Demo Fall 2007レポート【マーケティング/ミーティング/検索編】 会話内容を認識し最適な広告を表示する無料電話サービス
会期:9月25日~26日(現地時間) 会場:Sheraton San Diego Hotel & Marina 本レポートでは、マーケティング、ミーティングソリューション、Web検索の3つのセッションの中から特におもしろかったものを紹介する。 まずはマーケティング編。Pudding Mediaは、無料通話を実現するサイト「ThePudding.com」の立ち上げを発表した。無料通話の正確な範囲は分からなかったが、デモンストレーションを見る限り、少なくとも米国内の一般電話および携帯電話への通話は無料となるようだ。 無料電話をかけるための方法は、PCでブラウザからThePudding.comにアクセスし、相手先の電話番号を入力するだけ。これで普通に電話がかけられる。これでなぜ通話が無料になるのかというと、「VoiceSense」という技術を使って、会話の内容をサーバーが解析し、それに見合った広告をブラウザに表示するのである。 たとえば友人に電話をかけ、今日何をして遊ぶかを話していたとする。すると、会話の中の「行き先」、「遊ぶ」といった文脈から、行き先でのプレイスポットの検索結果が広告として次々とスクロールして表われてくる。これを見てユーザーはプレイスポットや上映されている映画などの情報を見ながら相談して、何をするのか決定する。 さらに、その後食事に行こうという話になると、やはりお勧めのレストラン情報の検索結果が表示されるので、そこから気に入ったものをクリックして、予約したりできるという具合である。 なお、このプロセスは人の手を介さず、完全に自動化されており、会話を記録されることもないので、プライバシー対策も万全だとしている。
□Pudding Mediaのホームページ(英文)
360desktopは、同名のデスクトップ拡張ツールを発表した。このフリーのツールをインストールすると、デスクトップが横方向に約4画面分に拡張される。横移動は画面単位ではなく、スムーズにスクロール。付属の壁紙はパノラマ写真になっており、横方向に360度回転するようにデスクトップを自由に移動できる。 ユーザーにとってのメリットは明確で、より広いデスクトップスペースを利用できるようになる。画面右上には、ナビゲーションウィンドウが表示され、画面をスクロールすると、アプリケーションのアイコンが表示されるので、どのアプリケーションが画面のどこにあるのかを把握できるようになっている。 360desktopのビジネスモデルは広告収入にあり、ナビゲーションウィンドウの左には広告が表示。おもしろいのが、パノラマ写真のデスクトップにも広告が埋め込めるようになっている点。 たとえば、写真の中の看板があったとすると、そこの部分に宣伝の画像がアニメーション表示されるといった感じ。画面上に広告が出ると聞くと、非常にじゃまに感じるが、違和感なく埋め込まれており、さほど気にならない。 リリース予定日は11月5日。
□360desktopのホームページ(英文)
Velloが発表した同名のサービスは、電話会議の参加者の電話に直接電話するミーティングソリューションだ。 通常の電話会議では、参加者が特定の番号に電話をかけ、その後暗証番号を入れるが、Velloでは主催者が会議を始めると、参加者に一斉に電話がかかる。これにより、参加者が電話をかける手間が省けるだけでなく、参加者が電話をかけてくるのを待つ必要がなくなる。 Velloを通じてかかってきた電話に応答できなかった際は、Velloのシステムが自動的に留守番電話にメッセージを残すので、後は「888-MYVELLO」という番号にダイヤルすると、暗証番号などをいれなくても自動的に会議に繋がる。 また、BlackBerryにも対応しており、ソフトをインストールすると、BlackBerryから発信して、会議を開始できる。 現在ベータサービス中で、米国およびカナダで利用可能。通話料は1分15セント。新規利用者は200分の無料通話権が与えられる。
□Velloのホームページ(英文)
Tubes Networksが発表した「Tubes」は、ミーティングソリューションのセッションに含まれていたが、内容はビジネス向けのファイル共有ソリューション。 ビジネスでは1つの文書を複数の人間が共有し、それぞれが文書に変更を加えていくことがあり、その管理には結構な手間がかかる。Tubesはそういった、ファイルのバージョンや置き場所などに配慮しなくても、利用者が常に最新版のファイルを同時に共有できる。 使い方は至って簡単で、Tubesのウィンドウにファイルをドラッグアンドドロップするだけ。これで、共有したいファイルのコピーがTubesのサーバーに自動的にアップロードされ、以降はローカルのファイルを更新すると自動的にサーバー上のファイルも更新される。 Tubesには複数のプロジェクトを登録でき、プロジェクトごとに共有するメンバーを設定できる。Tubesの利用登録をすると、専用のWebサイトも作成され、ファイルごとに固有のURLが割り当てられるので、共有するユーザーは、Tubesをインストールしなくても、ブラウザからそのサイトを通じてファイルを共有できる。 オフライン時などに複数のユーザーが同時にローカルのファイルを更新した場合は、それぞれのバージョンが保存されるので、誤って上書きされる心配はない。 基本利用料は無料で、ファイルの保存容量が1GBを超えると料金が発生する。
□Tubes Networksのホームページ(英文)
最後に検索のセッションでデモされた、SpaceTimeの同名のブラウザを紹介する。 SpaceTimeは3D表示を取り入れたブラウザ。基本的なアイデアはタブブラウザで、1つ1つのタブが3D化されている。画面上のナビゲーションバーかキーで操作するとタブを上下左右、奥/手前に移動させたり、回転させたりできる。 ユニークなのは、Google、Yahoo!、eBayなどプリセットされたエンジンで検索を行なったときの表示方法。たとえば、Googleで普通に検索すると、Googleの検索結果画面と同時に、最初の5~6個程度の検索結果のリンク先ページが次々と奥の方に表示されていく。これらはWindows VistaのFlip 3Dのようにくるくると切り替えられる。 さらにおもしろいのが、Googleイメージで検索した場合、通常は検索結果の一覧が表示され、そこをクリックするとその画像を含むページが表示され、さらにもう1クリックして本来の画像が表示されるが、SpaceTimeでは、Googleの検索結果ページに続いて、上位のリンク先の画像だけを順に読み込んで表示していく。 さらに、eBayで検索した場合は、検索結果の商品の大きな画像が枠付きで順々に表示されていく。画像の枠には価格情報なども表示されており、気に入った商品の画像をクリックすると、販売ページが表示されるようになっている。 このように、SpaceTimeの特徴は、単にタブを3D化しただけでなく、より便利な形で検索結果を加工して表示する点にある。 現在、ベータ2が公開中で、無償で利用できる。 □SpaceTimeのホームページ □Demo 2007 Fallのページ(英文) (2007年9月28日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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