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E3 2000会場レポート PCゲーム編

一押しタイトル「MAX PAYNE」を出展していたGODほか

会期:5月11日~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center



●マトリックスの映像効果を再現した「MAX PAYNE」

 '99年のE3から会場前の駐車場に特設ステージを設け、関係者に新作ゲームを展示しているGOD(Gathering of Developers)。今年は昨年にも増して派手なステージングを展開しており、年内発売予定の「KISS PSYCHO CIRCUS」に登場するロックグループKISSのメンバーの人形を周りのビルの屋上に配置。いやが上にも目立つようになっていた。

 GODは数社のデベロッパ(開発)が共同で運営するパブリッシャー(販売)の会社。今回も数多くのソフトを展示していたが、その中でも注目のソフトを3タイトルほど紹介しよう。

 まず最初はE3 2000における一番の注目タイトルでは? とささやかれる3Dアクションアドベンチャー「MAX PAYNE」。このゲームは一言で言えば、昨年公開された映画「マトリックス」の映像効果をそのままPCゲームに再現したと言えばわかりやすい。効果的な場面で弾丸を発射すると一瞬画面がストップし、被弾者をとらえた映像がグルッと回り込むように移動していく。また、スペシャルムーブという入力キーが用意され、それを押すと横っ飛びして拳銃を発射することもでき、香港映画のようなワイヤーアクションが再現されている。

 このストップモーションの技術は効果として自動的に再現されるほか、プレーヤーが好きなときに画面を止めストップモーション再生できるようになるかもしれないと言う。通常この手のアクションゲームではプレーヤーキャラの3人称視点のみだが、「MAX PAYNE」では舞台となる街の中どこにでもカメラ(視点)を自由に移動させて見ることができる。高層ビルの屋上からビルの内部、そして街の隅々までカメラを移動させてチェックすることができるのだ。このような映像効果の実現にはそれなりのハードウェアスペックが要求されそうだが、現状必要なマシンスペックとしては、Celeron 400MHz、RIVA TNT2搭載ビデオカードで再現できるという。

 ストーリーは家族も同僚も殺されたプレーヤーが、上司から殺しの嫌疑をかけられ、復讐の戦いに赴くというハードなものだ。暗黒街を思い起こさせる街には死体が数多く転がり、出会う人はすべて敵というハードコアなゲームだ。残虐なシーンも頻発するので、多くの人に薦めることはできないが、この視覚効果のカッコよさには注目していいだろう。

【MAX PAYNE】

(C)2000 Remedy Entertainment. All Rights Reserved.


●PCとDCで通信対戦を実現した「4×4 Evolution」など

 GODのブースでは、このほかにも4輪駆動車のレースを描いたカーレースゲーム「4×4 Evolution」も出展されていた。このゲームはPC、Mac、Dreamcastで発売されるが、DreamcastとPCでインターネット対戦が可能になっているという。Dreamcast版では4人まで同時対戦ができるほか、PC/Macでは8人まで対戦に参加することができる。PC版は日本ではP&Aが販売するが、Dreamcast版は現在検討中となっている。

 ゲームの内容はレースを勝ち進み、賞金を手に入れマシンをチューンナップしていくというもの。チューンナップすると車の外見が変わるだけでなく、たとえばヘッドライトを変更するとより遠くまで照らし出すことができるなどの変更が加えられる。またインターネット対戦以外にも世界ランキングを登録でき、さらに他プレーヤーのデータと競争することもできるという。これらの要素をこれから付け加えていき、2000年の8月から9月頃の発売を目指す。

【4×4 Evolution】

(C)2000 TERMINAL REALITY. All Rights Reserved.

 また、近日中に米国では映画が公開される「HEAVY METAL F.A.K.K.2」のゲームも8月から9月に登場する。3人称視点の3Dアクションアドベンチャーで、デモの感じではアドベンチャー要素よりもアクション要素に重きが置かれているようだ。

 プレーヤーは、ファンタスティックな異世界の惑星を舞台に、主人公の女性“Julia(モデルはPent HouseのモデルJulie Strain)”となり悪の存在に対し復讐することになる。このゲームでは、崖に沿って狭い足場のところを進んだり、ロープにぶら下がりながら進むなど、トゥームレイダーばりの多彩なアクションが可能だが、それにも増して重要なのが武器の使用方法だろう。というのも右手に剣を持ち、左手で銃を持つなど左右で違う武器を持ち攻撃することができるのだ。盾も用意されているので、右手に剣、左手に盾といった剣士のスタイルも再現できる。ただ、盾はただ持っているだけでは効力を発揮せず、タイミング良く防がなければダメージを受けてしまう。

 主人公の感情などによってコスチュームが変わるなどのサービス精神の旺盛なこのゲーム、米国ではPC、Mac、Dreamcast版が用意されるが、日本ではPC、Macの発売が予定されている。

【HEAVY METAL F.A.K.K.2】

(C)2000 Ritual Entertainment. All Rights Reserved.


●Interplayのブースで公開された、巨大な怪獣を体感できる「GIANTS CITIZUN KABUTO」

 '99年からInterplayが展示しているリアルタイムストラテジーゲーム「GIANTS CITIZUN KABUTO」の完成が近づいているようだ。同作品を開発しているPlanet Moonによれば、エンジンはほぼ完成しており、あとはバランスをとるだけと言ったところまできているようだ。

 幻想的な世界に住む4種類の種族。プレーヤーはその中の3種類の種族のいずれかを選択し他種族を倒すのがゲームの目的。3種類の種族はそれぞれ特徴があり、巨大だが頭脳的には劣る“KABUTO”、技術的には優れているが小さい“MECCARYNS”、スピードが速く魔法も使えるが体力のない“SEA REAPERS”と、それぞれがいいところと悪いところを併せ持っている。

 それぞれの不利な点を克服しながら相手の弱点をつくといったかなり頭脳的なプレイが要求されそうだ。たとえばどんどん成長し巨大になっていくKABUTOに対しては周りの食料を絶ち、餓死させるといった戦術が有効になるという。

 もちろんインターネットを使った対戦プレイにも対応している。ルールの設定や対戦モードも充実しており、たとえば3人のMECCARYNSでチームを組んで1人のKABUTOと対戦するといったことも可能となる。

 美しいグラフィックに奥深い戦略性を秘めたゲームといえるだろう。発売はこの冬を予定しており、日本ではイマジニアが現在日本語化を進めているということで、楽しみな1作だ。

【GIANTS CITIZUN KABUTO】

(C)2000 Planet Moon Studios. All Rights Reserved. Planet Moon and the Planet Moon logo are trademarks of Planet Moon Studios. Giants, Giants: Citizen Kabuto, Interplay, the Interplay logo, and "By Gamers. For Gamers." are trademarks of Interplay Productions. All Rights Reserved. Exclusively licensed and distributed by Interplay Productions. All other copyrights and trademarks are the property of their respective owners.

□E3のホームページ(英文)
http://www.e3expo.com/

(2000年5月15日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp