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エー・アイ・ソフト 読んde!!ココ Ver.6 with 名刺OCR シェアNO.1のOCRソフトが バージョンアップして新登場 TEXT：松原 修　Osamu Matsubara

AI Smart Scanでは原稿の種類を自動判別し、最適な設定を行なってくれる

　OCRソフト市場でシェアNo.1を誇る「読んde!!ココ」シリーズに、最新バージョン「読んde!!ココ Ver.6 with 名刺OCR」が登場した。OCR（Optical Character Recognition）ソフトとはイメージスキャナで取り込んだ画像から文字を抽出し、テキストデータに変換するものである。「読んde!!ココ」は日本語、英語に対応し、これらの混在文書や表、段組、名刺といったさまざまな形式、形態の文字をテキストなどのデジタルデータに変換することができるのが特徴だ。

　OCRソフトでまず重要となるのは、その認識率だが、「読んde!!ココ」シリーズは従来から高い認識率を誇る。同ソフトの文字認識方法は、大きく分けると2段階になっているが、最初の段階は、文字を形として認識する部分だ。ここではデータベースを使い統計的な手法で文字を認識する。次の段階では、同社の日本語入力ソフトである「W XG」で培われた言語処理技術をベースに構文を自動解析し、誤認識を校正する念の入りようだ。

今回の新機能として、WordやExcelなどのアドインとしての使用が可能になった

　実際に筆者がワープロ原稿（11ポイント・1,275文字）と新聞記事（595文字）を使って認識率を試してみたところ、ワープロ原稿では99.8％、新聞記事でも98.3～99.0％（前者が300dpi、後者が600dpi）となっており、非常に良好な成績を収めた。なお、誤認識された文字を見てみると、記事に頻出していた教諭の「諭」などのように、ある程度決まったものが多くなっていた。紙や印字の品質、スキャナの性能によりこの誤認識のクセは変化するものだが、少なくとも同一の環境で長文を読み取る場合には、こういったクセがあることを覚えておくとチェックの際に役立つかもしれない。

　今回試用してみて、とくに便利と感じた機能としては、アプリケーションにアドインとして対応することが挙げられる。これはVer.6から追加された機能の一つで、ワープロなどで文書を作る際にこれらのアプリケーションのメニューバーを指定してシームレスにOCRの作業を行なえるものだ。対応しているソフトも、Word、Excel（共に97以降）、一太郎（Ver.8以降）とメジャーなものを押さえている。

認識率は非常に高く、白紙にテキストばかりでなく、段組や表組も認識することが可能。写真のカラー原稿でも、段組を見事に認識している

　われわれが日常目にしている文章は、白紙の上に文字だけが連続して印刷されているものはめずらしく、図や表はもちろん、複雑な段組が施されていたり、ルビや下線などの装飾が存在していたりと、OCRソフトがその出力処理を苦手とするものが多い。しかし、「読んde!!ココ」では、オプションを選択することで、さまざまな出力形式に対応する。たとえば、ルビが振られた文章は、（1）ルビを残す、（2）文章（ぶんしょう）のように、ルビを文中へ埋め込む、（3）ルビの削除という三つの処理を選ぶことができる。また表組の原稿は、Excelのアドオンから認識させることで、罫線なども処理しながら自動的に表組にすることができる。複雑な表はもちろん、罫線のない表にも対応できるのには正直言って驚かされた。名刺の読み取りに関しては、前バージョンに引き続き、名刺専用OCR「読んde!!ココ名刺」が搭載されるので、ビジネスユーザーは重宝するだろう。

「読んde!!ココ名刺」。出力形式はCSVに対応するため、Outlook 2000などの外部アプリケーションからの利用も可能

　読み込まれたファイルはRTF、HTML、JTD（一太郎8形式）などのファイルとして出力が可能なため再現性も高く、デジタルデータとしての再利用も容易だ。新しくPDF形式に対応した点も見逃せない。

　対応スキャナはTWAINに対応したものを利用できるだけでなく、セイコーエプソン、シャープ、キヤノンのフラットベットスキャナには、専用の「AI Smart Scan」というユーティリティを使うことで、濃度などを最適に設定し認識精度を上げることができる。 　近年ではスキャナの低価格化と市場の拡大に伴い、OCRの需要もますます高まってきている。OCRの導入を検討しているのであれば、この「読んde!!ココ」最新バージョンはお勧めのソフトだ。