CeBIT 2008現地レポート【NVIDIAマザーボード編】未発表チップセット搭載マザーが多数展示
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会期: 3月4日~9日(現地時間)
会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)
●Intelプラットフォーム向けのHybrid SLI対応製品
J&W Technologyのブースでは、NVIDIA「MCP7A」を搭載するというmicroATXマザーが展示された。MCP7Aは現時点で未発表のチップセットで、Intelプラットフォーム向けの製品となっている。
製品紹介ポップには「GeForce 8200/9200」を内蔵すると明記されており、すでに発表されているAMD向け統合型チップセットの「GeForce 8200」のIntel向けバージョンという位置付けになるようだ。2つのグラフィックコアの名称が記載されているが、後述するAMD向け製品同様、2つ以上のSKUが用意される可能性もある。
このMCP7Aを搭載した「JW-MCP7A-MAX」を見ると、チップは現行のGeForce 7150+nForce 630iと同様にワンチップのみとなっている。ヒートシンクは剥がされた状態で展示されていたが、ファンのないヒートシンクのみの追加で製品化されるという。
IOリアパネル部にはD-Sub15ピン、DVI、HDMI、コンポジットのディスプレイ出力系端子が備えられている。また、Hybrid SLIにも対応しており、GeForce Boost、Hybrid Powerともに使用可能とされている。
製品の登場時期も不明だが、具体的な製品仕様などはチップセットの正式発表を待ちたい。
MCP7Aのチップ。チップはA1リビジョンとみられ、エンジニアリングサンプルのチップである旨が記載されている | MCP7Aを搭載するJ&W Technologyの「JW-MCP7A-MAX」 |
製品紹介ポップには「Integrated GeForce 8200/9200 Graphics」の記載 | IOリアパネルにはD-Sub15ピン、DVI、HDMI、コンポジットの各端子を備えている |
●DDR3対応のハイエンドチップセット? 「nForce 790i」搭載製品も
同じく、NVIDIAのIntelプラットフォーム向け製品として、「nForce 790i Ultra SLI」を搭載したマザーボードも数多く展示された。いずれの製品もDDR3 SDRAMスロットを搭載してほか、3-way SLI対応を謳っていることから、nForce 780i SLIのDDR3 SDRAM版といった方向性のチップセットと思われる。
ちなみに、メーカーによってチップセット名が「nForce 790i Ultra SLI」と「nForce 790i SLI」とに分かれていたのだが、展示メーカーのブーススタッフによればSKUは2つ存在するそうで、Ultraが付くモデルが上位モデルになり、メモリがより高いクロックで動作可能になっているという。
いずれにしても、チップセットのノースブリッジ(NVIDIAの場合はMCP)にメモリコントローラを持つIntelプラットフォームでは、メモリ種別が異なるということは大きな変更を伴う。現行のnForce 780i SLIは、nForce 680i SLIにnForce 200を組み合わせた製品となっていた。
また、マザーボードメーカー各社が展示したnForce 790i Ultra SLIマザーには、nForce 200と思われるチップが存在していないのも大きな特徴。それでいて3-way SLIをサポートするということは、nForce 200相当の機能がMCP側に内蔵された可能性が高い。
ブランド的にはマイナーアップデートの感があるものの、nForce 790i Ultra SLIはまったく新しいチップセットと考えていいだろう。
とはいえ、nForceブランドのハイエンド製品らしく、オーバークロックに対するアピールはされており、ASUSTeK、FOXCONNの製品は「DDR3-2000」までのオーバークロックに対応するとしている。さらに、Corsairブースでは、実際にnForce 790i Ultra SLI搭載製品と見られるマザーボードを使い、DDR3-2133相当で動作させるというデモを実施している。
●GeForce 8200の上位モデル「GeForce 8300」搭載製品が登場
他方、NVIDIAのAMD向け次世代チップセットは、統合型チップセットと外付けビデオカードを組み合わせ利用するHybrid SLI機能とともに、1月7日に発表されている。しかし、そこで発表されていない「GeForce 8300」というチップセットを搭載した製品が、ASUSTeKとGalaxy Technologyのブースで展示されている。また、J&W Technologyではパネルでのみ、製品が告知されている。
Galaxy Technologyのブーススタッフによれば、“GeForce 8200のコードネームはMCP78Sで、MCP78Uと呼ばれるものがGeForce 8300になる”とのことで、今月中にも発表される見込みであるとしている。ブランド名からしてもGeForce 8200の上位モデルという位置付けであることは想像に難くないが、GeForce 8200と(PureVideoやHybrid SLIなどの)機能は同じで、コアクロックが高くなっているのが特徴という。
ASUSTeKのGeForce 8300搭載製品「M3N-H/HDMI」 | Galaxy TechnologyのGeForce 8300搭載製品「GeForce 8300/nForce 730a」 | J&W Technologyの製品紹介パネル。GeForce 8300を搭載する「JW-G83UM-PVHD+」が告知されている |
ちなみに、1月7日に発表されたAMDプラットフォーム向けNVIDIA製チップセットを搭載したマザーボードは、未だ発売がされていない。しかしながら、Cebit会場内では非常に多くの製品が展示されている。最後に、登場が待たれるこれらの製品を写真で紹介しておきたい。
●GeForce 8200
abitのGeForce 8200搭載製品「AN78G」。D-Sub15ピン、DVI、HDMIを備えるATX製品 | abitのGeForce 8200搭載製品「A-N78HD」。microATX製品でD-Sub15ピン、DVI、HDMIを備える | abitのGeForce 8200搭載製品「A-N78H」。A-N78HDの下位モデルでサウンド機能やIEEE1394など一部機能が省略されている |
●nForce 780a
FOXCONNのnForce 780a搭載製品「DESTROYER」。4本のPCI Express x16スロットを備える | GIGABYTEのnForce 780a搭載製品「GA-M780SLI-DS5」 | MSIのnForce 780a搭載製品「K9N2 Diamond」。チップセットクーラーにファンを搭載する |
●nForce 750a
ASRockのnForce 750a搭載製品「K10N750SLI-WiFi」。無線LANカード付属モデル | ASRockのnForce 750a搭載製品「K10N750SLI-110dB」。同社の2製品は、いずれもPCI Express x16スロットのレーン数をx8/x8、x16/x1へ切り替えるカードが搭載されている |
BIOSTARのnForce 750a搭載製品「TPower N750」。VRMクーラーとGPUクーラーを一体化したファン付きクーラーを装備して展示されている | J&W TechnologyのnForce 750a搭載製品「JW-NF750A-HYBRID」 |
●nForce 730a
J&W TechnologyのnForce 730a搭載製品「JW-NF730A-HYBRID」 |
□CeBITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
【1月8日】【CES】NVIDIA、Hybrid SLI技術を正式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0108/ces03.htm
(2008年3月7日)
[Reported by 多和田新也]