DS2、理論値400Mbpsを実現するPLC技術をデモ
1月24日(日本時間) 開催
PLCのUPA規格の策定を行なうスペインのDesign of Systems on Silicon(DS2)は24日(日本時間)、都内で記者説明会を開催し、理論値400Mbpsを実現するPLC(Power Line Communication)技術をデモした。 DS2はこれまで、転送速度が最大200Mbps(理論値)のUPA規格を策定してきた。200Mbps UPA規格に対応する機器はバッファローやロジテック、ネットギアなど各社から既に発売されているが、今回の技術はそれらの2倍となる転送速度を誇る。 400MbpsのUPAは、利用する周波数帯幅を従来より広く取ることで、転送速度向上を図る。なお、現時点では米国ではFCC規格に適合するため利用可能だが、日本国内では不明としている。最初のサンプルチップ提供は2009年半ば、量産は2009年末を予定。 下位互換性が保たれており、200Mbps対応品と400Mbps対応品間の接続が可能。また、TR-069規格を標準でサポートしており、リモート制御による機器のファームウェアアップデートやリンクスピードの監視などが可能。さらに、従来と比較して携帯電話からのノイズ干渉を抑えられるようになり、転送速度が向上したという。 技術説明をした同社 代表取締役社長兼最高責任者のホルヘ・ブラスコ・クラレット氏は、「ブロードバンドの普及によって、インターネットによる音楽配信や映画配信などのサービスが普及した。さらに、IPTVサービスも始まっている。そこで重要になるのは家庭内ネットワークの帯域幅であり、一般的な家庭では最低60Mbps確保しなければいけないだろう」とした。
それらを踏まえ、「同社が現在提供している200MbpsのUPAは、実測60Mbpsと性能が高く、これらのニーズに応えられているが、今後は高精細/大容量コンテンツの普及により、さらに高い帯域幅が必要になってくる。400MbpsのUPA規格はその先を見据えた技術だ」とアピールした。 デモでは、試作機2台間の通信を行ない、TCP/IPプロトコルの転送速度をグラフ化したものを披露。400MbpsのUPAでは実測250Mbps前後の高い数値をマークした。また、200Mbps製品では100Mbps前後になることを示し、HomePlug AVとHD-PLC規格を比較して高い実効速度が得られていることをアピール。IEEE 802.11nと比較して転送速度が安定していることもあわせて紹介した。 また、100MbpsのPLCチップセット“Montgo”「DSS8101」と「DSS7800」も紹介し、5.55ドルの低価格でPLCを実現するとした。サンプル出荷は2008年の第1四半期、量産は2008年第2四半期を予定している。
□DS2のホームページ(英文) (2008年1月24日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
|