【DEMO 09レポート その3】 プレゼン専用Bluetoothデジタルペンやオンラインショップ最適化ツール会期:3月2日~3日(現地時間) 会場:The Desert Springs, A JW Marriott Resort & Spa ●プレゼン専用のデジタルペン Cansonは、DEMOの壇上には立っておらず、厳密には発表者ではないのだが、スポンサーとして展示パビリオンにブースを構え、3月2日付けで発表した新製品をデモしていたので、ここに紹介したい。 「Papershow」というこの製品は、基本的にはアノト式のデジタルペン。ほかの製品と異なるのは、これがプレゼンテーションでの利用を前提としている点だ。通常であれば、デジタルペンは、自分がメモをとるのに使うが、Papershowでは書いたものをリアルタイムでひとに見せることを目的とする。 会場でデモしていたのはこういった利用シーンだ。PapershowにはBluetooth対応のデジタルペンと、USBのBluetoothアダプタ、専用ノートが付属している。ノートはバインダータイプで、1枚1枚着脱できる。プレゼンテーションを行なう人は、付属ユーティリティを使って、前もってPowerPointのデータをインポートした上で、ノートにその資料を印刷しておく。この印刷は薄めの青色で行なわれるので、ペンによる読み取りを妨げないようになっている。 続いてユーザーは、PC上でPapershowユーティリティでプレゼンテーションを開始する。通常なら、このプレゼンテーションをただ見せるだけだが、Papershowではノートに手書きで注釈などを書き添えると、それがそのまま画面上にも描かれ、相手にも見えるという具合だ。 ノートの右端にはツールバーが印刷されており、たとえば丸のアイコンをペン先でクリックして、ノートで適当に円を描くと、綺麗な真円/楕円が描かれる。四角のアイコンをクリックして、L字状に線を描くと矩形が描かれる。このほか、矢印モードや、ペン先の太さ/色の指定、ページの移動など、プレゼンテーションに特化したアイコンが並んでいる。また、プレゼンテーション以外でも、デジタルホワイトボード代わりに利用することもできる。 ペンがBluetooth対応なので、PCがBluetoothを内蔵していれば、USBアダプタは不要に思えるが、実はこのアダプタにはフラッシュメモリも内蔵され、ここにプレゼンテーションソフトが納められている。また、手書きデータもこのフラッシュメモリに記録される。そのため、ユーティリティをインストールすることなく、どのPCでも手軽に使え、かつ手書きデータなどの痕跡をうっかりそのPCに残してしまう心配もないようになっている。 技術的に目新しさはない製品だが、用途や使い勝手の面でいろいろ練られた製品だ。米国ではすでに販売開始されており、価格は199ドル。予備のノートは12.99ドルから。
□Cansonのホームページ(仏語) ●オンラインショップのパーソナライゼーションソリューション
7 Billion Peopleは、オンラインショップを来訪者ごとにパーソナライズするソリューション「WebLegend」を発表した。 いくつかのオンラインショップでは、ユーザーの嗜好に合わせたパーソナライゼーションを行なっている。たとえば、今回7 Billion Peopleが実際にデモしたAmazon.comの場合、ユーザーの購入した商品、その商品を購入したユーザーが購入した別の商品、検索などの履歴から、おすすめ商品を提示する。 これに対して、WebLegendを導入すると、ユーザーの購入までの行動の履歴が記録されるようになり、かつそれを分析し、そのユーザーに合わせて、サイトの表示内容などをリアルタイムでパーソナライズできるようになる。 たとえばデモでは、Amazon.comで、具体的な商品名を入力して検索し、続いて、その商品のスペックへのリンクをクリックしてを確認し、カートに入れ、チェックアウトした。ここまでの行動は5クリック前後だが、これだけで、このユーザーは、サイトに来た時から買いたい商品がほぼ決まっており、細かな仕様を確認するということが判断できる。 そこで、このユーザーが次にAmazon.comのトップページに来ると、検索窓が大きく表示され、検索して表示された商品ページには、細かな仕様がもっとも上に表示されるようになる。 一方、検索で「もっとも人気のあるデジカメ」と入力し、提示された商品のユーザーレビューを読んで、関連商品をクリックしたユーザーについては、先ほどのユーザーと同じ商品のページを表示する場合でも、ユーザーレビューがもっとも上に表示。また、カートに入れてからチェックアウトするまでの間に、おすすめの関連商品を示してくれるようになる。 このように、WebLegendでは、商品の購入においてユーザーがどのように行動するか、そのサイトで購入するに至った動機は何なのかについて心理学に基づいた分析を行ない、それに基づいてリアルタイムでサイトを再構成することで、来訪者の購入率を向上させる。 価格は1サイトで1月1万5千ドルより。
□7 Billion Peopleのホームページ(英文) ●メールをCCするだけでグループサイトが作成
Cc:Bettyが発表した同名のサービスは、非常に簡単にオンライン上のグループウェアを利用できるソリューション。その利用方法は、なんとただメールのCCに「bettey@ccbetty.com」を入れるだけ。ソフトのインストールはおろか、アカウントの作成すら不要なのだ。 このアドレスに初めてメールを送信すると、自動的にアカウントが作成され、パスワードとそのメールの保存URLが記載されたメールが返信される。そのURLには、メールの本文が保存され、画像が添付されていた場合は、自動的にアルバムが作成。また、本文の内容を解析する機能により、日付の書かれた文からiCalenderファイルを作成したり、住所を認識して、「場所」のタブ内に整理したり、音楽やビデオファイルを管理する機能もある。CCにBettyが入ったメールを受けたユーザーにも、もとのメールとは別にBettyから案内メールが届き、即座に利用できる。 メールを送った相手は、当然のことながらメッセージや添付ファイルをメールで受け取っているので、あえてCc:Bettyのサイトを訪れる必要はないのだが、たとえば、あるプロジェクトにメンバーが後から加わった場合、そのメンバーに過去のメールを送り直さなくても、Cc:Bettyのサイト上でそれまでのメールのやりとりなどをすべて確認できる。 1件のメールにつき、同報できるのは最大100人で、保存容量は1GB。利用は無料なので、手軽に始められるのがウリとなっている。なお、日本語については、メール本文は問題なく表示されるが、件名は文字化けが発生する。
□Cc:Bettyのホームページ(英文) □DEMO 09のホームページ(英文) (2009年3月5日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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