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EIZO FlexScan T561 2系統の入力ごとに設定保存が可能な
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
奥行きは従来機T57sと同じ、439mm。アパーチャーグリル管を採用したモデルとしては比較的短い部類に入る |
新世代機であることを一目で感じさせるのが、そのボディカラーだ。これまで同社の製品は薄いクリーム色であったが、このT561では「セレーングレイ」と呼ばれるブルーがかった明るいグレーに変更された。平らな管面や直線を多用した形状と相まって、非常にシャープな印象を与えるデザインといえる。
表示管として採用されているのは、三菱のダイヤモンドトロンNF管だ。AGピッチは0.25mm、推奨解像度は1,280×1,024ドット(リフレッシュレート85Hz)となっており、1,024×768ドットや、1,152×864ドットといったモードでなければ実用にきびしい低価格機とは一線を画すフォーカス性能を持っている。最大1,600×1,200ドット(リフレッシュレート75Hz)の表示も可能ではあるが、17インチサイズではAGピッチと面積の関係からドット同士が一部重なってしまうため、この解像度での常用はさすがにつらい。
設定は従来と同じ四方向キーを使用する。OSD自体も2系統の記憶領域を持つ点以外は従来とほぼ同じものだ |
本体背面部にDsub15ピンと、5BNCコネクタを持ち、それぞれが異なる設定を記憶できる |
操作スイッチの構成は、これまでの同社製品とまったく同じで、画面のサイズ調整やさまざまな設定は、メインとなる4方向+プッシュ機能を一つにまとめたボタンで行なう方式だ。ある程度の慣れを要するとはいえ、スピーディで効率よい操作ができる。また、とくによく使うと思われるBNC、Dsubの入力切り換え、および画面のオートサイズ機能については独立したボタンが割り当てられている。
コントラストや輝度、色温度などを含めたさまざまな画質設定は、BNCとDsubのそれぞれの入力系統ごとに別々に保存可能になった。2系統の入力には、それぞれ別のマシンが接続されるわけであるから、この種の画質設定は入力系統によって異なっていても不思議ではなく、むしろこれまでこの機能がなかったほうが問題だったわけだが、非常にうれしい改善点と言えるだろう。
テストパターン表示。ハイコントラスト表示による引き締まった黒が美しい。色ムラ、色ズレなどは見られない |
14、15インチ液晶、および19インチCRTディスプレイの普及により、17インチCRTディスプレイの商品価値はしだいに低下しつつある。しかし1,280×1,024ドットという解像度は、100,000円前後の低価格液晶ディスプレイでは実現できず、19インチCRTディスプレイではそのサイズが環境に適さないとの声も高い。これに対して、T561は1,280×1,024ドットの画面モードを高画質、かつコンパクトに実現できるという点でアドバンテージがある。ディスプレイはPC周辺機器の中でも人間に近い位置にある。長く付き合うものであるので、目に優しいものを選びたい。そうした意味でこのT561は、17インチディスプレイに対する多くの要求を満たす有力な選択肢となるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□ナナオのホームページ
http://www.eizo.co.jp/
□製品情報
http://www.eizo.co.jp/home/products/crt/t561/contents.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000417/nanao.htm