マイクロソフト株式会社は、Windows 98の次世代にあたるコンシューマー用OS「Microsoft Windows Millennium Edition(以下Windows ME)」の報道機関向けセミナーを開催した。会場ではプラットフォーム製品マーケティンググループマネージャーの御代茂樹氏らがWindows MEと、7月に配布開始が予定されている「WindowsMedia Techonologies 4」の解説にあたった。
御代氏はWindows MEを「プラットフォームアップデートではなく、エディションアップ」と説明、「家庭用に特化したシンプルな機能と操作性を提供するのが目的」と述べた。また、Windows MEのターゲットは、インターネット、メール、ゲームを中心にした初級・中級ユーザーとされている。これに対しWindows 2000は「ビジネスとハイレベルなパソコンライフを求めるユーザーのための上位OS」と位置づけられている。
Windows MEはその90%以上をPCへのプリインストールで出荷され、パッケージは「スタンダード版」とWindows 95/98/98SEからの「バージョンアップグレード版」が用意される。日程は最終仕様ベータ(RC)が5月下旬、製品版(RTM)が7月中旬、パッケージ版は今秋とされている。今回は一般ユーザー向けのベータ版の配布は行なわれない。Windows MEはPC/AT版のみでPC9800版は用意されない。 なお、Windows 98/98SEからのアップグレードモジュールなどの提供は予定されていない。また、正式な発売時期、価格については後日の発表としている。
Windows MEの起動画面 | Windowsファミリの構成 |
Windows MEの3つの特徴 | 壁紙の設定をいじられても、戻るポイントを指定するだけで復帰 |
基本機能面ではWindows 98からの変更点は少ないが、指定の時点へシステムを復元できるウィザードや、Windows 2000のようなシステムファイルの保護などの、保護・復旧機能の追加が目新しい。レガシーフリーなEasy PCコンセプトへの対応も謳われている。
また、デジタルカメラやスキャナなどのイメージング機器の取り扱いを共通化する新しい規格Windows ImagingAcquisition(WIA)の採用も目新しい。WIAは個別に拡張されアプリケーション側の対応が難しくなっているTWAINに代わる規格として規定されたという。会場ではキャノンのIXY DIGITAL、エプソンのスキャナー、ソニーのDVカメラなどからUSBやIEEE-1394経由でデータ転送するデモが行なわれた。 さらに、新しい付属アプリケーションの「Windowsムービーメーカー」を使い、キャプチャしたムービーの編集や、WMF形式のMPEG-4ファイルへの出力がデモされた。
インターネット機能ではIE 5.5、Outlook Express 5.5、NetMeeting 3.1など関連アプリケーションがバージョンアップされた。ネットワーク共有などのLAN接続の設定も新設の「ホームネットワークウィザード」により簡単になっている。
また、Windows MEにもその一端である「Windows Mediaプレーヤー7」が搭載される「Windows Media Technologies 7」は、7月中旬にWebから無償ダウンロード開始。今回は、CDからのリッピング、データベースからのアーティスト名や曲名の自動入力、スキンによるインターフェイスの変更などがデモされた。また、Real G2より同じビットレート時の音質が優れていることを強調、同一音源を聞き比べるデモも行なわれた。
曲に合わせてアニメーションが動くなど、遊ぶための機能も増えている | こんなスキンも用意される | Windowsムービーメーカーの編集画面。基本操作はドラッグ&ドロップ中心 |
Windows MEの動作必要条件は、Pentium 150MHz以上(ムービーメーカー使用時はPentium II 300MHz以上)、メモリ32MB(同64MB)、HDD 700MB以上、VGA以上の解像度を備えたディスプレイ、CD-ROMまたはDVD-ROMドライブ、マウスなどとなっている。ただし、上記仕様はBeta3時点の条件で、変更される可能性もある。
□マイクロソフトのホームページ
(5月23日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.microsoft.com/japan/
(2000年5月23日)
[Reported by date@impress.co.jp]