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日本IBM、大和研究所の取り組みを紹介

7月24日 開催



 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は24日、報道関係者向けにセミナーを開催し、大和研究所の取り組みと米IBMの研究開発体制について紹介した。

 日本IBM 執行役員 開発製造担当の坂上好功氏が説明を担当した。

大和事業所内の東京基礎研究所 日本IBM 坂上好功氏

 大和研究所は、IBMが世界各地に有する研究開発施設の1つ。「社会にインパクトを与えるイノベーティブなソリューションを創出する」をビジョンに掲げ、主にインダストリーソリューションとインフォメーションソリューションの研究開発に取り組んでいる。

 前者の例としては、エージェント技術を活用したインテリジェントな交通システムの開発や、データセンターをトータルで効率化する技術/サービスの開発などがある。後者の例としては、文書などの非構造的なデータを構造化することで、データに価値を見い出すデータ・アナリスティックなどがある。検索やデータ解析とともに、それらを保存するストレージも手がける。

 ほか、日本市場を意識し、組み込み向けの開発環境として「モデル駆動型システムズ・エンジニアリング」やシミュレーション技術を研究。またCell/Powerプロセッサのシステム開発、テープなどのストレージ製品の研究開発も行なう。

8つの基礎研究所を有する インダストリーソリューション インフォメーションソリューション

 世界各地に8つの基礎研究所を有するIBMは、20世紀にはアメリカで研究開発を行ない、世界各地に製品を展開。その後多国籍企業として、各地の支社にまかせ、研究開発にも裁量を与える方針をとっていた。21世紀にはグローバル企業として、世界各地の研究開発機能を統合し、「地球の上に1つの企業」となることを標榜しているという。

 それを実現するために、製品開発を共通のプロセスで開発し、フェーズ毎にチェックポイントを設けてリスクと進捗を管理する。加えて、世界各地で共通の開発手法/ツールを採用することで、各研究所の長所を活かした効率的な協業を実現するという。

 協業はIBM社内にとどまらず、オープンな技術を利用するほか、必要があれば買収や提携を行ない、コラボレーションを通して課題を解決するシナリオ/ソリューションを追求しているという。

 一例として、世界最高速のコンピュータ「Roadrunner」の開発では、ポケプシーの研究所がメインとなり、ドイツやアメリカ、インド、中国とともに大和研究所も開発に協力。また、テキスト・マイニング製品「OmniFind」では、中国やベトナム、イスラエル、ドイツ、アメリカの開発チームと協業した。大和研究所は、今後も全世界・社内外を問わず、すべてのCapability(可能性)を活用して顧客のイノベーションを支援していくという。

統一された開発プロセスを採用する ツール/手法を統一することで協業の効率を高める Roadrunnerに採用されたブレードサーバー「QS22」。倍精度を拡張したCellを搭載
3次元温度測定装置。サーバールームなどの温度を測定し、空調や設置機器の調整を行なうことでデーターセンターの効率を高めることができる 視覚障害者向けにウェブページのアクセシビリティを高めることができるコラボレーションサイト&ツール「Social accessibility Project」。問題が報告されたページに対し、視覚に障害のないユーザーが確認/修正を行なうことで、アクセシビリティを高める

□日本アイ・ビー・エムのホームページ
http://www.ibm.com/jp/
□東京基礎研究所のホームページ
http://www.trl.ibm.com/extfront.htm
□関連記事
【2007年10月26日】日本IBM、東京基礎研究所の取り組みを紹介
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1026/ibm.htm

(2008年7月24日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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