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ネットブックが大幅増でPC出荷を牽引、BCN調べ
~平均単価下落でデフレ傾向も

BCN 田中繁廣氏

11月6日 開催



 株式会社BCNは、POSデータを集計した「BCNランキング」に基づいた2008年8~10月の市場分析をまとめた。これによると、ネットブックの出荷増によりノートPCの出荷台数が40%近くの伸びとなり、PC全体の出荷台数が2桁成長となった。安価なネットブックの販売増もあり、平均単価は若干ながら下落しデフレ傾向を示した。

 同社は6日、都内で「薄型テレビ、レコーダー、パソコン、デジカメの直近販売動向」と出した記者発表会を開催。同社アナリストの田中繁廣氏が説明した。

 同氏は今回のポイントとして、ネットブックが需要を牽引し、3カ月連続で台数ベースで20%増を達成したこと。一方PC全体の単価が1年で23%下落し、総売上高が前年を割るデフレ傾向にあること。既存の市場で中心だった比較的安価なA4ノートのシェアをネットブックが切り崩す展開が現実的になってきたこと、の3点をあげ、「非常に賑やかな状態になってきたが、金額については若干厳しい状況になっている」とコメントした。

 PC全体の市場構成は25%がデスクトップで、75%がノートPC。ノートPCのうち25%をネットブックが占めた(2008年10月)。出荷台数は、8月より3カ月連続で20%台の伸びを継続し、単価は22.7%の下落ながら、金額ベースでは小幅な減少に留まった。台数ベースでは「ここ5年でこれほど伸びたことはない」と言う。ノートPCだけで見ると、台数ベースで前年同月比131.8~140.9%で、金額ベースでもプラス成長だった。デスクトップの出荷台数は前年並みで22型液晶を搭載した一体型などが健闘しており、シェアの減少はないという。

8~10月の3つのポイント PC需要が2桁成長も、単価は22.7%ダウン ノートPCは台数/金額ベースともにプラス成長

●ネットブックのシェアは最終的に30%へ向かう

 ネットブックはASUSTeKが2007年にEee PCを投入して以来、徐々にシェアを拡大。2008年10月にはついにノートPCの25%を占めることになった。同氏は、ネットブックのシェアが最終的に30%程度まで向上すると予測している。

 ネットブックの台頭により、下表の通り、いわゆるモバイルノートと言われる高価なB5タイプの台数が、前年の67~83%へと大きく減じている。一方、A4タイプやミニノートに含まれないタイプは台数を増やした。これは、ネットブックによって売り場にユーザーが増えたためだが、最終的にA4以上のサイズを購入したユーザーがいたと同氏は分析。ノートPC全体で台数は40%増ながら金額は6%増にとどまり、ノート全体にデフレ懸念があるという。

 ネットブックの平均単価は引き続き下落傾向にあり、10月には5万円を割って48,800円となった。これにはイー・モバイルの値引き販売のリベートも含まれており、その販売比率は3~4割に上るという。

 ネットブックのシェアは、Eee PC発売以来、ASUSTeKがトップを継続してきたが2008年9月になり日本エイサーと首位を交代し10月も同社が首位を獲得した。10月のシェアは日本エイサーが39.4%、ASUSTeKが38%で2強。第2グループとして、MSIが5.3%、HPが4.8%、工人舎が4.4%、オンキヨーが4.3%の団子状態となった。

 2008年10月のノートPC全体のシェアは、東芝15.7%、富士通14.6%、NEC14.5%、ソニー13.6%、日本エイサー11.7%、ASUSTeK9.4%という順位だった。ネットブックにより日本エイサーとASUSTeKが躍進し、特に日本エイサーはソニーに迫るシェアを獲得した。PC全体では、4強の順序が前後するものの、日本エイサーが10.2%のシェアで5位、ASUSTekが7.5%で6位につけた。いずれも台数ベース。

 同氏は「これまでモバイル向けPCは高価格帯がターゲットで、普及型の製品がなかった。ネットブックによりそれらの需要が満たされた結果B5モバイルがシェアを減らした。ネットブックは液晶のサイズを拡大する傾向にあり、ソフトウェアの充実やより高機能なA4ノートとの競合がはじまる」と予測を述べた。

ネットブックが単価5万円を割り、ノートPCの25%を占めた ネットブックの影響でB5モバイルが荒れた動きに ノートPC出荷が大幅増も、金額は6%増にとどまった
ネットブックのメーカー別シェア ノートPCとPC全体のメーカー別シェア

□BCNのホームページ
http://www.bcn.co.jp/

(2008年11月6日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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