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【COMPUTEX TAIPEI 2008】【Intelブース編】

Bloomfield/Gainestownプラットフォーム向けマザーを展示
~Tylersburgチップセットの名称は「Intel X58」か

Tylersburgチップセット

会期:6月3日~7日(現地時間)

会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



●シングルプロセッサ対応のNehalem用マザーボード

 Intelのブースには、同社の次期CPUである開発コードネーム「Nehalem」対応のマザーボードが多数展示された。

 今年第4四半期の登場が見込まれているNehalemを使ったプラットフォームは、デュアルプロセッサのサーバー/ワークステーション環境が「Gainestown(ゲインズタウン)」、シングルプロセッサのハイエンドPCおよびサーバー/ワークステーション環境が「Bloomfield(ブルームフィールド)」と呼ばれる。チップセットは「Tylersburg(タイラースバーグ)」と呼ばれるものだ。とくにPCのユーザーにとって重要なのはBloomfieldだろう。Intelブースには、シングルプロセッサのNehalem対応マザーが7製品展示された。

 このうち、Intel製マザーボードに「DX58SO」という製品名が表記されている点には注目できる。同社製マザーボードの命名ルールに従えば、チップセット名は「Intel X58」になることは想像に難くない。

 ちなみに、チップセットといってもBloomfieldはCPUコア内にメモリコントローラを包含するアーキテクチャとなるため、Tylersburg側はPCI ExpressなどのIO機能が中心となる。それでもチップセットは2チップ構成となっている。

 このメモリコントローラは、3チャネルのDDR3 SDRAMコントローラとなる。搭載製品を見ても、多くの製品が6本のメモリスロットを持っており、各チャネルに2枚ずつのDIMMを装着できる格好になっていた。また、基板上の配線を見ると、メモリへの配線がチップセット側からでなく、CPUソケット側から伸びていることも確認できる。

 そのCPUソケットは、従来のLGA775と同じくLGA型のソケットとなるが、メモリコントローラなどを含む関係もあってピン数が大幅に増加したLGA1366と呼ばれるものになる。

 物理的には、ソケット保護カバーがCPU固定カバーの下側に設置されるようになった点が興味深い。LGA775ではソケットのピン保護のため、固定カバーの上に、取り外し可能なプラスチックカバーをかぶせるようになっていた。

 しかし、今回展示されたLGA1366ソケットを見ると、固定カバーの下にあるLGAソケットとプラスチックと保護カバーが“取り外しがしやすい程度に”一体化しており、固定カバーの下側に保護カバーが位置する格好となっている。最終的に保護カバーを外すことには変わりないが、より一体化したコンポーネントになった印象を受ける。

Nehalem世代のソケットであるLGA1366。保護カバーが金属カバーの下側に配置されている LGA1366はその名のとおりLGA775からピン数が大幅に増加している メモリコントローラをCPU側に内蔵するので、メモリソケットへの配線もCPUソケット側から伸びていることが分かる
abit「IX58-MAX」。8フェーズのVRM、POSTコード表示LEDの搭載など、最終仕様にかなり近いのではないかと思われる製品。最終的な製品名かは分からないが、同社の製品名ルールに則った「X58」を含む製品名が示されている ASUSTeK「T6T-VC1」。そのまま出せそうな製品名ではあるが、VRM周りは非常に簡素。また、同社のこのクラスの製品が茶色基板というのも珍しいので、少なくとも単体発売用製品にはさまざまな変更が加えられそうだ FOXCONNの「Renaissance」。製品名はコードネームと思われるが、ヒートパイプ付きチップセットクーラーなど、かなりちゃんとした作りの製品が展示されていた
GIGABYTE「GA-36S-Extreme」。製品名もちゃんと付けられているほか、PCBやソケットのカラーリングも同社らしい作りの展示品。同社のExtremeモデルにも関わらず、PCI Express x16スロットが3本しかないあたりは、他社製品と比べて意外性のあるポイント Intel「DX58SO」。メモリスロット数など見ても、高価格帯を意識したサンプルとは思えない。シングルプロセッサのワークステーション用マザーボードとなるかも知れない
Mitac「XE10TX」。PCI Express Mini Cardスロットをオンボードに搭載するあたり、特定メーカー用のOEM向け製品かもしれない MSI「Tylersburg Diamond」。オンボード上には「MSI X58」の文字も見える。チップセットクーラーこそないものの、そのほかのコンポーネントはハイエンドコンシューマ向け製品として投入を意識していると思われる作りだ

 他方、デュアルプロセッサ環境となる「Gainestown」プラットフォーム用のマザーボードも特設コーナーを設けて展示。E-ATXからラックマウント向けまで、さまざまな形状・仕様の製品が並んでいる。

 こちらもチップセットはTylersburg。メモリコントローラをCPU側に持つ点は同じなので、各CPUから3チャネルのメモリインタフェースが伸びることになる。多くの製品は、CPU×2個、3チャネル、1チャネルあたり2DIMMの計12個のメモリスロットを持っているが、各チャネル3DIMMの計18本のメモリスロットを持つ製品も存在する。

 以下、展示されたNehalemコアXeon用デュアルプロセッサマザーを写真で紹介しておく。

ASUSTeK「TEB-D」。ソケットの金属製固定カバーこそ設置されていないが、見た目はちゃんとした作りに見える製品。スロット最下部にはPCI-Xと思われる空きパターンが存在している Flextronics「TX65H」。コンシューマ向け製品として通用しそうなカラーリングが印象的。ATIのES1000をオンボード搭載する GIGABYTE「GA-7TESH-RH」。PCI Express x8スロット×5本が特徴的な構成
Intel「Bluff Creek」。製品名は開発コード名。各CPUに対して4本のメモリスロットを持つ構成。シンプルな構成と製品となっている Intel「Urbana」。製品名はこちらも開発コード名。ラック対応マザーで、拡張スロットはライザーカードによって利用可能 MSI「MS-9199」。違うデザインではあるものの、GIGABYTE製品に似た構成になっている
MSI「MS-91A3」。PCI Express x16スロットを搭載する一方、オンボードグラフィックを搭載していない Pegatron「GATV-DR」。スロットの配置がかなり特殊で特定用途/メーカー向けと想像される Quanta「S89」。1チャネル当たりDIMM1本のシンプルなボードになっている
Quanta「S50」。レイアウトはGIGABYTE/MSI製品に酷似。おそらくIntelのガイドラインに沿うとこのようなデザインになるのだろう Supermicro「Super X8DTN+」。1チャネルあたりDIMM3本が装着可能なほか、拡張スロットも非常に多い。高性能サーバ向け製品と見られる
Supermicro「X8DAi」。こちらも拡張スロットが豊富。オンボードグラフィックは搭載しないが、PCI Express x16×2本を備えている Tyan「Tempest S7012」。GIGABYTE製品に酷似するが、1チャネルあたりDIMM3本を搭載することができる

●組み込み向けAtomボードも豊富に展示

 今回のCOMPUTEXのメイントピックとなったAtom。もちろんお膝元であるIntelブースには、NetTop/NetBook、UMPCなど多数の関連製品が展示されている。それらについては、別掲の記事を参照いただくとして、ここではIntelブースで展示された組み込み用途向けのボードを紹介しておきたい。

 これらのボードは特定用途に向けていることから、形状、仕様もさまざまで、2.5/3.5インチサイズからCOM-Express準拠品までさまざま。なかにはNano-ITXに準拠した製品もある。

 CPUはいずれもSilverthorneのコードネームで呼ばれた、Atom Z500シリーズを搭載。ユーザーの手に直接渡ることはほとんどないボード群である。だが、同時に展示が行なわれた展示製品には、工事現場などで使う高耐久性PCや、POSや病院内システムに利用可能なポータブルPCも存在した。Atomを使った製品はPC用途以外でも、意外なところで使われる身近な存在になるかも知れない。

Prtwellのnano-ITXボード。SO-DIMM、CFスロットのほか、パネル部にD-Sub15ピン、シリアル、音声入出力、USB×4、LANを備える。このスペックならばPCユーザーでも使いたいと思う人がいそうだ Axiomtekの2.5インチサイズボード。表面にPCI Express Mini Cardスロット、裏面にSO-DIMMとCFスロットを装備している
iBASEの3.5インチサイズボード。特定用途向けと見られ、ボード上にはさまざまなインタフェースを装備。パネル部にはシリアル、USB×2、LAN×2を備えている AaeonのCOM-Express Type IIボード。SO-DIMM以外は備えておらず、ほかのIOは別基板と接続して利用することになる。似た構成の製品はADLINKやADVANTECHも展示した メイン基板にAtom搭載ボードをビルドし、ハードウェアビデオデコーダや3Dグラフィック表示が可能な低消費電力システムを紹介していた
ARBORが展示した高耐久性PC。オプションを組み合わせることでGPSや無線LANなどの機能追加を行なえる。高耐久性PCはPegatronも展示していた 病院内システムやPOS、教育現場での利用をにらんだNEXCOMのハンドヘルドPC。無線LANやBluetoothを内蔵し、4~8時間のバッテリ駆動が可能という。展示機ではWindows Vistaが動作している Portwellが展示した車載可能なPC。8V~24VのDCで利用可能で、1DINのサイズの筐体を持つ。ボードはIntel ECXフォームファクターに準拠。パネル部のD-Sub15ピンのほかLVDSを使った液晶ディスプレイの接続にも対応し、デュアルディスプレイも可能になっている

□COMPUTEX TAIPEIのホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
□Intelのホームページ(英文)
http://www.intel.com/
□関連記事
COMPUTEX TAIPEI 2008 レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/link/comp.htm

(2008年6月8日)

[Reported by 多和田新也]

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