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富士通、シニア向け「らくらくパック」2機種3モデルを発売
~秋冬モデルでは、専用ハードの開発も視野に

発売中



富士通パーソナルビジネス本部・三竹兼司本部長代理

 富士通株式会社は、シニア層をターゲットとした「FMVらくらくパック」を商品化。6月19日から2,000台限定で、Webおよび電話を通じた同社からの直販のみで販売する。

 富士通パーソナルビジネス本部・三竹兼司本部長代理は、「日本においては、50代以上のPC利用率が低い。今回の商品は、パソコンを使ってみたいが難しい、あるいは以前に購入したことがあるが使えなかった、といった60代以上のアクティブシニアをターゲットにした商品。シニアや初心者層が、PCを使って、生活をエンジョイしてもらえるように工夫を凝らした仕様にしている」と語る。

 富士通の液晶一体型デスクトップPCであるFMV DESKPOWER EKシリーズ EK/A50およびEK/A30、ノートPCのFMV-BIBLO NFシリーズ NF/A70をベースとした2機種3モデルを用意。「使いやすい」、「おまかせ」、「かんたん」、「あんしん」の要素をそれぞれ取り入れている。

FMV-DESKPOWER EKシリーズのEK/A50をベースにしたらくらくパック FMV-BIBLO NFシリーズのNF/A70をベースにしたらくらくパック 専用メニューでは、「インターネット」、「メール」、「ハガキ作成」の3種類のボタンを配置

 「使いやすさ」では、画面文字やアイコンを、あらかじめ大きいサイズに設定して出荷。Internet Explorer 7(IE7)では、125%のズーム表示にしている。また、専用メニューを用意し、ユーザーがPCでやってみたいと思う回答として上位3項目となる「インターネット」、「メール」、「ハガキ作成」の3種類のボタンを、画面上に大きく配置した。それぞれのメニューをクリックすると、インターネットではIE7、メールではWindowsメール、ハガキ作成では筆ぐるめが起動する。困ったときや使い方を学びたいときのボタンも用意し、らくらくパック専用のホームページにリンクする。

 「富士通では、通常100種類以上のソフトやツールを同梱しているが、同様の役割を果たすソフトを削るなどソフトウェアを厳選し、ユーザーの迷いを無くすシンプルな仕様を目指した。通常モデルに比べて、同梱したソフトの数は約4割削減している」(富士通パーソナルビジネス本部パーソナルマーケティング統括部プロジェクト部長・菅谷創一氏)という。

 マニュアルも通常のB5サイズからA4サイズへと拡大することで、文字サイズを大きく表示。わかりやすさを狙った専用テキストや、らくらくパック向け独自サービスのためのガイドブックなどを添付した。

Internet Explorer 7などの表示で「大きいサイズ」を設定 専用のA4マニュアルを添付 ソフトウェアもシンプルな仕様とした

 「おまかせ」では、PCのセットアップを代行する訪問セットアップサービスを用意。PCの開梱、設置、マウスの使い方の操作指導、キーボードの入力方法などを、90分間無料で指導する。また、購入と同時に、@niftyに申し込んだユーザーに対しては、2回目の訪問サービスを提供。インターネットの接続設定、ブラウザやメールソフトの設定、セキュリティ設定のほか、PC添付テキスト内から学びたい内容のレッスンを含めて、120分間のサービス内容としている。

 「かんたん」については、専用ページを用意し、同ページを通じて最新のニュースをチェックしたり、天気予報を見たりといったことができるほか、困ったときのページ、使い方を学ぶ学習のページをそれぞれ用意する。

 加えて、ユーザーにあわせた学習マップを提示し、マウスやキーボードの基本操作から、インターネットやメール、アプリケーションの基礎操作知識、インターネット検索やタイピングなどの活用入門などというようにステップアップできるよう支援する。専用のメールマガジンを定期的に配信するといったサービスも行なう。

 「あんしん」では、らくらくパック専用電話窓口を設置し、1年間無料で何度でも利用できるようにする。

 「ゆっくり話すことや、先方が言い出さなくてもこちから上手に話しを聞き出せるスタッフを用意し、トラブル解決にとどまらず、パソコン活用支援提案を行なっていくサポート窓口にしたい」(菅谷部長)と述べた。

 通常のサポート窓口では、ユーザーの問い合わせ内容にあわせて、事前に自動応答で選択できるようにしているが、同専用窓口では、最初からオペレータが電話口に出ることで敷居を低くした。

 「2,000台限定としたのは、このように新たな試みが多いことが理由。らくらくパック専用窓口への入電状況などを想定した上でスタッフを配置する必要があり、まずは台数を限定することにした」(菅谷部長)という。

ユーザーに合わせた「学習マップ」でPCスキル習得を支援 らくらくパック専用の電話窓口を設けた

 なお、FMVらくらくパックはシニア層以外でも購入することはできる。

 価格は、EK/A50をベースとしたモデルが188,800円、EK/A30をベースとしたモデルが148,000円、NF/A70をベースとしたモデルが184,800円。

 「デジカメで撮影したデータを使う際などにスムーズに使えるスペックとして、2GBメモリ、Core 2 Duoを搭載した製品で構成した。専用のサービスを提供するということで、通常モデルよりも約2万円高くなっている」(三竹本部長代理)としている。

 新商品モニターキャンペーンとして、各モデルとも先着100台限定で、キャンペーン価格で提供する。EK/A50をベースとしたらくらくパックのキャンペーン価格は179,800円。EK/A30をベースとしたモデルが139,800円。NF/A70をベースとしたモデルが154,800円。アンケートへの回答などを条件としており、次期商品の開発にフィードバックする考えだ。

 三竹本部長代理は、「今回の製品は、第1弾であり、完成とは思っていない。秋以降には、らくらくパック専用のハードウェアを開発し、商品化することも検討している。過去には、販売会社である富士通パーソナルズを通じて、らくらくパソコンを商品化した経緯があったが、より幅広いサービスの提供と、次のステップとして専用ハード設計までを視野に入れている点で、メーカーとして一歩踏み込んだものとなっている点がそれとは異なる。特に入力における改良が必要だと考えており、ここに焦点を当てていく。シニアに使いやすいといってもらえるものは、女性や子供、初心者にも使いやすいものになる。らくらくパックで評価が高い仕様に関しては、標準モデルにもフィードバックしていくことも考えている」とした。

□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/06/19-1.html
□製品情報
http://www.fmworld.net/fmv/pcpm0804/rakuraku/info/
□関連記事
【2005年2月8日】富士通パーソナルズ、シニア向け「らくらくパソコン」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0208/fujitsu.htm

(2008年6月19日)

[Reported by 大河原克行]

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