JEITAら、省エネ/環境問題に取り組む「グリーンIT推進協議会」を発足
2月1日 開催 社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)とIT/エレクトロニクス関連の業界団体/企業は1日、「グリーンIT推進協議会」を発足した。 この協議会は、日本政府が地球温暖化対策の一環として取り組んでいる、2025年にCO2排出量の半減を目指す「CoolEarthエネルギー革新技術計画」と連動したもの。環境負荷低減のための啓発活動、世界各国の同様のビジョンを持った団体との連携による協力体制の構築、開発すべき革新技術の提案、IT/エレクトロニクス技術による省エネ効果などの調査/分析などの活動を設立目的としている。
1日に開催された発足式では、冒頭、経済産業大臣の甘利明氏が挨拶を行ない、「今年は7月に洞爺湖でサミットが開催される予定だが、このサミットのテーマはご存知の通り、環境対策。そのため福田総理も、環境問題に対しては日本が取り組むべき重要なテーマと掲げている。IT/エレクトロニクス技術の進展は我が国にとっても欠かせないものではあり、こうした機器のメーカー各社が協力して環境負荷軽減のための新技術開発に取り組むというのは非常に喜ばしいこと。できれば、サミットまでに1つの成果をあげて欲しい」と期待を寄せた。 その後、参加者に対し正式に協議会の発足への賛同が求められると、拍手で賛同の意が示された。協議会会長には、発起人の1人であるJEITA会長 町田勝彦氏(シャープ 代表取締役会長)が選出された。
町田会長は、「エネルギー問題は、産業界にとって最大の課題。特に産業成長に欠かせないIT/エレクトロニクス産業では、関係者が統一的な取り組みによって環境負荷低減に取り組む必要がある。当協議会には、広範囲な会員が参加を表明しており、この問題への関心の高さがうかがえる。今年は、サミット開催など環境問題における節目の年であり、その年に当協議会が発足できたのは喜ばしいこと」と、さまざまな立場の人が参加する協議会の意味を訴えた。 副会長には、重電/原子力/白物家電などのメーカーが参加する社団法人 日本電機工業会(JEMA)会長の庄山悦彦氏(日立製作所 取締役会長)、通信キャリアが参加する情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)会長の矢野薫氏(NEC 代表取締役執行役社長)、コピーやFAXなどオフィス機器のメーカーが参加する社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)会長の前田義廣氏(東芝テック 取締役社長)、大手システムインテグレーターが参加する社団法人 情報サービス産業協会(JISA)会長の浜口友一氏(NTTデータ 取締役相談役)、情報システムを活用するユーザー企業が参加する社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)会長の河野俊二氏(東京海上日動火災保険 相談役)を選任。それぞれの立場で挨拶を行なった。 オブザーバーとして協議会に関わる産業技術総合研究所の吉川弘之理事長は、「省エネとは何かをあらためて考えてみると、削減した分のエネルギーは新たにエネルギーを生み出したに等しい。日本発の省エネ製品を世界各国に販売していくことが実現すれば、日本は新しいエネルギー輸出国にもなり得る。現在の排出権とは違う、新しい価値商品を生み出すことに通じる」と省エネ対応製品開発の意味を強調した。
日本が議長国を務める7月の洞爺湖サミットでは、地球温暖化対策が主要課題に挙げられている。'97年の地球温暖化防止京都会議で策定された「京都議定書」の「ポスト京都」実現に向けた道筋を示す必要があることを考慮し、グリーンIT推進協議会は、洞爺湖サミット支援を協議会の当面の重要活動とした。 それ以外にも、以下のような取り組みの実施を計画している。 ・電子/情報技術の環境への貢献、環境/IT経営の啓発/普及 協議会の運営体制としては、啓発活動や情報発信を行なう「普及啓発委員会」、技術ロードマップの策定、確信技術の提案などを行なう「技術検討委員会」、環境負荷軽減のための定量的調査/分析、将来の経済/活動予測を行ない、電機/電子温暖化対策連絡会と連携する「調査分析委員会」の3つの委員会を、実際の活動グループとして設定。その上部組織として協議会の運営及び事業の実施に必要な事項を審議し、決定する「政策委員会」、「運営委員会」を設立。事務局はJEITA内に設置する。 活動予定としては、2~3月中に第1回政策委員会を開催し、2月以降は各委員会での作業を実施。5月下旬に「グリーンIT国際シンポジウム」を開催予定で、4月の第2回政策委員会では、シンポジウム開催に向けた対外発信を行なう。7月の洞爺湖サミットでは、「環境ショーケース」に協議会として参加を予定している。 □JEITAのホームページ (2008年2月4日) [Reported by 三浦優子]
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