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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第113回:3月13日~3月17日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


3月14日

■■アップデート情報
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/driver/20003_1.htm

PNG(Portable Network Graphics)
ピング

 GIFに代わる画像ファイルとして、PNG Development Groupによって開発されたファイルフォーマット。

 CompuServeが開発したGIFは、コンパクトでポータビリティの高い画像ファイルとして、主に通信環境で広く使われていた。しかし、圧縮技術に使用していた「LZW」に対し、その特許を持つ米Unisysがライセンスを主張。'94年、CompuServeとの間でライセンス契約を締結すると同時に、LZWを使う全てのソフトウェア開発に対し、同社との契約を強く要求するようになった。

 これを受け、ネットワークに集う有志の間で、自由に使える新しい画像フォーマットの開発が始まり、'96年にバージョン1.0をリリース。同年、W3C(World-Wide Web Consortium)の推奨規格となり、'97年には、IETF(Internet Engineering Task Force)からRFC(Request For Comments)がリリース(RFC2083)。現在は、ISO/IECの標準規格としても審議されている(ISO/IEC 15948)。

 GIFが通信環境で特に有用とされていたのは、その高い圧縮率とインタレース表示である。PNGでは、LZWに代わる圧縮技術として、特許の影響を受けないLZ77ベースのアルゴリズムを採用(JPEGのような不可逆圧縮はサポートしない)。数行おきに4回の走査で1画面を描くGIFのインタレース表示に対し、PNGではアダム7(※1)と呼ばれる、少し複雑な走査を行なっており、GIFよりも少ない転送量で、より鮮明なディテールを送ることができる。扱えるデータも、8bitのインデックスカラーまでだったGIFに対し、インデックスカラー(1/2/4/8bit)、グレイスケール(1/2/4/8/16bit)、RGBカラー(24, 48bit)をサポート。GIFには無いアルファチャンネル(※2)やガンマ補正もサポートされている。一方、GIFアニメーションと呼ばれる、複数の画像を使ったアニメーション効果に関しては、サポートされておらず、MNG(Multiple-image Network Graphics)と呼ばれる別の規格が検討されている。

(※1)画像を8×8ピクセルのブロックに分け、各ブロック内のピクセルを7回に分けて順に送り出し、1画面を描く。
(※2)明度を持ったマスク用のチャンネル。GIFでは、特定の色を背景色に指定し、透過させることができる。PNGでも同様の機能をサポートしているが、グレースケールやRGBカラーでは、このアルファチャンネルを使用することによって、透過の度合いを明度で表すことができる。

□PNG ホームページ(英文)
http://www.cdrom.com/pub/png/
□MNG ホームページ(英文)
http://www.cdrom.com/pub/mng/
3月下旬に下記に移転とアナウンスされている
http://www.libpng.org/pub/png/
【参考】
□GIF(Graphics Interchange Format)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990909/key90.htm#GIF
□インタレースGIF
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990826/key89.htm#i_GIF
□アニメーションGIF
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980421/key27.htm#AnimationGIF
□LZW(Lempel Ziv Welch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990909/key90.htm#LZW
□ガンマ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980909/key45.htm#gamma


3月15日

■■東芝、初のSDメモリプレーヤー、MPEG-4カメラなどモバイルAV機器4点
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000315/toshiba.htm

SDメモリカード(SD[Secure Digital] Memory Card)
エスディーメモリカード

 東芝、松下、SanDiskが共同で開発し、SD Association(SDA)が推進する、セキュア機能を持つ小型のメモリカード規格。

 フラッシュメモリを使った小型記録メディアの1つで、'99年に3社が共同開発を表明。2000年4月に、これを使った最初の製品の発売が予定されている。形状は24×32×2.1mm(幅×高さ×厚さ)と、SanDiskが開発したMMC(MultiMediaCard)と同形でやや厚目。セキュア機構には、4C(※1)が提唱するCPRM(Content Protection for Recordable Media)を採用。

 カードの裏面にある9つの接点のうち、両脇を除く7接点はMMCと同じレイアウトになっており、MMCとの互換性も提供されている。MMC同様、各種コントローラーモジュールを組みこんだI/Oカード(SD I/O Card)としても利用できるようになっており、インターフェイスカードや通信カードなどへの応用も予定されている。

(※1)IBM、Intel、松下、東芝の4社(4 Company)で、CPRMの策定とライセンシングを行なっている。4社はまた、DVD-Audioの暗号化システム「CSS2(Content Scrambling System 2)」なども提唱している。

□4C Entity
http://www.4centity.com/4centity/
【参考】
□MultiMediaCard(MMC)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990128/key62.htm#MMC
□SmartMedia
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971209/key10.htm#smartmedia
□Miniature Card
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980701/key36.htm#MC
□Memory Stick
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990218/key65.htm#Memory_Stick



3月16日

■■三菱、色再現にこだわった15インチTFT液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000316/mitubisi.htm

sRGB
エスアールジービー

 Hewlett-PackardとMicrosoftが'96年に共同で策定し、'99年にIECの国際規格となった(IEC 61966-2-1)、マルチメディアシステム向けの色体系の標準規格。

 扱える色空間や発色特性はデバイスごとに違うため、異なるシステム間で色を正確に再現するためには、デバイスに依存しない形で色を一定の数値で表現し、必要に応じてそれを適切に変換して出力する管理機能が必要となる。sRGB(sはおそらくstandardから来ているのだろう)は、これを実現するための規格のひとつで、ディスプレイでの再現を中心に設計された、標準的な色空間や特性などを規定している。

□IEC(International Electrotechnical Commission)
http://www.iec.ch/
□ICC(International Color Consortium)
http://www.color.org/
□sRGB
http://www.w3.org/Graphics/Color/sRGB
【参考】
□ICCプロファイル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980513/key29.htm#ICCprofile

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp