インテル、x86利用分野の拡大を訴求
2月21日 開催 インテル株式会社は21日、都内でプレス向けの「インテル クライアント・レギュラー・アップデート」を開催し、現在の活動や取り組みなどについて説明した。 冒頭で同社 代表取締役共同社長 吉田和正氏は、「当社は2008年、日本国内において、半導体、ヘルスケア、TVや家電の各分野において、“明るいニュース”を提供していくことを目指したい」と述べ、各分野へのIA(Intel Architecture)の進出への意気込みを語った。 2008年の具体的な活動内容としては、半導体面では、45nmプロセスを軸にしたプロセッサ製品展開で、消費電力を抑え環境に配慮する。さらに、MID(Mobile Internet Device)向けプロセッサの開発、およびWiMAXのインフラの構築などにおいて強力にサポートしていきたいとした。 ヘルスケア方面では、14日に発表した患者会活動に対してのITによる支援を開始したことをアピール。タッチパネルとペン操作によるユーザービリティに配慮したCentrino搭載PC、および患者会向けサービス「アラカイネット」の提供について言及した。 一方TVや家電について吉田氏は、「本日、株式会社クイックサン、株式会社ドリームボード、および株式会社フェイスとの共同開発によるデジタル・コンテンツ配信の新ソリューションを発表する」と話し、ソリューションのデモンストレーションを行なった。
デモでは、クイックサンが開発したTVを利用し、Yahoo!のサイトを「7ch」として割り当てるともに、ホームページのハイパーリンク部に自動的に番号を割り振ることで、リモコンからその番号を押すリンク先に飛べることをデモ。「TVとインターネットのシムーレスな切り替えを実現した」とアピールした。 また、携帯電話で購入したコンテンツのライセンス情報を、赤外線を通してTV側に移し、フェイスが開発したライセンス認証/課金サーバーを通じて、ドリームボードが提供する高画質コンテンツをTVへストリーミング配信するデモを披露し、「携帯電話とTVとインターネットの融合」を強調した。 吉田氏は、「現在TVにインターネットを取り込む“アクトビラ”があるが、彼らの機能は“TVとインターネットの切り替え”であって、決して“シムーレス”とは言えない。我々が開発した機能のほうがシムーレスであり、ユーザーインターフェイスとしての完成度が高い」と優位点をアピールした。
●Silverthorneのダイサイズは“ひまわりの種”程度
続いて、同社技術本部 技術部長 土岐英秋氏が、現時点においての製品展開を説明。 まずは19日に発表した「デュアルソケット Extreme デスクトップ・プラットフォーム」(コードネーム:Skulltrail)について言及。合計8コアのCPUとNVIDIA SLI/ATI CrossFireをドライブできることを強調。既存の最速プラットフォームと比較して最大約1.5倍の性能を実現できるとし、「高価ではあるが、最高の性能を手に入れたいユーザーに最適」とアピールした。 一方、第2四半期に登場予定の低消費電力IAプロセッサ「Silverthorne」については、デュアル・インオーダー・パイプライン発行というHyper-Threadingに似た技術を搭載し性能を向上させるとともに、Core 2 Duoとのバス互換性を持たせ、Dothanの10分の1以下の消費電力を実現するなどの特徴を説明した。 特にSilverthorneで低消費電力を実現するにあたっては、Deep power downと呼ばれるC6ステートの追加、アイドル中にVCCからの電源供給をカットできるレジスタセルの最適化、FSBの低消費電力化、およびI/O部の電源ラインの2系統化などの技術を盛り込み、「MIDに最適なプロセッサを実現した」と語った。 Silverthorneのダイサイズについては、「本日この場に持ってきたかったが、間に合わなかったため、ほぼ同じサイズであるひまわりの種を用意させていただきました」と述べ、会場の笑いを誘うとともに、その小ささをアピールした。 また、次期デスクトップ向けCPUコアである“Nehalem”については、4月に中国・上海で開催するIDFにて詳細を明らかにするとした。
●デスクトップは「Core 2」、ノートは「Centrino」を強調するブランドへ
最後に、同社 マーケティング本部長 江田麻季子氏が、同社のブランド展開やキャンペーンについて説明した。 ブランドについては1月より改訂を行なった。デスクトップ向けのViivやvProについては、「Viiv テクノロジー インテルCore 2 Duoプロセッサー」、「vPro テクノロジー インテル Core 2 プロセッサー」に変更。デスクトップPCではCPUブランドのほうが良いイメージが強いため、いずれもCore 2ロゴを前面に打ち出したシールになる。 一方モバイル向けのCentrinoとCentrino Duoは「インテル Centrino プロセッサー・テクノロジー」に統合。そしてCentrino Proは「vPro テクノロジー インテル Centrino」に変更。ノートPCではプラットフォームブランドの方が知名度が高く、いずれもCentrinoを強調したシールだ。 また、ラグビー・トップリーグのサントリー サンゴリアスへのスポンサーについても言及。公式ユニフォームにIntelのロゴを入れるとともに、今後さまざまな活動をコラボレートし、展開していくという。 コンシューマ向けイベントとしては、福岡ソラリアターミナルビルの1階、ライオン広場において、ユーザー参加型PC体験イベントを3月29日~30日に開催。イベントでは、モバイルPCの便利な利用方法や、シニア層が簡単に楽しめるPC環境、携帯電話とPCを使った楽しみ方などを紹介していくとした。
□インテルのホームページ (2008年2月21日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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