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【DEMO 09レポート その4】

インターネットの利用を便利にするソフトウェア&サービス

会期:3月2日~3日(現地時間)

会場:The Desert Springs, A JW Marriott Resort & Spa



●数秒で機動するLinuxベースのOS

 xandrosがデモを行なった「presto」は、高速起動をウリとする簡易OSの一種。こうしたOSはASUSTeK製品に搭載されている“ExpressGate”に似たものだが、より高速に起動できるとアピールする。起動が遅いWindowsを立ち上げるほどではない作業をするときや、限られた時間でメールチェックをしなければならない、といったニーズにおいて、こうしたOSが重宝される。

 prestoはLinuxをベースとしており、OS本体はWindows上からアプリケーションをインストールする感覚で作業する。OSの本体はHDDに置かれるので特別なハードウェアは必要ない点もアピールされた。基本的にはWindowsが起動できる状態であることが前提のOSとなるわけだ。PCの電源投入後、Windowsのブートローダにprestoが追加されるので、こちらから起動。実演では10秒未満で起動した。

 アプリケーションはデフォルトでFirefoxやSkype、OpenOfficeなどがインストールされるほか、File ManagerからはHDD上のファイルを自由に参照可能。追加のアプリケーションも同社Webサイトで提供され、ダウンロードすることができる。また、iPhoneのアプリケーションをApple Storeで販売しているように、こちらもサイトでpresto用アプリケーションを販売するというビジネスモデルも考えられている。

 prestoは今月にもベータ版が提供され、ユーザーも試すことができるようになる。正式版は4月が予定されており、19.95ドルで販売される。

xandrosのJordan Smith氏 prestoのデスクトップ画面。ここでは、File ManagerでHDD上のファイルを参照しているほか、FireFox、Skypeが起動している OpenOffice.orgもインストールされているので、各種Officeドキュメントも参照できる
□xandrosのホームページ(英文)
http://www.xandros.com/

●Webブラウザ上で動作するリモートサポートソフト

 過去にもDemoで新技術を紹介しているSymantec。今回は、Webブラウザ上で動作するリモートサポートサービス「Project Guru」をデモした。これは個人ユーザー向けに提供される予定のもので、遠隔地に住む友人や家族のPCを、Webブラウザ上からリモートコントロールできる。PCのリテラシーが高いユーザーは周辺の人から頼られる機会も多いと思うが、そうした状況において有効とされるサービスだ。

 サポートする側はWebのサービスへログインし、サポートしたいユーザーを招待(登録)する。サポートされる側のユーザーのクライアントへは必要最小限のソフトウェアがインストールされ、準備は完了となる。

 Webブラウザ上のサービス画面からは、リモートデスクトップ機能や、インストールされているソフトウェアやパフォーマンスなどの診断ツールを利用することができる。こうした機能は、すでにエンタープライズ向けに提供されている技術を応用したもので、柔軟性に富み、ファイアウォールを越えて、セキュアで高速な通信が行なえるという。

 現在は特定パートナーに向けたパイロットリリースが行なわれており、今年後半には一般ユーザーへの提供も開始される予定になっている。

Symantec Research LabsのBrian Hernacki氏 サポートする側はWebサービスの自分のアカウントにログインし、対象ユーザーを招待する クライアント側には必要最小限のソフトウェアがインストールされ、Webサービスを介してサポートする側からアクセスできるようになる
リモートデスクトップ機能のほか、各種診断ツールによるリモートサポートが行なえる Symantecが提供するサポートサービスとも連携しており、同社による有料サポートへ引き継ぐこともできる
□Symantecのホームページ(英文)
http://www.symantec.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.symantec.com/about/news/release/article.jsp?prid=20090302_01

●リモコン感覚でWebアクセスを行なうウィジェット

 Jadoosは、Webサイトをリモコンで操作するというコンセプトのウィジェットをデモした。このツールは、iPhone風デザインのウィジェットで、Webブラウザを起動しているときは常にフロート状態で表示されるもの。

 ウィジェットではインターネットサービスに関するさまざまな機能が提供される。例えば、ログインが必要なWebサイトにおいて、このアカウントとパスワードを記憶したり、さまざまなインスタントメッセンジャーを統合してウィジェット上から利用することができる。ほかにも、Webサイトに対してレーティングしたり、コメントを書く機能を持っており、こうした情報をソーシャルネットワークサイトと連携して利用できる。

 ウィジェット上で動作している各ツールそのものは、ブラウザのアドオンであったり、フリーソフトなどで提供されている機能が目立つが、それを1つのユーザーインタフェースに統一した点に、本ウィジェットの良さは感じられる。

 また、このウィジェットはオープンプラットフォームとして提供され、外部の開発者がウィジェット上で動作するアプリケーションを提供することもでき、インターネット上にアプリケーション本体を置いて、ウィジェット上からそれを呼び出すといった、クラウド型のプラットフォームにもなり得るとコメントしている。

Jadoos CEOのAfrus Tavakoli氏 常にフロート表示されるiPhone風のウィジェット。Webサービスへのログインアカウントの自動入力処理が可能
インスタントメッセンジャーをウィジェット上に統合している Webサイトのレーティング機能やメモ機能も備えている
□Jadoosのホームページ(英文)
http://www.jadoos.com/

●デスクトップ上でWeb情報を効率よく購読

 sobeesがデモを行なった「my social desktop agregator」は、デスクトップ上にWebサイトの情報を自由に配置できるというもの。Webサイトを横断的に利用/購読する際に、Webブラウザを切り替えるなどの手間がなくなる。

 my social desktop agregatorはローカルのアプリケーションとして利用するものとなる。デスクトップ上にウィジェット風のフレームを設け、そこに複数の情報を表示させることができる。例えば、ソーシャルネットワーク関連を一斉に表示させたり、ニュースサイトをまとめて表示することができるわけだ。

 表示させるフレームや項目は、対応サービスに限定されるもののカスタマイズが可能だ。アプリケーションの操作を行なうアプリケーションバーが画面上部に表示され、各フレームの設定などを行なう。また、検索機能、写真や動画のアップロード機能が提供される。

 表示可能な情報はFacebookやTwitter、Flickr、Youtubeなど米国で人気のWebサービスが中心だが、ニュースサイトやRSSフィードを表示できるので、日本ユーザにも活用の可能性はあるだろう。

 現在はベータ版を提供。Windows XP/Vistaに加え、Windows 7ベータでの動作確認も行なわれており、デモでも実際にWindows 7上で動作させていた。

sobees CCOのNicholas Helke氏 FaceBookとTwitterを収めたソーシャルネットワークのフレームと、FlickrとTwitterのDemo関連の話題を収めたフレームを表示させた例
こちらはNBAに関する情報を集めたフレームで、Flickr、YouTube、Twitterとニュース記事を一覧表示させている 検索機能ではWeb検索とイメージ検索とニュース検索を一斉に表示。1つの話題に対してWebの情報を横断的に取得することを徹底した作りになっている
□sobeesのホームページ(英文)
http://www.sobees.com/

□DEMO 09のホームページ(英文)
http://www.demo.com/

(2009年3月5日)

[Reported by 多和田新也]

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