4月9日からカナダ トロントで開催される磁気記録関係の学会「INTERMAG 2000」を控え、国内メーカーから高密度HDD技術の発表があいついで行なわれた。
まず、株式会社日立製作所は超先端電子技術開発機構(ASET)と共同で、垂直磁気記録方式を開発。1インチのプラッタで5GBの容量が可能な、面記録密度52.5Gbit/平方インチを実現。2年後の製品化を目指すとしている。
また、富士通株式会社は記録媒体を多層化し安定化層を設ける技術を開発。3.5インチのプラッタで78GBの容量が可能な、面記録密度56Gbit/平方インチを実現。将来的にはTMR(トンネル効果型MRヘッド)高出力ヘッドと組み合わせることで300Gbit/平方インチも実現可能としている。こちらも一部にASETの技術が導入されている。
HDDの記録密度は、年々向上しており、現時点では14.5Gbit/平方インチ(3.5インチプラッタで約20GB)が最高となっている。しかし2003年に到達すると見られている100Gbit/平方インチの水準で、記録した情報が媒体の熱により不安定となり消失する「熱ゆらぎ」が障害になるとされている。今回発表された技術は、方法こそ異なるものの、いずれも熱ゆらぎによる限界を越えて高密度化を図ることをめざしている。
□日立のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□日立のニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/0004/0405a.html
□富士通のホームページ
http://www.fujitsu.co.jp/
□富士通のニュースリリース
http://www.fujitsu.co.jp/jp/news/2000/04/6.html
□ASETのホームページ
http://www.aset.or.jp/
□INTERMAG 2000のホームページ(英文)
http://www.intermagconference.com/
(2000年4月6日)
[Reported by date@impress.co.jp]