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CeBIT 2009レポート【アラカルト編】

CeBIT会場で見つけた気になるPC関連製品

黒川紀章の中銀カプセルタワー風(?)ブロック式構造のPCケース「LeveL 10」

会期: 3月3日~8日(現地時間)

会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 規模が小さくなったと言われる2009年のCeBIT。筆者は初めての取材となるが、どこどこのメーカーが今年は来ていない、とか、ホールに空きスペースがあるとかいう話を聞く。しかしPCパーツ関連のホールだけで6つもあり、アジアからヨーロッパまでさまざまな地域の企業が製品を展示している。そうしたCeBIT会場での展示の中から気になるPC関連製品をピックアップして紹介したい。

●Thermaltakeの10周年記念ケース「LeveL 10」など

 Thermaltakeブースでは同社の10周年を記念するPCケース「LeveL 10」が展示されていた。LeveL 10は、パーツごとに格納するケースといったところで、5インチドライブ、3.5インチドライブ、電源、マザーボード部とそれぞれが分割されており、ユーザーが自分のニーズに合わせ、パーツを組み合わせて利用するとのこと。実用性はともかく見た目は相当インパクトがあり、多くの来客者の注目を集めていた。

 Antecブースでは、「P183」と「P193」が展示されていた。すでにInternational CESでも展示されていたものだが、同社のATX規格超の大型電源ユニット「CP850」を搭載可能なバージョンだ。電源搭載部にはパネルが取り付けられており、この状態だとATX電源を搭載可能。これを取り外すことでCP850が搭載可能となる。P183のその他のスペックは従来のP182と同様。

右上が5インチデバイス用、左上が電源ユニット用、右下が3.5インチHDD用、左下がマザーボードスペースといったように分割されている。オブジェとしての見栄えも十分なPCケースの概念を覆す製品 Antec P182を大型電源CP850に対応させた「P183」。その他の外観や仕様はP182と変わらず Antec P183よりもひとまわり大きなサイズの「P193」

 CoolerMasterではハイエンド向け製品「HAF 922」、エントリー向け製品として「Gladiator 600」を展示していた。HAF 922はHAF 932の小型化されたバージョン。サイズのほかにも搭載ファンなどで若干の変更がある。HAF 932の特徴だった上面、側面、前面の23cmファンは、HAF 922では20cmとなっており、うち側面に関してはオプション扱いにあらためられた。拡張ベイは5インチベイが5基で、うち1つが3.5インチベイを兼ねる。

CoolerMasterの「HAF 922」。「HAF 932」の小型化版で、側面にはよく見ると「HAF MINI」という刻印がある CoolerMasterのエントリー向けATXケース「Gladiator 600」。オーソドックスな外観と質実剛健なスチール製のきょう体

 Sapphireのブースでデモされていたのはmicrocool製ベンチマーク用アクリルまな板「Banchetto 101」。一部に金属パーツを採り入れており、質量も5kg超と安定性も高く、拡張スロット用にポールも立っている。デモ機は水冷ユニットが取り付けられており、側面にラジエータとタンクを吊した状態。SapphireのRadeonビデオカードでCrossFireXを構成し、披露していた。

Banchetto 101のセッティング風景。安定感のあるベンチマークまな板で、作業中のがたつきも無いのが特徴。拡張カードを固定するポールは良いアイデア デモ機は水冷ユニットを搭載したもの。3連ファンを搭載したラジエータがちょうど良い具合に側面に取り付けられている

●80 PLUS GOLD認証電源が間もなく登場か?

 2008年、電源ユニットの変換効率の指標となる80 PLUSに、BLONZE、SILVER、GOLDという新しいランクが追加された。ちょうど2008年のCOMPUTEXに前後して、80 PLUS SILVER認証の製品が盛り上がっていたが、今回のCeBITでは80 PLUS GOLDの認証をクリアした製品の展示が開始している。80 PLUS SILVERが負荷20%~100%で85%以上の変換効率、最も変換効率の良い負荷50%状態では88%以上という条件であったが、80 PLUS GOLDではそれぞれ87%、90%に引き上げられる。今回展示されていた80 PLUS GOLD認証電源ユニットは、ENERMAX「EG1100」1100W、OCZ Technology「Z SERIES 1000W」、Thermaltake「Toughpower 700W」など。

Enermaxの80 PLUS GOLD電源「EG1100」。容量1,100Wと大容量ながらプラグ式ケーブルを採用している OCZ Technologyの80 PLUS GOLD電源「Z SERIES 1000W」。容量は1,000Wで、ブランドカラーのオレンジ色プラグがアクセント Thermaltakeの80 PLUS GOLD電源「Toughpower 700W」。Toughpowerシリーズ自体には各容量があるが、現時点ではこの700Wのみ80 PLUS GOLDとのこと

 なお、Thermaltake、CoolerMasterの各社はそれぞれ自社ブランドのACアダプタも展示していた。Thermaltakeの「Toughpower Ultra Slim 65W」は、15V~21Vまで6段階に出力電圧を調節可能で、出力プラグも8つのアダプタから選べる仕様。CoolerMasterの「SNA 95」は19Vまたは5Vでスリム形状とコードを巻き取るベースが特徴。出力アダプタも8つの形状を備えていた。

Thermaltakeの「Toughpower Ultra Slim 65W」。Toughpowerブランドを掲げるユニバーサルタイプのACアダプタ CoolerMasterの「SNA 95」。ベース部分にコードを巻き付け、スマートに使える製品。ネットブックやネットトップ人気の高まりからか、CeBITではこうした製品が数多く展示されていた

●愛すべきUSBおバカグッズ in CeBIT

 秋葉原でも人気のネタ系USB機器。実用性はほとんど無いのだが、心の癒しと笑いを求めるのはヨーロッパでも同じなのか、やはり人だかりができていた。

 USBミサイルランチャを作っているあのメーカー「DREAM CHEEKY」の新作は「USB Stress Ball」。だるま、あるいはボーリングピンのようなゴム状のコントローラはひねり操作に対応しており、これをひねると接続したPCの画面がぐにゃっとねじれるというジョークアイテム。ストレス発散用USB機器であり、イラッと来たときにひねって気分爽快(?)になるのが目的。こっそり誰かのPCに接続しておけば、遠隔操作(ケーブルは這うけれど……)で驚かすことも可能なアイテムだ。

 もう1つ目新しい製品は「USB Roll Up Drum Kit」。これはいわゆる音ゲー用コントローラなのだが、製品的にはドラムの練習用ということで「3レベルで学習できる」ソフトもオプションに用意。実際のドラムに比べればはるかにコンパクトであるほか、柔軟な素材で収納や持ち運びも簡単、そして叩いても大きな音がしないというところがメリット。ドラムということでスティックも付属するが、指でたたいても構わないらしい。

ぐにゃっとねじるとPCの画面もねじれる「USB Stress Ball」 「USB Roll Up Drum Kit」は音ゲー用コントローラ

 SATZUMA(漢字で書くと「薩摩」)というメーカーで展示されていたのは、いちおう実用性もあるだろうステープラ一体型USBハブ。以前サンコーからテープディスペンサーと一体型のUSBハブ(テープディスペンサーハブはドイツの家電チェーン「Saturn」でも売られていたからメジャーなのかもしれない)が製品化されていたが、それと似たようなコンセプト。

 驚くなかれこちらは紙を綴じる動作に関しては電動。アナログなテープディスペンサーハブよりも少しだけデジタルで、少しだけ便利なところがミソである。ハブとしての仕様はダウンポートが4つと至極普通。このほかにもUSBもぐらたたきやらUSBロトマシーンやら、さまざまなグッズが並んでいた。

SATZUMAのステープラ一体型USBハブ。紙を綴じる動作は電動 SATZUMAブースに展示中のUSBバラエティーグッズいろいろ。USBもぐらたたきやUSBロトマシーンなど、パーティで使うには面白いが普段は置き場所に困る製品がたくさん

□CeBITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/

(2009年3月11日)

[Reported by 石川ひさよし]

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