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Demo Fall 2007レポート【クリエイティビティ編】

SNSを応用して人々の向上心を助成

Graspr CEO兼創業者のTeresa Phillips氏

会期:9月25日~26日(現地時間)

会場:Sheraton San Diego Hotel & Marina



 「Rise of the Creative Class」と題されたセッションでは、一般の人々が創造的な作業をする際に手助けとなるツールなどが紹介された。ツールといっても、単体のアプリケーションではなく、そのほとんどがSNSを活用したものだ。

 Grasprが運営する同名のSNSは、健康、ガーデニング、料理、スポーツなど15のカテゴリと250のサブカテゴリに渡って1万本以上ののハウツービデオを掲載している。これらのビデオはコミュニティの参加者自身が作成したもの。ビデオの作成者はアマチュアからプロまでおり、それぞれ初心者向け、経験者向けといったランク分けがなされており、視聴する側のユーザーは、自分の目的とレベルに応じたビデオを選べる。

 それぞれのビデオにはシーンに合わせて小見出しが用意されており、不要なシーンは飛ばして見ることができる。また、任意のシーンにタイムスタンプ付きのコメントや備忘録などをつけることができ、そのコメントはコミュニティ内で共有できる。

 もちろん、何かしらの特技があるなら、自分自身でハウツービデオを作成して、アップロードすることもできる。より簡単に見栄えのするビデオを作成するために、第4四半期を目処にブラウザだけで利用できるオンラインビデオエディタが提供される予定。

Grasprのトップ画面。左側にコンテンツのカテゴリが並ぶ ビデオの再生画面。「Video Scenes」のタグの下にあるのが小見出しで、これをクリックするとその場面に頭出しされる。また、コメントをつけたり、他人のコメントを参照することもできる
ビデオの内容や自分のやりたいことについてコミュニティで意見を聞いたり、チャット(右下の枠内)もできる 開発中のビデオエディタ。ブラウザベースで動作するが、タイトル作成、シーンカット、トランジション追加など、必要十分な機能がそろっている

□Grasprのホームページ(英文)
http://www.graspr.com/

LiveMocha CEO兼創業者のShirish Nadkarni氏

 LiveMochaが運営する同名のサイトは、外国語学習者に向けたもの。現時点では、英語/仏語/独語/中国語/ヒンズー語/スペイン語のコンテンツを用意。自習用のコンテンツも、Webの特性を活かし、単に文章を読み書きするだけでなく、図柄や音声などをうまく組み合わせたものが用意されているのが、LiveMochaの最大の特徴は外国語学習者のSNSとなっている点。

 自習用のコンテンツは6カ国語しかないが、ユーザー登録時に選択する、自分が学習したい言語や、自分が話すことができる言語のリストには日本語を含む30カ国語が用意されており、より幅広い言語のユーザーにアプローチしている。

 この自分が学習したい言語と、自分が話すことができる言語を登録するのも1つのミソで、コミュニティの中で自分と同じ言語を学ぼうとしているユーザーを探すことができるだけでなく、違う母国語のユーザー同士がそれぞれの言語を教え合うことができる。

 そのためのツールとして、ブラウザを使ったチャット機能(音声チャット含む)があり、自由な会話を通じて学習ができる。このチャットウィンドウには簡単な翻訳機能や、他言語を入力するためのソフトウェアキーボードも用意されている。

 もう1つLiveMochaが計画しているのが、チューターのマーケットプレース機能。これにより本格的な言語教育資格/能力を持ったユーザーは、チューターとして登録することで、自分の指導を他のコミュニティユーザーに有償で提供できるため、より活発なユーザーの参加が可能になるとしている。

これはLiveMochaが提供する学習コンテンツ。ここで金色のコインと銀色のコインの画像をクリックすると、人単語だけ違う文章が表示される。ここからその違う単語がそれぞれ金色、銀色を意味するのだと類推できる 学習コンテンツを進めることで、自分の習熟度を確認できる。また、それに応じて与えられるポイントでランキングが表示されるので、モチベーションを維持できるという ブラウザベースのチャットツールも提供。右側の画面でソフトウェアキーボードを使ったり、翻訳機能を利用しながら、テキストあるいはビデオチャットができる

□LiveMochaのホームページ(英文)
http://www.livemocha.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.livemocha.com/pages/pr

 もう1つ、こちらはロケーション関連のセッションでの発表となるが、earthmineの「earthmine platform」を紹介したい。

 earthmine platformを一言で表わすと、GoogleマップのStreet Viewの3D版。Street Viewでは、米国のいくつかの都市の通りを人の視点から写真で見ることができる。この写真はパノラマ写真のように左右360度に方向を変えて見ることができるが、earthmine platformでは左右に加え、上方向にも視点を変えることができる。

 この写真は単に3Dに見えるだけでなく、緻密に3Dデータ化されており、通りを自由に歩き回って視点を変えられるほか、建物や道路などの幅や高さをメジャー機能を使って正確に計測できる。

 またearthmine platformには、住所を始め、道路標識や信号、駐車場、バス停、不動産といった各種のメタデータが埋め込まれており、キーワードで検索できるようになっている。加えて、ユーザーがお店の情報などをコメントとして登録したり、その場のスナップショットを撮影し、それをGoogle Earthに貼り付けて連動させる機能もある。

 現在収録されているのはサンフランシスコのデータだけだが、1都市のデータは約3週間で収集できるとしており、随時拡大予定。また、一度作成したデータも1年ごとに更新していくという。

 ブラウザ上で動作し、第4四半期にベータ版が公開される予定。

earthmine共同CEO兼共同創業者のAnthony Fassero氏 見た目には単なる写真だが、内部的には完全に3Dで左右のみならず、上方向にも角度を変えられる。右下に表示されているのは衛星写真
メジャー機能を使うと建物の高さを測ったりできる 特定の建物にコメントをつけることも可能 earthmineで表示されている写真をスナップショットに収め、それをGoogle Earthに貼り付けるといった連動もできる

□earthmineのホームページ(英文)
http://www.earthmine.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.earthmine.com/media/announcements-20070924-01.php

□Demo 2007 Fallのページ(英文)
http://www.demo.com/conferences/demofall07.php
□関連記事
【5月30日】Google Mapsに「Street View」機能、地上から見た道路の風景を表示(INTERNET)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/30/15877.html

(2007年9月27日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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