東芝/IBM/AMD、世界最小の立体構造トランジスタSRAMセルを開発
12月16日(米国時間) 発表 株式会社東芝、米IBM、米AMDは米国時間16日、フィン形状の立体構造電界効果トランジスタを用いた世界最小のSRAMセルを開発し、動作を確認したと発表した。 今回のSRAMセルは、立体構造電界効果トランジスタ(FinFET)と、高誘電率(High-k)ゲート絶縁膜、メタルゲートを使って実現。非平面型のトランジスタとして、世界最小の面積を達成した。面積の数値は0.128平方μmで、これまで最小とされてきた0.274平方μmの半分以下。 一般的に、平面トランジスタでSRAMを製造する場合、高濃度の不純物をデバイス部分に注入してトランジスタの特性を調整し、トランジスタを小型化していた。一方で、この調整方法は特性のばらつきが生じ、SRAMの安定動作を低下させるという問題があった。特に、22nmプロセス以降でこの問題が深刻になりつつあるという。 今回の非平面型トランジスタでは、セルの開発にあたってFinFET構造の垂直面に、高誘電率ゲート絶縁膜/メタルゲートなどを含むさまざまな物質を堆積、除去するプロセス技術を最適化。さらに、小さなSRAMセルにおけるFinFETの特性のばらつきを統計から評価し、より小さなSRAMでばらつきのシミュレーションを実施した。 この結果、チャネル部分に不純物を注入しないで製造したFinFETの方が、トランジスタのばらつきを28%以上改善したという。加えて、22nm世代以降では従来の平面電界効果トランジスタよりも、FinFETによるSRAMセルが著しく優位としている。 □東芝のホームページ (2008年12月17日) [Reported by yamada-k@impress.co.jp]
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