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CeBIT 2008現地レポート【NVIDIA編】

未発表GPU「GeForce 9800 GX2」搭載製品が展示
~DisplayPortをネイティブサポートする謎のGPUも

会期: 3月4日~9日(現地時間)

会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)



●NVIDIA製品では久々のデュアルGPUビデオカード

 昨年(2007年)のCeBITでは、当時、NVIDIAが発表していなかった製品コードネームG86/G84を搭載するビデオカードが展示されたことが話題となった。今回のCeBITでも、NVIDIAの未発表GPU「GeForce 9800 GX2」を搭載するビデオカードがAlbatron、Galaxy Technology、Inno Visionのブースで展示されている。

 GeForce 9800 GX2は、2006年6月に発表されたGeForce 7950 GT以来、NVIDIAにとっては久々のデュアルGPUビデオカードとなっている。Inno Visionのブースでは、詳しいスペックが掲載されたシートも展示されており、製品の詳細を知ることができる。

 そのシートによれば、チップは65nmプロセスで製造され、各動作クロックは(コアクロック)600MHz、(シェーダクロック)1,625MHz、(メモリクロック)2,000MHzとなっている。そして、GPU 1個当たりのStreaming Processor数が128個で、計256個。メモリインターフェイスは1GPUあたり256bitとなるようだ。

 電源端子は6ピンと8ピン端子を装備。SLI端子も備えており、Inno Visionの製品紹介シートにもある通り、2枚のGeForce 9800 GX2を利用したSLIを構築することもできる様子。Quad SLIを構築するための製品が久々にアップデートされる、という見方もできる。

 外観は各製品ともほぼ共通しており、ビデオカード全体を覆うようなスリット入りの化粧カバーに覆われたデザインになっている。おそらく、これがNVIDIAのリファレンスデザインなのだろう。また、ブラケット部にはDVI端子×2に加えて、HDMI端子を備える点も共通している。

 製品の登場時期は明言されなかったが、Radeon HD 3870 X2の登場で再燃するデュアルGPU製品だけに、その正式発表を待ちたい。

Albatronが展示したGeForce 9800 GX2搭載製品 GALAXY TechnologyのGeForce 9800 GX2搭載製品 Inno VisionのGeForce 9800 GX2搭載製品

Inno Vision製品のスペックシート。各動作クロックやシェーダユニット数などの情報が掲載されている。また、上部には同製品を2枚使用したSLIの写真も ブラケット部にはDVI×2のほか、HDMI端子を備えている ちょっとわかりにくい写真だが、奥に8ピンと6ピンの電源端子、その脇にS/PDIF入力端子を備える。また前方にはSLI端子を備えるが、端子はむき出しになっておらず、使用時に取り外せるカバーで覆われている

●ZOTACがDisplay Portネイティブサポートの“ローエンドGPU”

 ZOTACのブースでは、Display Linkの技術デモを実施しており、そのデモ機では興味深いビデオカードが使用されていた。

 ブラケット部にミニD-Sub15ピン、DVI、Display Linkの3つのコネクタを備えたビデオカードで、製品名については一切ノーコメント。「Display Portを内蔵した、NVIDIAのローエンド向けGPU」とのことだ。GeForce 9600 GTよりもさらに安価な製品となり、まずはOEM向けに提供されるという。このデモはフェイクではなく実際に稼働しているもの、とのことで2~3カ月以内には製品を披露できるとした。

 ちなみに同社のブースでは、GeForce 8800 GTを利用したDisplay Port対応ビデオカードを展示。こちらは、GPUの外部チップを用いてDVI(TMDSリンク)からDisplay Portへ変換する仕組みで実現した製品とのこと。ただし、プロトタイプのサンプル品とのことで、製品化はDisplay Portの普及を見てということになる。

ZOTACで実施されたDisplay Portのデモ。使用されているビデオカードは「ローエンドのDisplay Port対応GPU」で、NVIDIAが将来的に発表を予定している製品のようだ こちらは外部チップを用いてDisplay Portを装備した、GeForce 8800 GT搭載製品

●GeForce 9600 GT搭載製品はバリエーションも豊富に

 ここまでは、将来的に発表される見込みの展示物を紹介したが、2月21日に発表されたばかりのGeForce 9600 GTを搭載した製品は、非常に多くのベンダーが展示を行なっている。

 日本国内でも、オリジナルクーラー搭載製品やオーバークロック製品は登場していたが、CeBIT会場ではファンレスやメモリ増量製品なども展示されており、メーカー独自の工夫が織り込まれやすいメインストリーム向け製品らしさが感じられる状況だ。

 また、いまや旧世代のメインストリーム向けGPUとなったGeForce 8600 GTを搭載したPCI接続ビデオカードをAlbatronが展示。第2世代のPureVideo HDを備える同GPUを使い、HDMI端子装備&ロープロファイル準拠というスペックを持たせている。古いPCを蘇らせるソリューションとして面白い製品だ。

ASUSTeKの「EN9600GT SILENT/HTDI/512M」。同社が“V-COOL”と呼ぶ大型ヒートシンクを搭載することで、ファンレスを実現したGeForce 9600 GT製品。製品の動作クロックなどはリファレンスに準拠する AlbatronのGeForce 9600 GT搭載製品「9600GT-1GX」は、リファレンスデザインを踏襲したままビデオメモリを1GB化した製品 Jetwayの「N96GT-EN-2GM-A」、「N96GT-EN-1GM-A」は、2GBと1GBのビデオメモリを搭載する製品がラインナップされるGeForce 9600 GT搭載製品で、GeForce 8800 GTS 512MのGPUクーラーを利用しているのも特徴

MSIの「N9600GT-MTD2G」も2GBのビデオメモリを搭載する製品。Zalman製のGPUクーラーを搭載する Albatronの「8600GT-256XL」は、GeForce 8600 GTを搭載したPCI接続ビデオカード。ロープロファイルの1ブラケット分にDVIとHDMI端子を備えているのも特徴

□CeBITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/

(2008年3月5日)

[Reported by 多和田新也]

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