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DEMO 08レポート【コンシューマ向けサービス編】

Symantecがペアレンタルコントロールソフトのコンセプトを紹介

Symantec Research LabsのGerry Egan氏

会期:1月28日~30日(現地時間)

会場:Desert Springs, A JW Marriott Resort & Spa, Palm Desert



●柔軟な設定が可能なSymantec「Symantec Family Safety Initiative」

Symantec Family Safety Initiativeのトップ画面

 Symantecがデモを行なったのは、同社が開発中のペアレンタルコントロールソフトウェア「Symantec Family Safety Initiative」だ。PCの存在が家庭のなかで当たり前になって、幼児/児童のうちからPCに触れるのが珍しいことではなくなった。こうした状況のなかで子を持つ親としてはインターネット環境のペアレンタルコントロールの重要性を意識せざる得ず、これまでさまざまなソリューションが提供されている。

 登壇したEgan氏は、今回Symantecが紹介したソフトウェアの特徴について“厳しすぎては使用に弊害が出るが、緩すぎては意味がない”とし、柔軟に設定を決めることができることを最大のポイントに挙げている。また、この設定は子供が何を求めるかをはっきりと理解して決めるべきであるとしており、その意味でも“両親のためのソフトウェア”としている。

 ソフトウェアの機能としては、まず子供ごとにアカウントを登録し、プロファイルを作成。このプロファイルはソーシャルネットワークの年齢制限などのチェックに利用されたりする。

 このほか、インターネット使用時間を制限する機能や、インスタントメッセンジャーのユーザーリストから信頼できる人、そうでない人を4段階に設定。非信頼者リストに登録されたユーザーとのメッセージのやり取りをブロックする機能も備えている。もちろん、Webブラウズのブロックも可能で、統合的なペアレンタルコントロール環境を整えるソフトウェアといえるだろう。

 ただ、このSymantec Family Safety Initiativeは製品化が決まっているわけではなく、現時点ではコンセプトを示したに留まるという。今後、マーケットリサーチなどを積み重ねて製品化の可能性を探っていくことになるが、3月中旬を目処にβ版を公開。1,000人程度のパブリックβユーザーを募って、意見を聞きたいとしている。

ユーザーアカウントごとにWebブラウズ、インスタントメッセンジャー、ソーシャルネットワーク、使用時間の各項目に対する細かな制限を施せる インスタントメッセンジャーの制限例。対象ユーザーアカウントのIMツールに登録されているユーザーリストを基に、ユーザーの信頼度を指定 非信頼者リストに登録されたユーザーとのやり取りはブロックされる

●PCのヘルスチェックを行なうソフトウェア

 このSymantecがデモを行なったのは、「AT YOUR SERVICE」というセッションの中であったが、このセッションの前半ではカスタマーサポートに関するデモが続けて行なわれた。ここでまとめて紹介しておきたい。

 個人向けのリモートサポートサービスなどを手がけるSupport.comは、PCのヘルスチェックを行なうツール「PC Health Check」のデモを行なった。多数のユーザーがPCのトラブルに見舞われるなか、その問題がどこにあるのかを把握するのは難しい。PC Health Checkは、実行したPCの状態をチェックしてトラブルが起こりうる箇所をリストアップ。その内容をもとにサポートへ相談できるというものだ。やはり個人では難しいトラブルの予兆検知にも役立ちそうである。

 使い方もきわめて簡単でソフトウェアは同社のサイトから無料でダウンロード。メールアドレスの登録だけで使用することができる。検知項目は「パフォーマンス」、「セキュリティ」、「ハードウェア」にカテゴライズされて安全度を表示。各カテゴリからさらに詳細な情報を確認することもできる。ハードウェアからソフトウェアまで網羅的にチェックできる。

 このソフトウェアはダウンロード、利用ともに無料となっており、その後のリモートサポートで収益を上げるビジネスモデルとなっている。

PC Health Checkのトップ画面。メールアドレスの登録だけでチェックを実行できる 1分足らずのスキャンで、各カテゴリの状況が表示される
結果表示画面をスクロールすると、さらに詳細な結果と解決策を確認可能。画面では、インターネットキャッシュを削除することで80MBのディスクスペースを確保できることが提案されている OSやソフトウェアだけでなく、パフォーマンス問題の解決に向けたハードウェアのチェックも行なえる

 Pathworks Softwareが行なったデモは、企業のカスタマーサポートに利用するための「HELP STREAM」と呼ばれるWebアプリケーションである。

 検索バーに質問を入力すると、サーバー上のナレッジデータベースや、併設するQ&Aコミュニティ、Web全体からの検索を網羅的に行なうことができる。カスタマーサポートに求められる一連のWebシステムをアプリケーション化したもので、そのアプリケーションは、“ケースマネージメント、コミュニティコラボレーション、ナレッジデータベースを1つにしたもの”としている。

 このWebアプリケーションはフリーで提供され、同社のビジネスモデルとしては広告、画面のカスタマイズや契約サービスなどで賄われる。

 そもそも企業にとってカスタマーサポートというのは、直接の収益が少ないわりにコストがかかる業務で、ここを効率化したいというニーズは高い。ナレッジデータベースに加えて、一般ユーザーのコミュニティを利用することで、サポートのコストを抑えようというアプリケーションである。

Pathworks Softwareが提供するHELP STREAMを利用したWebページ例。コミュニティ、ナレッジベース、ケースマネージメントを1つにまとめたアプリケーションであり、上部に各メニューが表示されている ナレッジやコミュニティなどさまざまな方向性の解決策を、網羅的に検索することができる

 SupportSpaceもWebベースのカスタマーサポートサービスのデモを実施した。やはりWebの一般ユーザー同士のコミュニティを形成してサポートを行なうというスタイルだが、そのシステムには「Certified Experts(認定上級者)」制度という特徴がある。

 SupportSpaceでは各種分野に精通したエキスパートユーザーを認定。利用者はトラブルや問い合わせ内容を検索すると、その分野に秀でたエキスパートユーザーが表示されるという仕組みだ。利用者は任意のエキスパートユーザーへコンタクトし、リモート管理を含むユーザーサポートを受けることができる。

 この方式もコスト面でのメリットは大きいようだ。このエキスパートユーザーは、あくまで非社員である。しかし、認定制度によって一定以上の技術力を持つ人しか選ばれない。つまり、高い技術力を持つユーザーに限ってアウトソーシングしているような格好となっており、カスタマーサポートにおける大きな負担となる人件費の抑制を行なっているわけだ。Webを使ってカスタマーサポートのコストを抑制しようというアプローチは先述のPathworksと同様だが、SupportSpaceは現在の企業におけるサポートの仕組みに近いスタイルといえる。

SupportSpaceのサポートサイトの特徴は、Ceertified Expertsを認定することにより、高い技術力を持つ人と、個人ユーザーを結びつけるところにある 質問を入力してヒットしたエキスパートにコンタクト。支払い額などを事前に打ち合わせして、合意したらサポートが開始される
ユーザーサポートソフトウェアの画面。チャット画面のほか、下部にあるアイコンから、さらに直接的なサポートを受けることができる これはファイルマネージメント画面で、必要に応じてユーザーのHDDへファイルをコピーしたりできる。このほか、ユーザーのデスクトップ画面をリモート操作するデスクトップシェアリング機能も備えている

□DEMO 08のホームページ(英文)
http://www.demo.com/conferences/demo2008.html

(2008年2月1日)

[Reported by 多和田新也]

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