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【Kingston編】
大規模なメモリモジュール製造施設を公開
~6月以降発売の新製品を発表

会期:6月5日~9日

会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3
   Taipei International Convention Center



 メモリモジュールおよびフラッシュメモリ製品のベンダーとして大きく飛躍を続けている米Kingston Technology。今回のCOMPUTEXでは、台湾・新竹市にあるアジア本部の製造拠点へ関係者を招き、今後発売される予定の製品および、製造施設の一部を公開した。

 各社の工場は、見学こそ許されるものの、撮影は禁じられていることが多いため、読者の目に触れることは珍しい。本稿ではそれらの一部を含めて紹介する。

 なお、COMPUTEX会場のKingstonブースの模様は【DDR3編】を参照されたい。

●日本での知名度向上を目指す

 Kingstonは、米国カリフォルニア州に製造工場を持つ本社を構え、欧州に2カ所の物流拠点、アジアには台湾に製造工場を含むアジア本部とウェハ後工程プロセス施設を2カ所、中国とマレーシアに製造工場がある。

 創業は'87年で、2001年のメモリ価格暴落時を除けばプラス成長を続けている。また、2004年には世界規模で成長著しいNANDフラッシュ市場に参入。こちらも売上を年々伸ばしてきた。売上高は2001年には10億8千万ドルだったが、2006年に37億ドルまで伸ばし、5年で3倍以上となっている。

 順調に成長してきてことを如実に示すデータが、メモリチップ(DRAM)の購入量。2006年には5億7,300万個のメモリチップを購入し、世界の購入量の4大メーカーとなっているという。残りの3社は世界でも巨大なPCメーカーのDell、Hewlett-Packard、Lenovo/IBMで、規模の大きさがよく分かる。

 だが、世界市場では大きなシェアを持っていても、日本での認知度はまだまだだとしており、日本国内でのさらなる知名度向上を目指していくとした。

Kingstonの会社概要 世界に存在する各拠点 2006年のDRAM購入量は世界のトップ4

●リリース予定の新製品を紹介

 Kingstonの製品は大きく5つのカテゴリに分けられる。それは、SDカードやUSBメモリを始めとしたフラッシュメモリ製品、各ベンダーが提供するPC専用に用意された「ブランドメモリ」、エンスージアストやオーバークロッカー向けの「Hyper X」、メインストリームやリテール/ホワイトボックス向けの「Value RAM」、各社の用途に合わせて供給する「OEM」となる。

 Value RAMは、名称の通りコストパフォーマンスが高い一般向けの製品。JEDEC準拠の汎用型だが、同社独自のテストを施しており、信頼性は高いとしている。同シリーズの新製品は、DDR3-1066対応DIMMおよびDDR2-800対応SO-DIMMが発売中で、7月以降にDDR3-1333対応DIMMや、DDR3-1066対応のSO-DIMMなどを出荷する。

Kingstonが展開する5つの製品カテゴリ Value RAMシリーズ

 Hyper Xは、高クロックや低レイテンシでの動作が可能な、ゲーマーやオーバークロッカー向けの製品。冷却効果を高めるため見た目にもよく分かるヒートスプレッダが搭載されている。新製品は、DDR3-1375(CL7)対応DIMM、DDR2-800(3-3-3-10)対応の低レイテンシ製品が出荷されている。

 ブランドメモリは、各PCとの互換テストを入念に実施し、システムとの完全互換を求めるユーザー向けの製品。パナソニックのLet'snote向けの172ピンDDR2-400 MicroDIMMや、デルのワークステーション向けのDDR2-533 Registered DIMM、IBMサーバー用のDDR400 ECC DIMMなどが売れ筋だという。

Hyper Xシリーズ ブランドメモリシリーズ

 フラッシュメモリ製品は、CF、SDカード、SDHC、miniSD、microSD、USBメモリ、カードリーダを展開している。

 USBメモリの新製品は、好みのデザインに外観をカスタマイズできるコネクタスライド式の「DataTraveler Style」の1GB~4GBを6月中旬に、価格を抑えたUSBコネクタスライド式の「DataTraveler100」の1GB~8GBを7月より発売する。USBメモリとSDカード/SDHC/MMC対応カードリーダの2つの使い方ができる「DataTraveler Reader」の4GBモデルも7月下旬に発売予定。1GBおよび2GBは発売済み。

 また、フラッシュメモリ領域で、公開とプライベートの2つのパーティションを任意の容量で利用できる「DataTraveler Secure」(512MB~8GB)なども、改めて訴求していくという。

 カードリーダは、SDカード/SDHC/miniSD/microSDをアダプタなしで利用可能なカードリーダと1GBのSDカードまたはminiSDのセットを7月下旬に、携帯電話ユーザー向けに、ストラップ付きの超小型のUSBカードリーダと、1GBまたは2GBのmicroSDをセットにした製品を6月中旬に発売する。

さまざまな外観を使えるUSBメモリ「DataTraveler Style」 スライド式コネクタのUSBメモリ「DataTraveler100」 USBメモリとカードリーダが合体した「DataTraveler Reader」は容量4GBモデルを投入
AES 256bitのハードウェア暗号化が可能でリード24MB/secと高速なセキュリティモデル カードリーダはセットモデルを発売

●製造施設の一部を公開

 新製品の紹介後、製造施設を公開した。冒頭でも述べた通り、一部で写真撮影の許可が出たので、製造工程や各種テストの様子の一部を写真で紹介する。

8枚分のメモリモジュールがとれる基板に対してDRAM接合部を加工 DRAMが全自動で次々と基板に装着される メモリモジュールらしくなってベルトコンベアで運ばれる
基板にきちんとDRAMが装着されているかは人間の目で確認を行なう 目視でパスしたあとに置かれた基板 確認のシールが貼られる様子。写真はFB-DIMM
メモリモジュールのSPDを書き込む機械。当日は稼働していなかった デスクトップ向けDIMMの動作検証用に、大量にPCシステムが用意されている こちらはSO-DIMMの動作検証用のノートPC。これだけ並ぶと壮観
SDカードのメモリ部分と筐体のパッケージングを行なうマシン。外観の撮影しか許されなかった SDカードを並べ、レーザー刻印を行なっている様子 USBメモリの基板。製品10個分で1つの基板になっている

□COMPUTEX TAIPEIのホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
□Kingston Technologyのホームページ(英文)
http://www.kingston.com/
□関連記事
【6月7日】【DDR3編】メモリメーカー各社がDDR3 SDRAMを展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0607/comp10.htm

(2007年6月8日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]

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