KDDIとIntelら、モバイルWiMAX推進に向けた新会社を設立
9月18日 発表 KDDI株式会社、米Intelなど計7社は18日(日本時間)、国内のモバイルWiMAX事業企画に関する会社「ワイヤレスブロードバンド企画株式会社」(以下WBB)を設立し、投資を行なうと発表した。 WBBは、モバイルWiMAX技術を用いた2.5GHz帯広域移動無線アクセスシステムの特定基地局開設計画の認定(事業免許)の取得、および免許付与後の事業運営を行なう会社。会社自体は8月29日に設立されたが、9月27日に増資を完了、資本金は8億5,000万円となっている。 出資会社および出資比率は、KDDIが32.26%、Intelと東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、京セラ株式会社がそれぞれ17.65%、株式会社大和証券グループ本社が9.80%、株式会社三菱東京UFJ銀行が5.00%。 当初提供されるサービスは周波数帯域幅が10MHz、多重方式がTDD(時分割複信方式)、ピーク速度は下りが40.4Mbps、上りが10.6Mbps。IPレイヤーで常時接続の環境を提供し、時速200km移動時でも最大十数Mbpsの通信が可能だという。
●グローバル利用が可能なサービス 18日に都内で開かれた記者会見では、KDDI 代表取締役社長兼会長 小野寺正氏が挨拶。同氏は、これまでKDDIのWiMAXへの取り組みを紹介し、「我々は2003年からWiMAX技術に着目しており、2005年にはWiMAXフォーラムに参加。日本国内だけでなく海外でも共通して使える規格の策定に携わり、モバイルWiMAXの実用化に向けて大きく貢献したと自負している」とアピールした。 新会社への出資について同氏は、「モバイルWiMAX技術を利用した事業を拡大し、日本経済や金融方面に影響を与えたいと考えたため出資を決めた。今後は、モバイルWiMAXを組み込みもしくはモバイルPC向けに特化したサービスとすることで、ユーザーの利便性をさらに向上させたい」と語った。 モバイルWiMAXの概要について説明したWBBの代表取締役 田中孝司氏は、「WiMAXフォーラムはWi-Fiと同様、認証プログラムを用意しており、いったん認証されれば自由にモバイル機器に組み込んで利用できるようになる。さらに、米Sprint Nextelと協業してグローバルローミングサービスの提供を検討しており、ユーザーの利便性はさらに向上する」と述べた。
インテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏は、「当社はモバイルWiMAXのベースの技術となったIEEE 802.11eの策定、およびOFDMを利用したさまざまな機器の製造などに携わってきた。2003年のCentrinoプラットフォームに無線LANを導入した以降、現在ほぼどのモバイルノートPCにも無線LANが入っているのと同様、今回WiMAXをCentrinoの上で同様に構築することで、WiMAXの普及およびユーザー利便性の向上を図っていきたい」と語った。 JR東日本 常務取締役 IT・Suica事業本部長 小縣方樹氏は、「首都圏で毎日約1,600万人という最大の顧客基盤を抱える我々鉄道業者にとって、モバイルWiMAXは鉄道サービスの向上や改善に役立つ。今後はKDDIと協業を深め、モバイルWiMAXの普及に積極的に取り組んでいきたい」と説明した。
京セラ 代表取締役会長 中村昇氏は、「KDDIの筆頭株主として、新事業設立への祝辞を送ると共に、今後のモバイルWiMAXの市場の拡大に期待したい」と話した。また、大和証券グループ本社 取締役兼専務執行役 日比野隆司氏、三菱東京UFJ銀行 常務執行役員 営業第二本部長 亀井信重氏も出席し、資金面での全面バックアップ、およびモバイルWiMAXによる国内金融市場の活性化への期待を語った。
□KDDIのホームページ (2007年9月19日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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