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インテル、新モバイルプラットフォーム「Centrino2」を発表
~BD再生支援機能やビジネス向け管理機能を訴求

Centrino2の構成要素

7月16日 発表



 インテル株式会社は16日、これまで「Montevina」のコードネームで呼ばれてきた新モバイルプラットフォーム「Centrino2プロセッサー・テクノロジー」(以下、Centrino2)の発表会を開催した。

 Centrino2は、45nmプロセスのCore 2 Duoプロセッサ(コードネーム:Penryn)、Mobile Intel 4シリーズチップセットファミリー、WiFi Link 5000シリーズの無線チップで構成されるプラットフォーム。

 Penrynはすでに既存のプラットフォームでも採用されているが、Centrino2ではFSBが800MHzから1,066MHzに向上。一方で、TDP 25Wの低消費電力モデルをラインナップに追加したり、ディープパワーダウンテクノロジーに対応するなどし、バッテリ駆動時間を引き延ばした。また、最上位にクアッドコアモデルも用意している。ラインナップと価格は下表の通り。

【表】Core 2 Duoのラインナップ
  周波数 FSB L2キャッシュ TDP OEM価格
Core 2 Extreme X9100 3.06GHz 1,066MHz 6MB 44W 92,600円
Core 2 Duo T9600 2.80GHz 35W 57,670円
Core 2 Duo T9400 2.53GHz 34,390円
Core 2 Duo P9500 2.53GHz 25W 37,870円
Core 2 Duo P8600 2.40GHz 3MB 26,230円
Core 2 Duo P8400 2.26GHz 22,740円

 チップセットはビデオ機能を内蔵したIntel GM45 Expressと非内蔵のIntel PM45 Expressを投入。両製品ともFSBは1,066/667MHzに対応。メモリはDDR2-800/667かDDR3-1066/800/667を最大8GB搭載できる。

 Intel GM45 Expressのグラフィックスエンジンは5世代目となるGMA X4500HDを搭載。前世代のものと比べ、3D性能を2倍近くにまで強化。また、新たにBlu-ray Disc(BD)ビデオなどHD動画のハードウェア再生支援機能を搭載し、内蔵ビデオだけでHD動画を完全に再生できるようになった。加えて、アダプティブ デインタレーシング/フィルムモード補正機能などを搭載し、BDロゴも取得している。

 このほか、NVIDIAのHybrid SLIやAMDのHybrid Graphicsのように、単体GPU搭載時に、チップセット内蔵ビデオと手動/自動で切り替える機能も搭載する。なお、コアクロックは最大533MHzで、これを最大640MHzに引き上げたIntel GM47 Expressも予定されている。

 WiFi Link 5000シリーズは、IEEE 802.11nドラフトに対応し、最大転送速度は450Mbps。従来品と比べ、消費電力を4割抑え、チップの実装面積も1/4に縮小した。

Core 2 Duoの概要 チップセットの概要 WiFi Link 5000の概要

 ビジネス向けにvProテクノロジーCentrino2プラットフォームも用意。新たに、企業ネットワーク内で、電源が切断されている端末に対して、無線でアクセスし、リモートで管理する機能や、ファイヤーウォールの外側からセキュアに内部ネットワークにアクセスして、更新/診断/修復する機能などが追加された。

インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏

 発表会で同社代表取締役共同社長の吉田和正氏は、2001年にPC市場規模が1億3,100万台で、ノートPCの割合が21%足らずだったのに対し、2003年のCentrinoの立ち上げを契機に、2008年には市場規模が2億9,400万台になり、ノートPCの割合はほぼ50%に近づき、今後もノートPCがPC市場全体を牽引していくとの市場予測を紹介。

 あわせて、今後3~4年間で、モバイルインターネット利用者集は490万人から1,228万人に、BDビデオのタイトル数は900から7,000に、ブロードバンドビデオの閲覧数は500億から3,500億に、企業向けノートPCの出荷台数は6,000万台から1億1,000万台に達するとの見込みを示し、Centrino2搭載機こそが、こういった市場動向や利用形態から求められる製品であると語った。

 ゲストとして招かれたソニー業務執行役員SVP VAIO事業本部長の石田佳久氏は、「1年ほど前にインテルから新しいチップセットの話を聞いた時は懐疑的だったが、実際に製品ができて試してみると、内蔵ビデオで本当にBDが再生できた」というエピソードを明かした。同時に、16日付けで発表されたBD搭載機「VAIO type F」と「VAIO type Z」を紹介し、持ち運びながらBDを鑑賞できるというメリットを訴求した。

 信州大学医学部附属病院医療情報部講師・副部長の坂田信裕氏は、電子化/IT化が進む医療現場の現状を紹介。フィルムレスでPC上で医療画像を取り扱うことから、より高い性能が求められる点や、病院同士などで電子カルテをネットワークで共有したりといった用途からセキュリティも重視される点などを挙げ、vProテクノロジーCentrino2がもたらす技術革新に期待を寄せた。

ソニーの石田佳久氏 VAIO type FとソニーのBDプレーヤでの再生比較。画質は全く区別がつかない。VAIO type FはBDを再生させて、外部ディスプレイ利用時で消費電力は17W程度、内蔵液晶利用時で27W前後
信州大学の坂田信裕氏 医療現場にも高性能でセキュアな先進ノートPCが必要だと訴えた

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2008/080716c.htm
□製品情報
http://www.intel.co.jp/jp/products/centrino/index.htm?iid=jpnotebook_body+centrino2

(2008年7月16日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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