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ターボリナックス、ネットユースに特化した
「Turbolinux Client 2008」
~MIDやネットブックへ最適化

Turbolinux Client 2008


 ターボリナックス株式会社は、クライアント向けOS「Turbolinux Client 2008 Net User Package」を8月8日より発売する。価格は9,800円。

 対応ハードウェアは、Intel x86互換CPU(Pentium 4/Celeron相当以上)、メモリ256MB以上、3GB以上のHDD、X.Orgがサポートするビデオカード、光学ドライブなど。Linuxのカーネルは2.6.24。

 フランスMandrivaとの共同開発プロジェクトで開発された「Manbo Core」を採用した商用Linux。Manboの採用により、従来のTurbolinuxの弱点だった開発コミュニティの小ささを克服し、改良ソフトウェアの提供やセキュリティホールへの対応を迅速にできるようになったという。

 新たにCDから起動可能な「Live CD」に対応し、Live CDで動作を確認した後HDDインストールできるようになった。また、3Dデスクトップ「Compiz Fusion」を統合し、複数のワークスペースや作業ウィンドウ利用時の操作性を向上させた。さらに、アプリケーションのリクエストを検査して、不正処理を拒否する「TOMOYO Linux」を搭載し、セキュリティ性を高めた。

Turbolinux Client 2008パブリックβ版をインストールしたノートPC Compiz Fusionによる3Dデスクトップ YouTubeなどにあるFlashベースの動画をローカルに保存できる
モバイルに最適化し、タッチパネルUIにも対応 コンバーチブルタブレットPCにインストールした例

 Webブラウザとして「IceFox 3.0」、メールクライアントとして「Thunderbird」、IMクライアントとして「Pidgin」を搭載する。Intelが中心になって開発しているモバイル端末向けデスクトップ環境「Moblin.org」への対応も謳う。

 さらに、YouTubeやニコニコ動画などのFlashコンテンツをローカルに保存できるWebブラウザプラグイン、Podcast/Videocastダウンローダーなどのツールも無料でダウンロードして利用でき、MIDやネットブックでの利用に好適とした。

 商用アプリケーションとして、リコー製TLフォント5書体、日本語変換システム「ATOK X3」、オフィススイート「StarSuite」のダウンロード権を添付する。

 なお、9月からは商用アプリケーションCDを同梱した「Full Disk Package」と、オンラインアップグレード「Online Product Upgrade」を販売する。価格はそれぞれ12,800円と7,800円を予定。また、商用アプリケーションを省いた無料のダウンロード版もWebで提供する。

●インターネット時代のOS

 6月10日に都内で開かれた製品発表会では、同社 代表取締役社長 兼 CEOの矢野広一氏が挨拶。同氏はまず、Turbolinuxの過去を振り返り、「Turbolinux 7と8は“Workstation”という名前が付いている通り、一般ユーザーが使うものではなかったが、10 DesktopとFUJIで“Desktop”向けを謳い、ようやく一般ユーザーが使うWindowsに置き換わる機能を揃えられた」とした。

 そして、今回の製品名には“Client”がついているが、これはインターネットインフラの普及とのインターネットアプリケーションの充実により、PCの使い方がより“クライアント”らしくなったため決定したという。さらに、「今後はMIDやネットブック市場が拡大することが見込まれ、OSは“デスク上で使う”ことから“自分と共に行動できる”ことが求められるようになる。これには“Client”という名のほうがふさわしい」と説明した。

代表取締役社長 兼 CEOの矢野広一氏 同社のクライアント向けOSの進化
執行役員 兼 事業推進本部 本部長の森陰政幸氏

 同社 執行役員 兼 事業推進本部 本部長の森陰政幸氏は、「国内におけるPC出荷実績によれば、出荷台数は年々増えているものの、出荷金額は下がる方向にある。その一方で、OSやソフトウェアの平均価格はあまり変わっていない。我々はオープンソースを利用することでOSやソフトウェアの価格を下げることができ、ハードウェアの価格変化とソフトウェア価格変化のギャップを埋めることができる」と述べた。

 また、「ブロードバンドの普及やインターネットの利用形態の変化、およびセキュリティ意識の向上により、OSに求められる機能も変化してきた。我々の新OSでは、1CD起動による利便性や、TOMOYO Linuxの搭載によるセキュリティの高さなど、これらの変化に適合できる機能を備えている」とアピールした。

国内におけるPC出荷台数推移 国内におけるPC出荷金額推移 ネットワークインフラの充実

□ターボリナックスのホームページ
http://www.turbolinux.co.jp/
□製品情報
http://www.turbolinux.co.jp/products/tlc2008
□関連記事
【5月27日】ターボリナックス、Linux系新クライアントOSのパブリックβ版
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0527/turbo.htm

(2008年6月10日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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