日本HP、「デザイン」を前面に打ち出した
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1月24日 開催
日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は24日、個人向けデスクトップPC/ノートPC「HP Pavilion」シリーズ春モデルを発表。これに合わせて都内でプレス向けに発表会を開催した。製品の詳細な仕様などについては、関連記事を参照されたい。
●速さ、美しさ、そしてタッチ
山下淳一氏 |
冒頭では、パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 本部長 山下淳一氏が挨拶。世界規模での出荷台数について「HPは5四半期連続で出荷台数No.1となり、比率は20%を占めた。これは、世界のPCのうち5台に1台がHP製ということだ」とビジネスの好調さをアピールした。
日本HPは、2006年6月にコンシューマ向けモデルの販売を再開。その後、同社のシェア推移は順調と語り、躍進の原動力として、Pavilionで取り入れた新デザインを挙げた。その後、2008年のコンセプトとして「速さは美しさの中に。」を掲げ、速さとは、アーキテクチャやスペック、コストメリットを含む総合的なパフォーマンスと説明。そして「美しさは、所有する喜びにつながる」と訴えた。
HPの財務状況。パーソナルシステムズグループが全体の3分の1を占める | 5四半期連続で出荷No.1。2位に10ポイントの差 | 「速さは美しさの中に。」が2008年のメッセージ |
このほか、今後の展開として、“タッチ”をキーワードに解説。「タッチインターフェイスは人の感性とマッチして、PDA、ゲーム機、MP3プレーヤーなどで広く普及した。一般的には、銀行のATMなどでもタッチ画面が使われている。コスト面などの問題もあり、今までPCという分野では“タッチ”はなかなか普及しなかったが、Windows Vistaでのサポートにより、そのハードルは下がりつつある。我々は、求めやすい価格で“タッチ”を提供できる」と語り、2007年より販売中のTouchSmart PCをアピール。「コンシューマ向けモデルにタッチ機能を付加することで、ユーザーに新しい可能性を提供する」と訴えた。
タッチは人間の感性に合い、広く普及したインターフェイス | TouchSmart PCを実際に“タッチ”できる展示を展開 |
●3種の新しいデザインを取り入れたノートPC
菊池友仁氏 |
PavilionのノートPCは、「ZEN-design」と呼称する、独自の和風プリント模様を取り入れているのが特徴。昨年までは「samon」(砂紋)、「shizuku」(雫)、「sekkei」(雪景)を展開していたが、春モデルでは「hibiki」(響き)、「mebae」(芽生え)、「ibuki」(息吹き)の3デザインが新たに用意される。
パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 菊池友仁氏は、新デザインのコンセプトを紹介。hibikiは音や影響の広がりを、mebaeは大地から草木が芽吹く様を、ibukiはエネルギーが一気に吹き出る姿を表現したという。
tx2005/CTに採用された「hibiki」。円の組み合わせと波紋のようなデザイン。パームレスト側も同様にデザインされている |
dv6700/CTと「mebae」の組み合わせ。ポインティングデバイスに模様がプリントされている |
dv2705/CTと「ibuki」。パームレスト上の模様は、ポインティングデバイスまでつながっている |
BTOで選択可能なデザインバリエーション |
菊池氏は、「以前、“HPではカラーバリエーションモデルは展開しないのか”と質問されたが、私はその時“カラーバリエーションは大事だが、近い将来デザインバリエーションが求められるだろう”と答えた。今回登場した春モデルではBTOメニューによりデザインが選択可能だ。我々はユーザーのニーズを先取りし、提供した」と、先進性をアピールした。
製品はファッションショー風の紹介が行なわれ、モデルと共に登場。モデルのファッションは、それぞれ日本HPがターゲットとするユーザー層をモチーフにしたという。
チョイ悪オヤジ風、OL風など、ターゲット層をイメージしたモデルとPavilionノートの組み合わせをアピール |
次に、日本写真印刷株式会社の谷口哲也氏が登壇し、PavilionノートPCで採用された転写技術「Nissha IMD」を紹介した。Nissha IMDは、特殊なフィルムに箔などで模様を描き、金型で筐体部分のプラスチックを成型する際に、同時に転写するというもの。多様なデザインに対応可能で、同時に耐摩耗性コーティングも行なわれるため、長期使用による模様のはげやこすれなどに強いとした。
日本写真印刷株式会社 谷口哲也氏 | 図解によるNissha IMDの解説 |
●デスクトップはよりリーズナブルに
中原和洋氏 |
デスクトップPCは、コンパクトな筐体を採用した「s33xx」と、省スペースデスクトップ系筐体を採用した「v73xx」、そしてオールインワンモデルのTouchSmart PCの3ラインが用意される。
日本HP パーソナルシステム事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 プロダクトマーケティング マネージャ 中原和洋氏は、同社のデスクトップPCを指して、「セクシー&エレガント」と表し、「1つ目はピアノブラック塗装の筐体、2つ目は丹念に仕上げたフォルム、3つ目は見た目だけではないユーザビリティ」と、3つのポイントを挙げた。
また、アンケート結果により、7割のユーザーが満足度1位として「デザイン」と回答したことを取り上げ、同社製品におけるデザイン面のアピールの強さを訴えた。
もう1つの訴求点となる価格については、「s3320jp/CTは最小構成で49,980円、デュアルコア搭載モデルでも59,850円から用意した」と語り、求めやすさを追求したと述べた。
ユーザーアンケートで7割が「デザインに満足」と回答 | ラインナップと最小構成 | TouchSmart PCもよりリーズナブルに |
□日本ヒューレット・パッカードのホームページ
http://www.hp.com/jp/
□ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-040.html
□関連記事
【1月24日】日本HP、個人向けノートPCの春モデル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0124/hp1.htm
【1月24日】日本HP、PhenomやBD/HD DVDドライブを搭載できるデスクトップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0124/hp2.htm
【2006年6月2日】日本HP、個人向けPC市場に本格参入
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0602/hp.htm
(2008年1月24日)
[Reported by ishid-to@impress.co.jp]