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日本HP、ビジネス向けインクジェット発表会
~約62%のTCO削減が可能

Officejet H470

5月16日 開催



 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は16日、同日に発表されたビジネス向けカラーインクジェット製品の発表会を都内で開催した。

 なお、製品の詳細については別記事で紹介しているので、そちらを参照されたい。

執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏

 冒頭では、同社 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏が挨拶。同氏はまず過去を振り返り、「我々は、2005年のビジネス向けインクジェットの販売開始から3年間、販売台数が6倍になった」と説明した。

 その一方で、プリンタ市場の現時点において、コンシューマ需要に強いインクジェットと、ビジネス需要に強いカラーレーザーの中間、すなわち“ビジネス向けインクジェット”に対する市場要求が存在するという。挽野氏は、この市場には年間100万台ほどの規模があると推測する。

 この市場において、インクジェットの“インク容量と給紙量が少ない、ランニングコストが高い、耐久性が低い”ことと、カラーレーザーの“本体価格が高い、ランニングコストが高い、消耗品の交換が頻繁”というユーザーの不満を解消することが、ビジネス向けインクジェット開発のポイントだとした。

 同氏は、「新製品は、その中でも特にイニシャルコストとランニングコストの削減に注力し、開発した」と強調。全方位チャネルを利用して、新製品を導入することによるTCO削減のメリットをSOHOユーザーに訴え、強く導入を推し進めていきたいとした。

3年間で販売台数が6倍に ビジネス向けインクジェット市場へのニーズ ビジネス向けインクジェットの問題点

●新製品でTCOを約62%削減可能

イメージング・プリンティング事業統括 ボリュームビジネス本部 本部長 竹田芳浩氏

 新製品群を導入するメリットについて、同社 イメージング・プリンティング事業統括 ボリュームビジネス本部 本部長 竹田芳浩氏が説明にあたった。

 同氏は、「我々は3年前から国内向けにビジネス向けインクジェットを投入してから、ユーザーのニーズを調査し、過去3年間の販売実績から日本市場での売れ筋を分析したという。そこで得られた各種のデータをもとに、今回の新製品を開発した」という。

 新製品には同社ならではの工夫を盛り込んだ。例えばコンパクトの「H470」には、据え置き型と同じ600枚印刷可能なインクタンクを採用していること、カラーまたはモノクロどちらかのインクが切れていても、残りのインクで代替して印刷を継続できるバックアップ印刷、バッテリ駆動機能などを搭載した。一方、A3の「K8600dn」には、業界初の有線LAN/自動両面の標準搭載をしたという。

H470のインクカードリッジは据え置き型と同じものを利用 外回りの営業を想定し、バッテリ駆動が可能 有線LAN/自動両面印刷を業界で初めて標準搭載したA3機「Officejet Pro K8600dn」

 一方複合機の「J6480 All-in-One」では2万円を切る価格帯でありながら有線/無線LANを両搭載、「L7590 All-in-One」では最高35ppmの印刷速度を実現するなどの特長があるとした。

「Officejet J6480 All-in-One」 2万円を切る価格帯で有線/無線LAN搭載した モノクロ35ppm/カラー34ppmの高速機「Officejet Pro L7590 All-in-One」

 さらに、新製品のほかにも、A4単機能機などはすでにラインナップに用意しており、幅広い製品群でニーズの異なるビジネスユーザーにも細かく対応できるとし、「これもHPならではの充実したラインナップ」とアピールした。

 一方、TCO削減に向けた取り組みとしては、ハードウェア面では大容量インク、高耐久プリントヘッド、両面印刷対応、ソフトウェア面ではインク量をコントロールできるドライバソフトの開発、印刷枚数削減をサポートするソフトウェアの提供などを行なっているとした。

新製品のラインナップ TCO削減に向けたHPのアプローチ コンパクトのH470を除き両面印刷を標準でサポートする

 このうち、ソフトウェア面の取り組みについて特にアピール。ドライバでインク量削減モードを選択するとインク消費を25%抑えられるが、画質にはそれほど影響がないという。これによりコストも25%抑えられるとした。

 印刷枚数削減をサポートするソフトウェアについては、Webページやテキストファイルなど、必要な部分のみをレイアウトしてプリントできるソフト「HP Smart Web Printing」を標準添付しているほか、印刷プレビューを見ながら必要のないページを削除したり、2つ以上のアプリケーションの印刷を混合して印刷できる「Fine Print5」を標準添付し、これらをユーザーが工夫して利用することでコストを35%削減できるとした。

ドライバでインク量を削減でき、画質にはあまり影響しないという インク消費を抑える各種ソフトウェアの標準添付
HP Smart Web Printingのデモ。Webページから必要な部分だけ抜き取って印刷可能 Fine Print5のデモ。写真はページ左にメールの1ページ目のみ、右にExcelの表をレイアウトし、印刷しようとしたところ

 このほか、廉価な大容量インクを用意することで20%のコスト削減、両面印刷で用紙代を50%削減できるとし、上記合わせて約62%TCOを削減できるという。これにより、月に1,000枚印刷し、3年間利用した場合、最大で20万円ものコスト削減効果があるとした。

さまざまな技術を駆使することにより業界水準から約62%のTCOを削減可能 TCO削減効果の詳細

 同氏は、SOHOにおいてTCO削減のメリットは大きいと話し、より多くのSOHOユーザーに推進したいという。そこで、日本HPが持つすべてのチャネルを通して新製品を展開し、「より多くのユーザーがより簡単に購入できる体制を整えたい」とした。

□日本ヒューレット・パッカードのホームページ
http://www.hp.com/jp/
□ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-105.html
□関連記事
【5月16日】日本HP、カラー34ppmの高速カラーインクジェット複合機
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0516/hp1.htm

(2008年5月16日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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