnews/articles/2000/07/mwny2000/keynote/
□関連記事
【7月20日】Apple、新ラインナップを発表(仮)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000720/apple.htm
(2000年7月21日)
[Text by Hiroe Bailey / Photo by 矢作 晃]