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マイクロソフト、Vistaリリース後のPC販売台数に課題
~プレミアムデジタルライフで牽引する施策を説明

Windows本部 本部長ジェイ・ジェイミソン氏

4月23日 開催



 マイクロソフト株式会社は23日、都内でプレス向けに説明会を開催し、Windows Vistaの市場動向と新施策を説明した。

 説明会では、同社Windows本部 本部長ジェイ・ジェイミソン氏が、Vista発売後の3カ月を振り返って総括。今後の新施策として、メディアオンラインやWindows Media Player 11向けの新サービスの紹介や、今後の店頭での施策、Windows Vistaの互換性情報のアップデートを行なった。

●ジェイミソン氏が強気になる3つの理由

パートナー各社へVistaローンチの成功を感謝

 同氏はVistaのローンチについて、世界各地域で同時発売をパートナーとの協力の下に実現し、「大変な成功だった」と振り返る。国内でもそれは同様としながらも、「PCのセールスはローンチの後、期待したほど高くならなかった事実がある」と国内PCの不振も認めた。しかし、同氏はこれから先の中期/長期的な展望については明るいとする。その理由として、パートナーのチャンスが拡大していること、ユーザーがプレミアムな製品を指向していること、そして互換性の高さの3つを挙げる。

 同氏は成熟した日本の市場に触れ、PC出荷台数は横ばいで推移するものの、Vistaには約2兆円の経済効果があり、パートナー各社はビジネスを拡大するとともにサポートサービスを拡大するチャンスを得るという。市場動向については、上位エディションを搭載したPCの比率が店頭シェアで40%以上、PCメーカーの採用比率で70%以上であることや、OS単体ではDSP版で90%、パッケージ版で87%となっていることを挙げ、ユーザーのプレミアムな製品を購入する姿勢がPCへのさらなる期待を示しているとする。

 Vistaの互換性の高さについては、約2,300のアプリケーションと約5,400の周辺機器が対応し、Windows XPと比較して約150%の互換性を持っている、とアピール。また、店頭販売製品においては、ソフトウェアの90%が対応済みかソリューションを提供し(調査数466)、周辺機器ではプリンタ/スキャナ/デジカメの90%が対応しているほか、ルーターやビデオカメラなどOSに依存しない製品は情報未公開でも動作可能とし、その互換性の高さを強調した。

 そのほか、AppleのiPodとiTunesに触れ、MicrosoftとAppleが共同で取り組んでおり、今後もこの関係を継続してユーザーが楽しめるようにしていくと、両社の良好な関係をアピールした。

Vista出荷のインパクト プレミアムな製品が牽引するコンシューマ市場の動向
互換性情報をサイトに掲載 店頭販売製品の互換情報

●アーリーアダプタからメインストリームへのシフトが狙い

 続いて、同氏はVista搭載PCの平均価格上昇に触れ、現状を分析した。

 「PCの売上は期待を下回っているが、私は強気。アーリーアダプタの間ではデジタルライフスタイルが受け入れられ売上が成長し、メインストリームのユーザーとの間に大きなギャップが出来ている。そのシフトが起きる機会がある」

 表参道にて実際に一般の(技術に長けていない)人に体験してもらった際のアンケート結果を示し、65%がVistaに興味を持ち、体験により3分の2の購入意欲が向上、また60%のPC購入意欲が向上したと説明。また、Vistaの発売後にメディアオンラインの利用率が高まっていることを併せて示し、ユーザーのデジタルプレミアムライフへの期待が高まっているとまとめた。

 そういったユーザーの期待に応えるサービスとして、リクルートがガジェットやWPFを採用したコンテンツを提供し、Windows Media Player 11向けにオンキヨーがロスレス音楽配信サービス「e-onkyo music」を、NTTコミュニケーションズが音楽配信サービス「MUSICO」を提供すると発表。そのほか、青山キャピタルが語学学習コンテンツとして「Langage Channel」を提供する。

コンシューマ向けPCの平均価格の上昇 コンシューマ市場の動向 パートナー各社と共同でサービスを展開

●プレミアムデジタルライフを積極展開

 次いで今後の施策を説明。量販店店頭では、Vistaとパートナーの製品を合わせたPCの利用形態の提案を行なうほか、ウィルコムやソフトバンクBBなどとのコラボレーションによる利用シナリオを訴求していく。そのほか、店頭でのパンフレットやガイドの配布、互換性情報の提供、Windows XPとの機能/利便性の比較などを行なうことでユーザーにアピールしていくという。

 また、現在提供しているWindows Ultimate Extraにて、DreamScene日本語版の提供を近日中に開始。5月には新しいパートナーシップの発表。6月のWinHEC 2007 Tokyoでは将来のテクノロジやWebエクスペリエンスの紹介を行なう予定。

 最後に同氏は、「Vistaはセキュアでシンプルに使える、非常に魅力的な製品。今後製品価格は下がるし、PCメーカーからもそういった志向の製品が提供されると考えている。ゴールデンウィーク、夏と継続してVistaのすばらしい特徴を伝え、実際に体験してもらうことで購入意欲を刺激していきたい。コンシューマ向けPCの成長は持続的な結果になっていないが、満足できる結果を出すことで販売実績をプラスに転じることが目標」と意気込みを述べた。

プレミアムデジタルライフを積極展開 Vistaを浸透させる施策 今後の展望

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3034
□関連記事
【4月2日】マイクロソフト、Vista製品の購入資金として10万円が抽選で当たるキャンペーン
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0402/ms.htm

(2007年4月23日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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