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DigitalLife 2007レポート【Dellブース編】

PhysX搭載ノート「XPS M1730」を発表

会場:Jacob K. Javits Center

会期:9月27日~30日(現地時間)



●ゲーマー向け機能を盛り込んだ「XPS M1730」

 Dellは、この「Digital Life 2007」の開幕に合わせて、ゲーマー向けノートPC「XPS M1730」を発表した。この製品はゲーマーに向けてさまざまな機能を盛り込んできているが、もっとも大きな特徴といえるのが、AGEIAのPhysXエンジンチップをノートPCとして初めて搭載している点だろう。

 PhysXとは、物理的な動作に関する演算を専用に行なうエンジンで、例えばゲームにおいて撃たれた壁の破片が飛び散る様子や、小枝や葉の動きを専用チップを利用して計算させることができ、対応ゲームにおいてはリアルな表現が可能になる。

 PhysXをリリースしているAGEIAは8月に、10W以下で動作するPhysXエンジンチップ「PhysX 100M」を発表しており、今回のXPS M1730にはこれが搭載されている。今回の展示では、PhysXに対応したUnreal Tournament 3のプレリリース版をプレイできるようになっていた。

 また、XPS M1730は、NVIDIAのモバイル向けGPUでは最上位モデルとなるGeForce 8700M GTを、SLI構成で搭載する。液晶ディスプレイは1,920×1,200ドット(WUXGA)表示が可能な17型ワイド液晶を採用。ゲーム環境の基本的な部分では、かなり贅沢な仕様になっている。

 なお、上記スペックは構成の変更が現時点で許されないが、CPUやメモリなどは選択が可能。会場で示された参考スペックはCore 2 Duo T7700(2.4GHz)、メモリ2GB、200GB HDD、Windows Vista Home Premiumで2999ドルという構成。ただし、これは最低推奨スペックであり、CPUはCore 2 Extreme X7900(2.8GHz)、メモリは最大4GB、HDDは最大で250GB×2台の500GBまで選択できる。さらにHDDは、32GB/64GBのSSDも選択できるようになっており、これらを2台搭載することも可能だ。

Dellが発表したXPS M1730。PhysXエンジンを搭載しているのが大きな特徴で、会場では対応ゲームのUnreal Tournament 3のプレリリース版をプレイできる XPS M1730に搭載されているPhysX 100Mボードのサンプル写真 キーボードはテンキー付き。刻印部分が半透過になっており、底面側からLEDを使って照らすようになっている。また、タッチパッドとボタンも光るようになっており、部屋が暗くても利用可能
左側面にはDVI出力を備える。展示機の光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブだが、Blu-Rayドライブも選択できる 右側面には無線ANやBluetoothのスイッチを装備。USBは計4個で左側面に1ポート、右側面に1ポート、背面に1ポートと、散らして配置してある

 ちなみに、このXPS M1730はPhysXエンジン以外にも“ノートPCとして初めて搭載”したことをアピールしているものがある。それがGamePanel LCDだ。キーボードの右上部分に操作用ボタン4つとともに搭載されている。

 GamePanel LCDは現在時刻やストップウォッチ、CPUやメモリの使用率などを表示可能なサブディスプレイで、XPS M1730に搭載されているものとはサイズが異なるが、ロジクールの「G15 Gaming Keyboard」に搭載されていたものと技術的には同じという。

 このGamePanel LCDにはSDKが用意されており、これを利用することで表示内容を自分で自由に作成することができる。例えば、ゲーム中のFPSをリアルタイムにグラフ化するツールなども用意されているといい、利用者の技術によってはユニークに使うことができる。

 また、LightFXと名付けられた技術も搭載。これは、スピーカーグリル部分がLEDによって照らされるもので、16色のカラーから選択することができる。また、ゲーム中のアクションによって色を変えるといったアレンジも可能で、展示機では通常時は青色で点灯するが、ゲーム中にダメージを受けると赤色で点滅するといったアクションが設定していた。これもカスタマイズ可能だという。

 なお、本製品は米国ではDigital Life 2007開幕日の9月27日から発売を開始。日本での発売に関してはコメントを得られなかった。

キーボードの右上部に搭載されたGamePanel LCD。その下にある4つのボタンがGamePanel LCD操作用ボタン。写真ではストップウォッチ機能が表示されている これはGamePanel LCDに時計や日付を表示している状態
CPUとメモリの使用率を表示している状態 スピーカーは前面左右に埋め込まれている。この部分の光はLightFXと名付けられており、ゲームの状況に応じて色を変えたりできる

●最大4TBのデジタルメディアサーバー

 Dellのブースでは、このほかにAlienwareブランドの「Alienware HD Media Server」を展示。1Uラックマウントサイズの製品で、前面にホットスワップ可能なリムーバブルHDDラックを4基搭載。最大4TBの構成で発売されることになるという。

 製品はServerと名付けられているものの、事実上はTV録画用PCといった雰囲気の製品で、OCUR準拠のデジタル放送受信チューナを搭載。HDDへ録画できるほか、中央に搭載しているBlu-ray Discドライブへ書き出すこともできる。CPUはCore 2 Quadを搭載。HDMI出力により最大1080pまでの画面出力にも対応する。価格は4TB時で5,000ドル前後という。発売日は未定。

 また、日本で9月20日に発売された200万画素Webカメラ内蔵20型液晶ディスプレイ「SP2008WFP」も新製品として展示されていた。製品自体は日本で発売されたものと同じで、「考えてはいるもののコンシューマユースでは人気が高い」としてシルバーモデルしかラインナップされないのも同様。ただし、驚かされたのが米国における価格で289ドルで発売されるとのこと。1ドル120円換算でも日本より2万円近く安価に設定されている。

最大4TBまで搭載可能なホームメディアサーバー「Alienware HD Media Server」 米国では289ドルで発売される「SP2008WFP」

□Dellのホームページ(英文)
http://www.dell.com/content/default.aspx?c=us&l=en&s=gen&~ck=cr
□ニュースリリース(英文)
http://www.dell.com/content/topics/global.aspx/
corp/pressoffice/en/2007/2007_09_27_nyc_000?c=us&l=en&s=corp

□関連記事
【9月20日】デル、Webカメラ初搭載のWSXGA+対応20型ワイド液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0920/dell.htm
【8月23日】Intel、2.80GHz動作のノート向けCPU「Core 2 Extreme X7900」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0823/intel.htm

□DigitalLife 2007のホームページ(英文)
http://www.digitallife.com/newyork/

(2007年10月1日)

[Reported by 多和田新也]

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