ソニー、VAIOの年間出荷計画を下方修正
|
ソニー ハワード・ストリンガー会長兼CEO |
1月22日 発表
ソニー株式会社は22日、2008年度の連結業績見通しを下方修正した。
それに伴い、VAIOの出荷計画を、10月時点の680万台から、580万台へと下方修正した。2007年度の実績は520万台であり、前年実績を上回ることには変わりがない。
先進国での販売低迷はあったが、海外における販売地域の拡大などがプラスとなった。
また、液晶TVは1,600万台から1,500万台に下方修正した。
「販売台数は下方修正したが、シェアは前回見直しを維持できる」(大根田伸行執行役EVP兼CFO)としている。
同社が発表した通期連結業績の下方修正では、10月公表値に対して、売上高は9兆円から、前年割れとなる7兆7,000億円としたほか、営業損益は、2,000億円の黒字から2,600億円の損失へと修正。税引前損益も2,100億円の黒字から2,000億円の損失に、当期純損益も1,500億円の黒字から1,500億円の損失とし、赤字に落ち込むとした。
エレクトロニクス分野において、世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化や価格競争の激化により約2,500億円の影響があったほか、円高の影響により約400億円、構造改革費用の追加で約300億円、持分法適用会社の業績悪化により約200億円の、合計3,400億円で想定を下回るのに加え、ゲーム分野においても、円高の影響により約150億円、売り上げ減少により約150億円を合わせた300億円規模で想定を下回るほか、映画分野においては、構造改革費用の追加、景気後退による売上高の減少および円高の影響によって、約130億円想定を下回ることが影響。
「世界的な景気後退に伴う事業環境の悪化、為替市場における円高の進行、日本の株式相場下落の影響、構造改革費用の追加などにより、2008年度下期における連結売上高および営業利益が、10月時点の見通しを大きく下回ることが下方修正の要因」(ハワード・ストリンガー会長兼CEO)とした。
また、経営体質強化施策を発表。2009年度の2,500億円の費用削減を目指す。
同社では、昨年12月にエレトクロニクス事業における投資計画の見通し、製造事業所の統廃合、人員の最適化などの施策を通じた1,000億円以上の費用削減効果を、2009年度までに実現できる体制の構築を目指す方針を発表したていたが、これら施策の前倒しや追加、ゲーム、音楽、映画などの領域における構造改革の実施、広告宣伝費などの削減によって実現するという。
さらに、ハワード・ストリンガーCEO、中鉢良治社長、井原勝美副社長の代表執行役3人については、2008年度の役員賞与を全額返上。年収で前年比50%以上の減額となる。また、業務執行役などの役員賞与についても、前年比70%以上の減額を予定。定額報酬の規模は決定していないが減額を予定。年収で30%以上の減額となる見込み。さらに部長および課長といった管理職についても、35~40%の賞与減額と月次報酬の減額によって、年収で10~20%の減額を予定している。
加えて、早期退職支援制度を実施し、特別加算金の支払い、および就職支援会社の斡旋を行なうほか、薄型TVの設計、生産を行なっていた一宮テックの業務を稲沢テックに集約。それに伴い、1,000人規模の人員削減を行なう。
一宮テックと稲沢テックには、それぞれ1,300人ずつの従業員がおり、合計2,600人がその対象となる。2,600人のうち、1,000人が非正規社員であり、人員削減は非正規社員を中心に実施されることになりそうだ。
また、全世界の設計および関連する間接部門の人員を2009年末までに全世界で約30%削減する。
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/financial/fr/08revision_sony2.pdf
□関連記事
【1月22日】ソニー、2008年度連結業績は2,600億円の営業損失に(AV)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090122/sony.htm
(2009年1月23日)
[Reported by 大河原克行]