1月21日 開催
日本AMD株式会社は、米AMDの決算発表を受けてプレスミーティングを都内のホテルで行ない、2000年の投資計画やプロセッサのロードマップを公開した。
●K6-III+がロードマップから消滅、Athlon 1GHzは予定通り
新しいロードマップ |
Athlon系では次世代のハイエンド向け「Thunderbird」とボリュームレンジ向け「Spitfire」について、「コアは共通でオンダイのキャッシュ容量が異なる」とコメントしている。なお、ThunderbirdはSlot AとSocket Aの両方が用意されるが、SpitfireはSocket Aのみ。
モバイル向けの「Mustang」については、Socket A(PGA)パッケージのみで、「BGAなどのパッケージについては、発表できる段階ではない」としている。
また、「クロックスピードの優位性の維持は2000年の目標のひとつ」としており、Athlon 850MHzが第1四半期中、900MHzがその後まもなく、1GHzは2000年後半(Second Half)としている。1GHzの投入について、以前は「Second Half/Year End」としており、わずかに早まったようだ。年内に1GHz PCの登場が期待できそうだ。
なお、「Sledge Hammer」のコード名で呼ばれている64bit対応x86プロセッサは2001年末とされた。
●AMDの国内シェアは22%、第2のAthlon採用メーカーも
プロセッサ市場におけるAMDのシェアについてのデータも公開された。それによれば第4四半期の全世界シェアは17%(マーキュリーリサーチ調べ)、国内市場では22%(日本AMD調べ)としている。
また、PC Data Hardware Report 調べによる米国市場のシェア推移も公開され、「'99年前半はK6ファミリが市場の半数を押さえたが、Celeronの攻勢により6月頃に逆転された。しかし、9月のAthlon投入により業績は大幅に回復した」とコメントしている。「Athlonの投入により、ローエンド市場でしか戦えなかったのがハイエンド市場でも戦えるようになったことが大きい」と繰り返し強調された。
デスクトップPCシェア | ノートPCシェア |
Source:PC Data Hardware Report |
編集部注;21日付けでゲートウェイから発表となりました。
●Athlonは四半期100万個の生産実績?
生産実績や投資計画などについてもデータが公開された。まず、決算のニュースリリースでは第4四半期中に80万個と発表されたAthlonだが、「80万個はエンドユーザーに渡った数で、出荷数は90万個、生産数は100万個に達しており、四半期に100万個の生産が可能となった」と強調した。AMDはK6-2をはじめとして、生産上の問題が発生した経験があり、その不安を払拭したいという意志が感じられた。
また、設備投資は約8億ドルで、ほとんどがドレスデンのFab30に投入される。内容はプロセスの微細化とウエハ投入量の増大にあてられるという。
●Intelと戦うための3つの条件
なお、質疑応答の際に19日(現地時間)に発表が行なわれたTransmetaについてのコメントを求められ、吉沢俊介取締役が「直接他のメーカーについてコメントできないが、プロセッサ市場でIntelと戦い続けるためには3つの条件があると思う。1つは優秀なデザイン(設計能力)、2つめはキャパシティ(生産能力)、3つ目は自前のプロセス技術だ。とくにプロセス技術についてはプロセッサの開発と密接に結びついており必須だと考えている」と述べ、暗にファブレスであるTransmetaについての疑問を示した。
□AMDのホームページ(英文)
http://www.amd.com/
□関連記事
【1月20日】米AMD、Athlon好調で第4四半期は黒字に転換
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000120/amd.htm
(2000年1月21日)
[Reported by date@impress.co.jp]