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サイバーリンク PowerDVD 2000 使い勝手の向上した
TEXT:菅生卓也 Takuya Sugeo |
画質面での大きな変化こそないが、使い勝手は大幅に向上した。新パネルはスッキリとしたデザインで理解しやすい |
まず、新バージョンで一番のウリとなる機能は「おきにナビ」だろう。これはブックマークを作る機能で、後で見たい場面があればその場で登録しておくと、その場面までジャンプできるというものだ。ブックマークはいくつでも設定できるので、少しでも気になったシーンは次々と追加することができる。右クリックで表示されるメニューから「おきにナビ」を表示させれば、ブックマーク個所の画像がサムネール表示された一覧が出てくるので、画面を確認してジャンプできる。多くのユーザーが希望していた機能だと思うが、実際に使ってみると予想以上に便利なものだ。とくに、チャプターが少なく目的のシーンを見つけるのが難しいタイトルに威力を発揮するだろう。
今回のバージョンでは、コントロールパネルのデザインも変更可能。しかしながら、パネルから巻き戻し再生が可能なものは1種類だけになっている |
また、前バージョンまでは巻き戻し機能を備えていなかったが今回のバージョンより用意された。巻き戻しボタンをクリックするだけで速度を順番に切り換えることができ、1倍/2倍/4倍速が選択できる。ちなみに、早送りは1/8、1/4、1/2、2倍、4倍、8倍速が可能となっている。ただ、前チャプターへのジャンプは相変わらずで、現在のチャプターの先頭へ行かずに一つ前のチャプターまで飛んでしまう。ぜひとも改善してほしい点だ。
「おきにナビ」のブックマーク。気に入ったシーンを画像付きでマーキングしておくことができるため、時間が経ってもすぐにそれがどのシーンであったか確認することができる |
画質面では目立った強化がなされていないが、これは前バージョンでも十分美しい画質を実現できているためと思われる。とくにアニメーションなどのインターレース画像再生はジャギーが目立たつことのないスムーズな描画を見せる。その代償なのか、マスクをかけたように少々ぼやけてシャープさが落ちている印象があるのも従来同様だ。
右クリックで現われるコンテキストメニュー。再生や巻き戻し、ジャンプ、表示サイズなど、主要な機能はこのメニューから選択可能。慣れてくると通常のコントロールパネルにアクセスするよりも便利になる |
サウンド面では、従来からサポートしていたS/P DIF端子からのDolby Digital AC-3出力に加え、DTS出力による5.1ch再生にも対応した。対応するサウンドカードはクリエイティブメディアのSound Blaster Live!シリーズやAurealのVortex2、Advantage、C-MediaのCMI8738などの搭載カードとなっている。
従来製品のバランスを崩すことなく民生用プレイヤーにはない便利な機能も盛り込んできた点は高く評価できる。ソフトウェアDVDプレイヤーのベストバイ候補と言えるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□サイバーリンクのホームページ
http://www.cli.co.jp/
□製品情報
http://www2.cli.co.jp/powerdvd2000/powerdvd2000.htm