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松下、i.LINK対応BSデジタルハイビジョンTVと単体チューナ

9月1日発売

標準価格:「TH-36D10」480,000円
     「TU-BHD100」オープンプライス

連絡先:テレビネットワークシステム事業部
    Tel.0726-22-8181



【TH-36D10】
【TU-BHD100】
 松下電器産業株式会社は、BSデジタルハイビジョン対応36インチテレビ「TH-36D10(愛称:デジタル タウ)」と、単体チューナ「TU-BHD100」を9月1日から発売する。価格はTH-36D10が480,000円、TU-BHD100がオープンプライスとなっている。TU-BHD100の実売価格については「アンテナやテレビなどとのセット販売が多いと予想されるので、松下側から言える数字はない。ただ、米国で既に販売されているデジタルチューナが1,000ドル程度なので、その水準となるだろう」としており、10万円強と予想される。なお、NHKが期待するチューナ単体2万円という価格については「実現できなかった(同社)」と明言している。

 BSデジタル放送は実験放送が3月15日から開始されており、9月1日から試験放送に、12月1日から本放送に移行する。今回の製品は試験放送の開始にあわせて発売されるわけだが、一般への啓蒙および、浸透させるため6月24日から全国の店頭で展示を行ない、受注を開始するとしている。月産台数はTH-36D10が1万台、TU-BHD100は15,000台を予定。

 BSデジタルハイビジョンテレビは、三洋が業界初の製品「VIZON(HVC-36DZ1、57万円)」を5月18日に発表、TH-36D10はそれに続く製品となる。VIZONがDVDプレーヤーや、ドルビーデジタルデコーダを内蔵するなど多機能型テレビであるのに対し、TH-36D10はBSデジタル以外の機能を盛り込んでいない代わりに、価格が9万円安く設定されている。

 BSデジタル放送はテレビ放送、データ放送、ラジオ放送の3種類のサービスがあり、テレビ放送はハイビジョンの1080i/720p、標準の480p/480iと多種のフォーマットがある。なお、数値は有効走査線数、i=インタレース、p=プログレッシブ(ノンインタレース)を意味する。また、数値は有効走査線数ではなく総走査線数で表記されることもあり、その場合は1080=1125、720=750、480=525となる。

【松下のラインナップ展開】
BSデジタル
テレビ
BSデジタル
データ
BSデジタル
ラジオ
BSデジタルハイビジョン
フル対応

1080i対応
BSデジタルハイビジョン
スタンダード

1080i対応
××
BSデジタル
フル対応

480i対応
BSデジタル
スタンダード

480i対応
××
 TH-36D10と、TU-BHD100はBSデジタルチューナとしての基本性能は同じで、BSデジタル放送の全てのサービス、フォーマットに対応する。今回BSデジタル放送にフル対応したことについて同社では「これから、データ放送が重要になると捉えているが、実際の放送でどういったサービスが行なわれるかはわからない。また、ハイビジョン画質が必要とされているのかもわかわらない。しかし、試験放送の段階で、BSデジタル放送を理解してもらうにはフル対応が必要だと考えた」とその理由を説明している。

 しかし、今後の展開は「現在ハイビジョンテレビおよび、ハイビジョン画質を表示できるプログレッシブ対応テレビを合わせても累計で160万台。テレビは世帯普及率から5,000万台あると考えると、ハイビジョン画質の出力が不要で、多チャンネルだけ欲しいという消費者が相当数出てくることは確実だ」とし、「第2ステップとして機能を削って低価格した製品を予定している。しかし、その時期については未定であり、それは実際に放送が始まってからだと思う」とラインナップの拡大を示唆した。

【D-VHSデッキ(参考出品)】
 TH-36D10と、TU-BHD100は、光デジタル音声出力端子も装備。別途対応デコーダを用意すればBSデジタルの標準音声コーデックAAC 5.1chの再生が可能になるほか、地上波やビデオ入力の音声はPCMに変換されて出力される。また、最大の特徴としてi.LINK端子を装備しており、同社が開発中のD-VHSデッキ(発売日や価格など詳細未定)を接続すればデジタル録画が行なえるほか、テレビ側からD-VHSをコントロールすることもできる。加えて、番組ナビ機能(EPG)により、テレビに番組表を表示してそこから予約も可能。野球中継などが延長された場合でも、自動的に追従して設定時間をずらすこともできる。

 なお、他社のD-VHSによるデジタル録画は、「原理的に可能だとは思うが、発売までに機器テストが終了しないため、当面は弊社の製品のみサポートする」としている。DVD-RAMビデオレコーダとの連携については、「今後各種機器にi.LINKを採用してネットワーク化をすすめていく。しかし、BSデジタル放送と、DVD-RAMビデオレコーダは同じMPEG-2を採用しているが、記録フォーマットが異なっている(注:DVD-RAMはDVDビデオレコーディング規格を採用)。それをi.LINKでどう接続するか規格が決まっていないので、今のところ実現できない」という。

 また、本体に2,400bpsのモデムを装備するほか、B-CAS(Conditional Access System~限定受信)カードも付属しており、登録することでスクランブルのかかった有料放送や、テレビショッピングなどのインタラクティブな番組にも参加でできる。

【D端子と放送フォーマットの対応】
480i
(525i)
480p
(525p)
720p
(750p)
1080i
(1125i)
D1端子×××
D2端子××
D3端子×
D4端子
 なお、TH-36D10は720pの放送は1080iに変換して表示する。TU-BHD100は映像出力にアナログ以外にD1~D4に対応したD端子を装備。手持ちのテレビにあわせて設定すれば、D3ならD3に、D1ならD1(525i固定)に変換したり、D4を選択すれば変換なしに出力することもできる。また、全てのフォーマットを1080iに変化するモードを備えているので、従来のアナログハイビジョンテレビとコンポーネント接続することも可能となっている。

【主な仕様】
TH-36D1TU-BHD100
ブラウン管タウフラットハイビジョン管
36インチ(16:9)
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
874×587×637mm280×280×67mm
重量78.7kg2.0kg
消費電力
(待機時)
228W
(0.2W)
25W
(0.5W)
受信チャンネルVHF 1~12、UHF 13~62
CATV c13~c38
BSデジタル 000~999
BSデジタル 000~999
端子BS-IF 入力端子
D3入力:2系統2端子
ビデオ:3系統3端子
S2入力:3系統3端子
S2モニタ出力:1系統1端子
ヘッドホン端子
光デジタル音声出力端子
i.LINK端子:2
Irシステム端子
モジュラー端子
BS-IF 入力端子
D出力:1系統1端子
S1出力:1系統2端子
映像出力:1系統1端子
音声出力:1系統3端子
光デジタル音声出力端子
i.LINK端子:2
Irシステム端子
モジュラー端子
モデム2,400bps

□松下電器産業のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn000525-1/jn000525-1.html

(2000年5月25日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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