日本IBM、東京基礎研究所の取り組みを紹介
10月25日 開催 日本アイ・ビー・エム株式会社は25日、東京基礎研究所でプレス・セミナーを開催し、同所の取り組みを紹介した。 同社 執行役員兼東京基礎研究所 所長の丸山宏氏が説明を担当した。
東京基礎研究所(Tokyo Research Laboratory, TRL)は、世界に8つあるIBMの研究拠点の1つ。IBMの研究部門には約3,000人が所属し、そのうち約200人がTRLに所属している。'82年にJapan Science Instituteとして東京の三番町に設立され、'86年に東京基礎研究所に名称を変更、'93年には現在の大和へ移転した。2007年で25周年を迎える。 同所の研究分野は、光インターコネクトや3次元集積技術などを含むマイクロデバイスや、Java向けコンパイラなどのシステム、その他ソフトウェア、Cell Broadband Engineを利用した特定用途の組み込み向けシステムなど、多岐に渡る。各研究拠点の担当は、その地域の顧客やパートナーの存在、研究員のスキルなどによって決定されており、一例として日本はJavaの市場や組み込み部材の優秀さなどがあるという。 また研究はグローバルな協力体制で行なっており、その例として60GHz帯のミリ波を利用した無線伝送技術を紹介。ミリ波RF技術やFPGAへのパッケージ技術をWatson研究所が、高速/高信頼性のデジタルベースバンド技術をTRLが担当し、2GbpsでのHDTV映像の非圧縮リアルタイム伝送を実現したという。
そのほか、同所の取り組みの例として、テキストマイニング技術を紹介。テキストマイニング技術は、文書データに統計的なパターン処理やデータ解析を施すもの。たとえば車の事故データを利用した場合、事故原因の増加や原因を統計的に分析し、事故の原因となっている車種やパーツの推測が可能になる。同ソフトは、コールセンターなどの利用を想定し、既に製品化されている。 丸山氏は、「お客様との議論の中で使い道が出てくる、それが発展につながる、それがイノベーション。たとえば我々は自然言語処理に強い技術を持っている。それに25年の技術の蓄積、それを利用することで起きたイノベーションがテキストマイニング」と開発経緯を語る。 そのほか、音声認識による字幕/音声編集システムや、不可視なバーコード技術、コンテンツ内容に応じた広告選択技術などを紹介した。 □日本アイ・ビー・エムのホームページ (2007年10月26日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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