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CeBIT 2009レポート【Socket AM3マザー編】

Socket AM3マザーが続々登場
~ASUSTeKからはピュアオーディオ向けマザーも

ASRock「M3A790GXH/128M」。チップセットはAMD 790GX+SB750。拡張スロットはPCI Express x16×3、PCI×2、PCI Express x1×1。PCI Expressレーンを切り替えるためのスイッチカードも搭載されている

会期: 3月3日~8日(現地時間)

会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



 AMD CPU向けに直近では新チップセットのリリースが無いが、Socket AM3に対応した製品が数を増やしている。AMDチップセットでは、AMD 780G/790GX/790FXでそれぞれのSocket AM3プラットフォーム版、そしてNVIDIAのチップセットでは、AM2+プラットフォームでAM3 CPUをサポートするnForce 980a SLIチップセット搭載製品などが登場している。

●AMD 700シリーズチップセット搭載マザーはサイズ、機能とも豊富に

 AMDチップセットのSocket AM3プラットフォームマザーボードは、これまでATXかつハイエンド向けの高機能製品が多かった。CeBITでは今後登場予定の製品として、マイクロATXやエントリー向けマザーボードの展示があった。比較的安価なPhenom II X3と合わせ、Socket AM3での自作に選択肢が増えてくるだろう。

BIOSTAR「TA790GX A3+」。チップセットはAMD 790GX+SB750。メモリスロットはDDR3-1333対応スロット4本を備える。拡張スロットはPCI Express x16×2、PCI×2、PCI Express x1×2 DFI「JR 790GX-M3H5」。チップセットはAMD 790GX+SB750。DDR3メモリスロット4基を搭載。マイクロATXサイズのゲーマー向けマザーボード「LANPARTY JR」シリーズの新製品で、2本のPCI Express x16スロットを備えCrossFireXに対応している
DFI「DK 790FXB-M3H5」。チップセットはAMD 790FX+SB750。DDR3メモリスロット4基を搭載。PCI Express x16スロットは3基で、CrossFireXをサポートしている。ほぼ同じレイアウトでAM3対応AM2+ソケット、DDR2メモリスロットを搭載した「DK 790FXB-M2RSH」もラインアップされている DFI「UT 790FXB-M3eH7」。チップセットはAMD 790FX+SB750。DDR3メモリスロットを4基搭載。DK 790FXB-M3H5とはヒートシンクが異なるほか、CPUフェーズ数が4→6へ、PCI Express x4スロットを1本増設、SATAポートなども追加されている

 AM2 CPUを挿した際にはDDR2を、AM3 CPUを際した際にはDDR3が利用できるコンボマザー「MA3-79GDG COMBO」を登場させたJetwayから、さらに新しいコンボマザーが登場している。今回登場した製品はATXサイズの製品で、「BA-130」はAMD 770を搭載しDDR2とDDR3メモリスロットがそれぞれ2基ずつ、「HA09 COMBO」はAMD 790GXを搭載しDDR2メモリスロットが2本、DDR3メモリスロットが4本。さらにMSIからはコンボタイプで現在最大量となるDDR2、DDR3それぞれ4本ずつという“Memory Lover”製品「790GX-8D」も登場している。

Jetway「BA-130」。チップセットはAMD 770+SB700。DDR2メモリスロット2基とDDR3メモリスロット2基という構成で、それぞれ4GBまで搭載可能。拡張スロットは、PCI Express x16×2、PCI×2、PCI Express x1×1 Jetway「HA09 COMBO」。チップセットはAMD 790GX+SB750。DDR2メモリスロット2基とDDR3メモリスロット4基という構成で、徐々に主流を奪うだろうDDR3側の本数が多めである点が扱いやすそう。拡張スロットはPCI Express x16×2、PCI×2、PCI Express x1×2
MSI「790GX-8D」はJetway「HA09 COMBO」を上回るメモリスロット本数をサポートしたDDR2&DDR3コンボマザー。DDR2とDDR3メモリスロットをそれぞれ4本ずつ搭載しており、メモリ搭載量を重視しつつアップグレードを検討している方には最適な製品。チップセットはAMD 790GX+SB750。ボリュームダイヤルからオーバークロックが可能なOC Dialを備えながら、第2世代のDrMOSを搭載しており省エネもアピール MSI「780GM-E65」。チップセットは不明だが、型番およびPCI Express x16スロット本数から推測するとAMD 780Gであると思われる。DDR3メモリスロットは4本。拡張スロットはPCI Express x16×1、PCI×2、PCI Express x1×1。オーバークロックを行なうディップスイッチ「EZ OC Switch」も備え、コンパクトながらパフォーマンスを求めるユーザーに向けた製品

●nForceマザーにAM3 CPUをサポートした製品が登場

 ASUSTeKブースではnForce 980a SLIを搭載したSocket AM2+マザーボード「M4N82 Deluxe」が展示されていた。このnForce 980a SLIチップセットはメモリソケットはDDR2のままだがAM3 CPUをサポートするため、AMDチップセットのSocket AM2+マザーボードのように最新CPUとDDR2メモリを組み合わせられ、さらに3-way SLIでゲームパフォーマンスを追求できる。nForce 980a SLIはnForce 780a SLIのAM3 CPUをサポートしたバージョンの改名版と言えるのだが、例えばASRock「K10N780SLIX3-WiFi」のように、nForce 780a SLIのままAM3 CPUをサポートする製品もあり紛らわしい。

 なお、他のNVIDIAチップセットを見ると、例えばASUSTeK「M4N72-E」のようにnForce 750a SLIでもAM3 CPUをサポートしているのが確認できる。こうした流れをみると、nForce 700aシリーズ自体はAM3に対応しており、BIOSや回路設計などバリデーションのとれたものからAM3対応を表明しているものと見られる。

ASUSTeK「M4N82 Deluxe」。チップセットはnForce 980a SLIでAM3 CPUをサポート。DDR2メモリスロットを4本搭載している。拡張スロットはPCI Express x16×3、PCI×2、PCI Express x1×1。3-way SLIをサポートするほか、TurboV、Real-Time O.C. Tuningsなどの独自機能をサポート ASRock「K10N780SLIX3-WiFi」。チップセットはnForce 780a SLIでAM3 CPUをサポート。メモリはDDR2を4スロット搭載している。統合GPUによるHybrid SLIやGeForce Boostをサポートする一方で、3本のPCI Express x16(x16/x16/x8)による3-way SLIもサポートしているのが特徴だ。ハイエンド向けの多機能マザーボードとして、Wi-Fi、ASRock Instant Bootなども搭載している nForce 750a SLIを搭載する「M4N72-E」もAM3 CPUをサポート。nForce 700a シリーズ自体はAM3 CPUをサポート可能と読むことができるが果たして?

●ホームシアターPC(HTPC)向けのプリアンプ内蔵マザーボード

 ASUSTeKのAMD CPUマザーボードのなかに変わり種があったので紹介しよう。「M4A78-HTPC」はHTPC向けに専用設計されたというSocket AM2+対応マザーボード。オンボードでプリアンプを搭載し豊かな音を再生するとするほか、バックパネルにはRCAコネクタを装備する。デモ機には2つのヘッドホンが繋がれており、プリアンプ経由と直接出力とで聞き比べられる状態となっていた。PCの動作ノイズを軽減するサイレントモードも搭載しているとのこと。

オンボードプリアンプを搭載しているというASUSTeK「M4A78-HTPC」。チップセットはAMD 780G+SB700。メモリスロットはDDR2となるが、AM3 CPUもサポートしている 写真中央にあるとおり、L/RのRCAコネクタを備え、オーディオを楽しむ装備が特徴。プリアンプが利用できるのはRCAコネクタ側だそうだ。プリアンプに電源供給するためと思われる4ピンペリフェラルコネクタも装備している

●ASUSの高級サウンドカードに2つの新製品

 オーディオPCネタが出たところで、ここにサウンドカードの新製品もまとめておこう。ASUSTeKブースにはサウンドカード「Xonar」シリーズの新製品が2つ展示されていた。1つはロープロファイルの「Xonar HDAV1.3 Slim」。2つのHDMI端子を備える点は「Xonar HDAV1.3」ゆずり。アナログドーターカードは付属しないが、ロープロファイルのHTPC向けケースに搭載できる点はメリット。もう1つは「Xonar Essence STX」。S/N比127dBのDACを搭載し、オペアンプはソケット式で交換可能。デジタル部とアナログ部の電源を供給段階から分離するなど徹底したノイズ対策も特徴としている。

ロープロファイルPCケースにも搭載できるHDMI端子搭載サウンドカード「Xonar HDAV1.3 Slim」 「Xonar Essence STX」は徹底したノイズ対策と交換式オペアンプ、高性能DACなどを備えるオーディオユーザー向けのサウンドカード 「Xonar Essence STX」のインタフェース部分。なお、搭載しているコンデンサはニチコンの「Fine Gold」

□CebITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□AMDのホームページ(英文)
http://www.amd.com/

(2009年3月10日)

[Reported by 石川ひさよし]

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