DEMO 08カンファレンスレポート PCと同等の高機能ケータイ用ブラウザ「Skyfire」
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Skyfire CEOのNitin Bhandari氏 |
会期:1月28日~30日(現地時間)
会場:Desert Springs, A JW Marriott Resort & Spa, Palm Desert
Skyfireは、同名の携帯電話向けフル機能ブラウザを発表した。現在、ベータテスト中で、一般からテスターを募っている。現時点での対応OSはWindows Mobileで、製品化後も無償で提供される予定。
Skyfireは、PC向けブラウザと全く同じレベルの機能性とスピードを追求して開発された製品。現在、携帯電話でWebブラウジングをする方法は、標準のブラウザで携帯電話専用のサイトにアクセスするのが一般的だが、こういったサイトはPC向けサイトに比べ、表現や機能が大きく制限される。PCブラウザに近いフルブラウザ機能を持つものもあるが、それでもFlashやJavaなどには対応しておらず、サイトの全ての機能を利用することはできない。
Skifireは追加でインストールするブラウザソフトで、Flash、Java、AJAXなど、現行のPCブラウザが持つ全ての機能を搭載しているという。そのため、YouTubeなどのストリーミングビデオやオーディオから、最新のSilverlightまで、あらゆるコンテンツを楽しむことができる。
画面の縮小機能や、等倍表示時のスクロール機能も持っているので、解像度の小さい携帯電話でも全画面を見られるようになっている。
コンテンツのダウンロードやページのレンダリングの高速性も特徴の1つとしており、PCと同等の反応速度が得られるとしている。日本では数Mbpsクラスの転送速度も普及しつつあるが、アメリカの端末はまだ数十Kbps程度しかなく、プロセッサの処理能力も低い。しかし、Skyfireのデモでは、YouTubeのビデオもPCで見ているのと同じ画面レイアウト、同じフレームレートで再生していた。
この技術の秘密は、クライアントだけでなくサーバーサイドでかなりの処理を行なっている点にある。細かいところまでは教えてもらえなかったが、基本的にSkyfireでサイトにアクセスすると、一旦その情報を同社のサーバーに転送し、コンテンツの解像度やビットレートを携帯電話に最適化した上で端末に転送している。
なお、今後しばらくは慎重にベータテストを続けていくため、製品化の時期は全くの未定という。
□Skyfireのホームページ(英文)
http://www.skyfire.com/
800 PBXが発表した「800 Genie」というサービスは、携帯電話に限らないが、電話を使って各種Webアプリケーションを利用するというものだ。
具体的な利用方法としては、800 Genieの番号に電話をかけ、暗証番号を入力。すると、Gmailなど登録しておいたメールアドレスに届いた新着メールを合成音声で読み上げる。読み上げが終了すると、返信をするか音声で尋ねられるので、「Yes」と声で答えると、返信モードになり、同じく音声でメール本文を入力できる。
このほかにも、天気予報、交通情報、eBayオークション、飛行機の運航情報、ニュースなど登録したサービスの情報を音声で聞き、必要に応じて音声でコマンドを発行できる。
インターネットが利用できる地域の広さやホットスポットなどは増加の一途だが、電話が利用できる地域と比べるとまだ雲泥の差がある。ネットが繋がらないところでいざというときに、メールの送受信ができるのは非常に便利なサービスといえるだろう。
製品デモを行なう800 Genie創業者兼CEOのManohar Chapalamadugu氏 | ユーザー登録をして、利用するサービスを設定しておくと、電話を使って音声だけでメールなどのサービスが利用できる |
□800 PBXのホームページ(英文)
http://800genie.800pbx.com/
□DEMO 08のホームページ(英文)
http://www.demo.com/conferences/demo2008.html
(2008年1月31日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]