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MACWORLD Expo/San Francisco 2000
プロカメラマン山田久美夫のデジタルカメラレポート

会期:1月4~8日(現地時間)

会場:San Francisco Moscone Convention Center


 「MACWORLD Expo/San Francisco 2000」では、デジタルカメラ関係でも海外のユニークな製品がいくつか登場した。それらを中心にレポートする。


■Samsung、iMac風トランスルーセントモデル「SDC-80」を参考出品

同社は折り畳み式のVGAモデルも出品しており、こちらもなかなかの人気を博していた

 韓国のSamsungは今回、iMac風の半透明(トランスルーセント)外装を採用した80万画素モデル「SDC-80」を参考出品した。

 このモデルは、昨年秋にドイツで開催されたIFAでカタログのみ展示されたもの。本国では発売中というが、海外の大型イベントに出品されたのはおそらく今回が初めてだろう。

 本機は80万画素CCD搭載の単焦点モデルで、ピントもマニュアルフォーカス式というシンプルなもの。もちろん、液晶モニターを搭載しており、記録媒体は内蔵メモリとスマートメディアの両方を利用できる。また、ストロボは内蔵式ではなく外付け式となっている。

 もともとのカラーリングは、春夏秋冬をイメージしたもので、緑、ブルー、オレンジ、白の半透明ボディーを採用したもの。今回はiMac人気もあって、そのなかから比較的iMacカラーに近い、オレンジとブルーのボディーを展示していた。

 パッと見て、思わず「かわいい!」と叫びたくなるようなファッショナブルなデザインは実に新鮮。また、操作部やストロボの形状は、発表時のカタログ写真と違い、かなり改良され、より洗練されたものに仕上がっている。とくに、各操作部がボディーラインと同じ円形になっているあたりは、なかなかの凝りようだ。

 このモデルはまだ米国でも発売されておらず、今回も参考出品とのこと。といっても、同社のサイト経由で、399ドルで購入することができるという。残念ながら、80万画素級のXGAモデルとしては高価だが、国産機にはない個性的なデザインを楽しめるモデルとして、なかなか魅力的な存在だ。

□関連記事
【'99年9月17日】山田久美夫のIFA 1999レポート
「ユニークな機種が目立った海外モデル」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990917/ifa4.htm


■iomega、Zip採用の200万画素4倍ズーム機「ZipCam」に3倍ズーム版を追加出品

新型の3倍ズーム搭載機。レンズ部が小さい
COMDEX Fallでも展示された4倍ズーム搭載機

 昨年秋のCOMDEXに参考出品された、Zip採用の211万画素4倍ズーム機「ZipCam」。今回のMACWORLD Expoでもそのモデルが出品されていたが、今回新たに同じベースボディーを使い、ズームを3倍にすることで、レンズ部の小型化を図ったニューモデルを参考出品していた。

 4倍ズーム版はなかなか仕上がりもきれいで、実際に稼働するモデルのようだが、今回の3倍ズーム機はまだモックアップに近い雰囲気のもの。といっても、きちんと焦点距離とF値(明るさ)が明記されたレンズが装着されており、単なるモックレベルではないようだ。

 もちろん今回も、両機ともにプロトタイプであり、参考出品レベル。だが、デジタルカメラへの取り組み方はなかなか真剣で、製品化を目指している雰囲気が十分に感じられた。



■Creative Technology、WebCamのMac版を出品

 一台でUSB式のPCカメラとしても、普通のデジタルカメラとしても使える、ユニークなデザインの「WebCam」。すでにWindows版の販売は開始されているが、今回のExpoではそのMac版がようやく登場した。

 基本的にUSBドライバの追加になるため、外観は従来と同様。通常の撮影時には縦型で、PCカメラとして使うときには、レンズ部を90度曲げてディスプレイなどの上に安定しておける機能的なデザインとなっている。Macユーザーにはまだ知名度が低いせいか、ブースではなかなかの人気を博していた。



■IPIX、「ニコン D1」用フィッシュアイレンズを出品

 360度全方向のQuickTime VRが楽しめるIPIX。同ブースでは人気の「ニコン D1」用のフィッシュアイレンズを参考出品していた。同機の場合、レンズ交換式一眼レフのため、35mm一眼レフ用のフィッシュアイレンズを装着することもできるが、CCDサイズが小さいため、完全な180度の全周魚眼撮影ができなかった。そのため、このレンズでは、単純なアダプター形式ではなく、きちんとした単体のレンズとして設計されている。

 価格についてはかなり高価なようで、D1ボディーよりもやや安い程度という。


■Y-E DATA、CF Type2とスマートメディアも読めるUSBフロッピードライブを出品

 日本メーカーであるY-E DTATは、一台でコンパクトフラッシュカード(CF Type2対応)と、スマートメディアカード(3.3V仕様のみ。64MB対応)からのデータを読み書きできる、USB接続式のフロッピードライブアダプターを出展した。

 このドライブは、米国で3月頃に発売されるもの。日本国内は自社ブランドではないようだが、4月頃には登場しそうだ。価格は未定だが、実販で17,000円前後になりそう。

 最新のMacはFDDを持たない機種が多く、しかも、一台でメモリカードまで対応できればかなり便利。とくに、iMacやiBookで気軽にUSB未対応のデジタルカメラを気軽に利用したい人にはとても魅力的だ。もちろん、それぞれを別々に購入するよりもリーズナブルで、スペース効率も高いため、デジタルカメラユーザーにとっては、十分に価値のある製品といえそう。

 もちろん、Windows 98にも対応しているため、これ一台あれば、Windows機でも利用でき、MacとWindows機とのデータ互換用としても重宝な存在だろう。



■binuscan、簡単操作で高機能なMac/Win両用の画像処理ソフトを出品

 Mac用の業務用画像処理ソフトとして有名なbinuscan。今回同社は、パーソナル向けに高機能でオペレーションが容易な画像処理ソフト「Watch & Smile2」を出品した。

 このソフトは80ドル程度の比較的安価なものだが、きわめて高機能。とくに、処理結果をその都度オリジナルデータに対して施すタイプではなく、モニタ表示に対して処理結果を反映させるタイプのため、アンドゥが容易な点が大きな特徴だ。もちろん、高解像度の画像データでも、かなり軽快な処理ができる点も大きなメリットといえる。また、インターフェイスもわかりやすく、感覚的な処理がしやすい。

 日本国内での販売や日本語版の予定はないが、英語版でも難なく利用できる。興味のある人は同社のサイトにデモバージョン(Mac/Win)があるので、試してみることをオススメする。


■大手デジタルカメラメーカーは目立った動きなし

KodakブースとDC240i

 Kodak、オリンパス、キヤノンといった、デジタルカメラの大手メーカーもブースを連ねているが、KodakがiMacカラーの「DC240i」をアピールしていた以外は、あまり目立った展開はなかった。
 来月2月に米国最大のカメラショーであるPMAが開催されることもあって、新製品はそれをターゲットに発表されるようだ。


MACWORLD Expo/San Francisco 2000ホームページ
http://www.macworldexpo.com/mwsf2000/

(2000年1月7日)


■注意■

[Reported by 山田久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp