メルコ、2007年上半期は純利益半減
10月25日 発表
株式会社メルコホールディングスは25日、2007年上半期(4~9月期)の中間決算を発表した。これによると、売上高は前年同期比7.3%増の668億6800万円、純利益は53.4%減の9億2,300万円となった。 大幅な減益の原因には、2006年上半期はワンセグチューナー“ちょいテレ”のヒットで好調だったこと、バッファローコクヨサプライ設立にともなう棚卸し資産などの整理、海外展開の不振などを挙げた。 アーベルを買収し、バッファローコクヨサプライとしたことで、アーベルとバッファローの在庫を整理したことで販管費が増大した。海外展開では、メモリとストレージを中心に売り上げを伸ばしたものの、ブランドの周知などを目的とした販売拡大費が増大。費用に見合う売り上げ増につながらず、赤字になっている。 製品分野別の売上高で見ると、NASを中心にストレージが伸び、またアーベルを吸収したことでサプライ/アクセサリが大きく伸びた。伸び率はそれぞれ114%、133%。一方メモリ製品は、DRAMのコスト低下により利益が伸びたが、NANDフラッシュでは苦戦し、特にSDカードは大きくシェアを減らした。これは、東芝やSanDiskなどのMulti Level Cellの価格競争力に、Single Level Cellの製品で対抗できなかったためという。 そのほか、ブロードバンド製品ではゲーム機向けに簡単な接続を提供するソリューションや、パフォーマンスを高めた製品が引き続き好調。また、ちょいテレについては、当初想定していた40億円ほどの規模ではないが、20~30億程度の売り上げを見込んでいるという。 なお、連結売上高に占める海外の売上高の割合は、アジア/オセアニアが3.04%、北米が7.92%、欧州が8.21%で、計19.17%となっている。
以上の状況を受け、同社は通期業績を見直し、売上高を1,580億円から1,450億円(前年比7.8%)へ下方修正した。経常利益は前年比1%増となる55億円を維持する。 同日開かれた説明会では、同社取締役管理本部長 松尾民男氏が説明。 利益減少については、「市場のシェアよりも利益を優先した結果。利益減少は予想の範囲内。うみを出し切ることで、下期にはシェアと利益のバランスをとって挽回していく」とした。 同社は方針として、法人市場の拡大、海外市場の拡大、デジタルホーム市場への進出の3つを掲げている。法人市場向けにはバッファローコクヨでサプライを強化し、デジタルホームではワンセグチューナを走りに、映像のHDへの展開を受けストレージの拡大も見込まれる。しかし、海外市場では苦戦しており、ブランドの確立を急ぎ、売り上げを高めていくとしている。
□メルコのホームページ (2007年10月25日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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