【DEMO 09レポート その1】 メールから5秒でコンタクト情報をアドレス帳に取り込むOutlookアドイン
会期:3月2日~3日(現地時間) 会場:The Desert Springs, A JW Marriott Resort & Spa 5分間の持ち時間で各社が壇上に立って、新製品/技術を初披露するイベントである「DEMO 09」が米国カリフォルニア州パームデザートで2日より開幕した。 DEMOは18年の歴史があるイベントで、Skype、Slingbox、SunのJavaといった今ではメジャーな製品も、ここで発表された。PC Watchでも過去数年、イベントレポートをお届けしているが、2009年1回目のDEMOは1つの節目を迎えた。 というのも、これまでエグゼクティブプロデューサーとして、参加企業の決定やイベントの司会を担当してきたChris Shipley氏が引退を表明し、VentureBeat誌編集長であるMatt Marshall氏にバトンを渡したからだ。 また、これまでと違う点としては、2008年にこの場でHDストリーミングソリューションを発表した、BitGravityがその技術を用いて今回のイベントをHDでの配信を開始。一方、過去数年これまで毎回60社近くあった参加企業の数が39社へと激減。DEMOは、新興企業が投資家やパートナー企業を探す(あるいはその逆)ための場でもあり、昨今の経済危機を受け、一時的とは思われるが、規模が縮小した。 とはいえ、参加企業は例年同様、独創性の高い製品や、サービス、技術を発表している。
●5秒でメール本文からコンタクト情報をアドレス帳に追加するOutlookアドイン
Technicopiaの「gwabbit」もビジネスの効率を向上させるソフトウェアだ。その向上ぶりは、同社の実演がgwabbit以前の説明に1分半以上かかったのに対し、gwabbitのデモはたったの5秒で終了したことがよく表わしている。 このソフトはOutlookのアドインとして機能するもので、送られてきたメールの本文内容から、送信者の氏名、メールアドレス、会社名、住所、電話番号、サイトのアドレスなどを自動的に判断/抽出し、Outlookのアドレス帳に取り込んでくれる。 通常、メールの最後には上記のような情報を記した署名をつける。しかし、その書式は個人個人でバラバラだ。同社の実演がそうであったように、ここからアドレス帳に情報を写すには、1行1行を手作業でコピー&ペーストする必要があり、おおむね1分半程度かかる。 gwwabbitは、メールに新しいコンタクト情報があることを発見すると、それを通知し、ユーザーが取り込みボタンを押すと、アドレス帳への登録をを自動的にこなしてくれる。その時間は5秒に満たない。また、新しいメールに記載されたコンタクト情報の一部が変更された場合、それを認識し、ユーザーに通知した上で、上書き保存もできる。 gwabbitは現在、英語バージョンがリリースされ、価格は19.95ドル。14日間使える無償トライアル版もある。対応Outlookのバージョンは2007/2003/XP/2000。日本語化については、ソフトの基本的な要素は他言語にも流用できるが、解析の部分である程度のカスタマイズが必要とのことで、ローカライズには前向きだが、具体的な時期は未定となっている。
□Technicopiaのホームページ(英文) ●メールコミュニケーションに音声や、映像を付加するソリューション Ontierは、主に企業内での協業用途を想定したメッセージングソフトウェア「Pixetell」を発表した。同社によると、ビジネス上のコミュニケーションツールとしてメールは必要不可欠な存在だが、文字だけでは情報を伝えきれないことがあり、それにより、たとえば再確認などから、1個人当たり毎日少なくとも30分の時間を無駄に費やしているという。 Pixetellは、スケジュールを割いて一堂に会することなく、好きな時間に送信できるメールの便利さを活かしながら、音声や映像によって、文字では伝えにくい情報を補完しながら、より短い時間で相手に伝えることを目的とする。 使い方はこんな具合だ。まず、ソフトウェアをインストール。するとPixetellが常駐し、画面上方中央に小さく表示されるタブにカーソルを持って行くと、ランチャーが現われる。ここでは、伝達手段として「画面キャプチャ」、「Webカメラ」、「音声」のいずれかを選ぶ。 続いて現われるツールチップの記録ボタンを押すと、録画が始まる。画面キャプチャでは、画面上に表示しているものと、マウスカーソルの軌跡が映像として音声付きで記録される。記録が終わったら、相手のメールアドレスを入力して、送信するだけだ。 この記録されたデータは同社のサーバーに保管される。メッセージは通常のメールとして相手に届き、そこに表示されるPixetellのURLをクリックすると、その映像/音声がブラウザ上で再生される。そこから、送信者に対して返事を送ることもでき、それは履歴として記録される。 Pixetellの特徴は、ユーザーインターフェイスが洗練されている点。そのデザインは、「Mac向けマルチメディア系ソフト」と言った表現が似合う。それでいて、ボタンなどは必要最低限にまとめられているので、理解しやすいだろう。 同社では現在、プライベートベータ版のユーザーを募集している。正式版の価格はまだ決まっていない。 □Ontierのホームページ(英文) ●簡易編集機能と共有機能を備えた画面キャプチャソフト Citrix Onlineが発表した「GoView」もPixetellに似ているが、こちらは画面キャプチャに特化している。この製品の特徴は、画面キャプチャ機能に加え、簡単な編集機能と、共有機能を兼ね備えた点にある。 GoViewをインストールすると、通知領域にそのアイコンが追加される。ここから「Record Screen & Audio」を選択すると、画面上に3秒間カウントダウンが表示された後に、画面とマウスカーソルの記録が始まる。 GoViewでは、記録した映像はローカルではなく、自動的にサイト上に保存されるので、記録が終了したら、ブラウザ上で、名前や説明を入力した後に、保存ボタンを押す。基本的にはこれで作業が完了。キャプチャごとに任意のURLが作成されるので、そのアドレスをメールなどで通知することで、共有できる。 また、保存したキャプチャを他人に知らせる前に、ブラウザ上でプレビューして、編集することもできる。編集ボタンを押すと、編集画面に切り替わるので、再生しながら、不要な箇所をタイムライン上で指定し、カットできる。 GoViewは現在ベータテスト中で、無償でベータテストに参加できる。
□Citrix Onlineのホームページ(英文) □DEMO 09のホームページ(英文) (2009年3月4日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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