10月22日(現地時間)発表

　米NVIDIAは22日(現地時間)、11月17日(現地時間)に公開予定の次期GPUドライバ「GeForce Release 180」についての情報を公開した。

　このバージョンでは大きく2つの新機能が追加された。1つ目はSLI時における、柔軟なマルチディスプレイへの対応。これまでSLI時は1つのディスプレイにしか出力できなかったが、プライマリビデオカードから2台のディスプレイに出力できるようになった。

　このとき、1つのディスプレイを「SLIフォーカスディスプレイ」として設定でき、フルスクリーンでゲームをプレイする時は、性能が二分されない。逆に、「Supreme Commander」、「World in Conflict」、「Flight Simulator X」といった対応ゲームでは、マルチディスプレイでゲーム画面を出力できる。このほか、ビデオカードが3枚ある構成で、2枚をSLIにして、もう1枚は独立させ、それぞれから2台のディスプレイに出力もできる。

SLI時にもデュアルディスプレイに対応。片方を「SLIフォーカスディスプレイ」に設定できる	フルスクリーンでゲームをプレイすると、そちらのディスプレイに性能が振られる
対応ゲームではデュアルディスプレイ出力に対応	ゲームを1台、ブラウザを2台目のディスプレイに出力といった構成も可能

　2つめの機能が、新たに2枚以上のビデオカードがある構成で、特定の1枚をPhysX専用に指定できるようになった。この機能については、従来のGeForce Release+PhysX Softwareでもできていた。新ドライバでは、NVIDIA Control Panelにこれらの設定を行なう画面が追加されているので、ビデオドライバと物理ドライバが1つに統合されたものと思われる。

　PhysX専用のGPUについて、NVIDIAでは、現状のゲーム/ベンチマークでは、GeForce 9600/9500クラスで十分な性能を発揮できるとしている。

　このほか、ゲームの性能についても改善が図られ、10～30%性能が向上。また、近々登場予定のIntel X58 ExpressチップセットでのSLIにも正式対応する。

PhysXの設定がNVIDIA Control Panelに統合され、1つのGPUをPhysX専用に指定できる	構成の違いによる性能の変化	従来のドライバとのゲームの性能比較

□NVIDIAのホームページ(英文)
http://www.nvidia.com/
□関連記事
【9月26日】NVIDIAのGeForce用PhysXドライバを試す
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0926/physx.htm
【8月28日】NVIDIAが、Intel X58チップセットでのネイティブSLI対応を緊急発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0828/nvision07.htm

(2008年10月23日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]