会場:幕張メッセ 1ホール~8ホール
プレイステーション2が発売されて間もなく1カ月が経とうとしている。ソニーサイドにとっては移行期とも位置付けられる今回のゲームショウで、各社はどんな出展をしたのか? コンシューマ向けソフトを中心に紹介しよう。
■プレイステーション2向けもプレイステーション向けもバランスよくラインナップ
プレイステーション2(以下、PS2)の出荷後、初のゲームショウを迎えるソニー・コンピュータエンタテインメントのブースは、PS2用の「TVDJ(ティービーディジェー)」とプレイステーション用の「スパイロ×スパークス とんでもツアーズ」を中心にした構成。ほかに同社から発売中のPS2ソフトの体験コーナーもあるが、ほとんどのスペースは前述の2作品に割かれており、PS2に関連する周辺機器などは展示されていない。しかし、ブース内のイベントステージで紹介されるビデオ映像のみの新作はPS2中心で、移行期のまっただなかという印象を強く感じる。
またPS2対応ソフトのリリースを発表しているサードパーティ各社も、ローンチタイトルは一段落、近日中に発売が予定されている製品は、ある程度のプレイが体験できるものが増え、ユーザーの興味はこのゲームショウで初公開されることになる夏以降の新作へと移りつつある。とはいえ、「ドラゴンクエストVII」(5月発売予定)や「ファイナルファンタジーIX」(7月19日発売予定)といった大型タイトルも控えているなど、まだまだプレイステーションも健在。あらためてPS2に下位互換性を持たせたことの意味の大きさを思わせた。
■ネットワークエンターテイメントに突き進むセガ
一方のセガブースは、いまやDreamcast最大のセールスポイントとなったネットワークエンターテイメント一色といっていい展示となった。4月末から配布が始まる「ドリームパスポート3」や、6月に発売を予定している「Dreameye(インターネットデジタルビデオ&カメラ」を使ったテレビ電話など、様々なソリューションによる付加価値をDreamcastに加えようとしている。オンラインゲームでも、ユーザーの期待が大きい「PHANTASY STAR ONLINE」(2000年発売予定)のビデオ映像を公開するなど、大作から気軽なテーブルゲームまで幅広いラインナップを揃えつつある。あとは、サードパーティ各社がネットワークエンターテイメントへの意識をセガと同じレベルまで引き上げられるかが鍵になるだろう。
ちなみに、セガブースで今回イチ押しのソフトは「ジェットセットラジオ」。同社が『マンガディメンション』と呼ぶ新感覚の3Dグラフィックを使ったストリートアクションゲームだ。そのグラフィックもさることながら、実際に操作していて楽しいというゲームの気品的な部分に満足感がある。
Dreamcast背面のシリアルポートと携帯電話やPHSをつないで、インターネット接続を実現するケーブル。今夏発売が予定されている | こちらはCATVとつないで、より高速なインターネット接続が利用できるLANアダプタ。本体に標準で付いているモデムとの排他利用となる。今夏発売予定 |
ISDN回線を使うための、TAと接続するケーブル。あらゆる手段でインターネットへの道を開くことで、ネットワークエンターテイメントの実現をはかる | ビジュアルメモリを使ったMP3プレーヤーも、モックアップながら公開された。これらの製品はいずれも参考出展のため、このままの形で製品化されるとは限らない |
■携帯ゲーム機のシェアは拡大。出展タイトルも大幅に増加
今回のゲームショウは、ワンダースワンやゲームボーイといった携帯ゲーム機向けのタイトルが増加しているのが特徴。さらに、ワンダースワンにインターネット接続機能などを付加するWonderGateの発売を間近にひかえ、急速に携帯ゲーム機のネットワーク端末化が進行している。
また、写真撮影は不可ということだったが、コナミブースでは「モバイルアダプタGB」(任天堂が開発中のゲームボーイを利用した通信システム)に対応した「BeatmaniaGB ネットジャム」も参考出展された。ゲームをクリアすることでメールの内容が読める「ビートメール(仮)」や、最新ヒット曲のダウンロードなどさまざまなネットワーク機能が実現できるらしい。
□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□東京ゲームショウ2000春のホームページ
http://www.cesa.or.jp/cesa/tgs/index.html
(2000年3月31日)
[Reported by 矢作 晃]