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CeBIT 2007会場レポート【ノートPC編】
各社がSanta Rosaやモバイル用GeForce 8搭載機を展示会期:3月15日~21日(現地時間) 会場:独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe) CeBIT会場ではデスクトップ向けのIntel 3シリーズチップセット同様、次世代モバイルプラットフォーム「Santa Rosa」向けのチップセットである「Intel GM965/PM965シリーズ」(コードネーム:Crestline)搭載機も事実上の解禁状態で、各社が展示を行なっている。
Intel PM965では、FSB 800MHz、プロセッサの1つのコアがスリープ状態の時にもう1つのコアのクロックを引き上げるIDA(Intel Dynamic Acceleration)、マザーボード上の512MB/1GBのフラッシュメモリを実装してHDDのキャッシュとして利用するITM(Intel Turbo Memory)といった機能が追加されている。 また、Intel GM965ではグラフィックス機能として、GMA X3000の改良版であるGMA X3100が内蔵されている。 会場には12.1型から17型まで、さまざまなタイプの搭載機が展示されていたが、1つの共通点として、Intel PM965搭載機ではNVIDIAのDirectX 10対応GPUを搭載しているものが多く見受けられた。このGPUはまだ発表されておらず詳細が分からない。 Samsungの資料や、展示機のドライバ情報などによれば、「NB8P」というのがGeForce 8000Mらしい。一方、GIGABYTEの資料には「MB8P」、「MB8M」などのコードネームも並んでおり、これらが同じものなのか判断がつかない。ただ、いずれにせよ、NVIDIAのモバイル向けGeForce 8シリーズは、そう遠くない将来に登場しそうだ。 ●Santa Rosa、DirectX 10対応機など Samsungの「Q45」は1,280×800ドット(WXGA)表示対応12.1型液晶を搭載し、本体サイズ299×214×22.2~35.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量1.89kgというモバイル機。 PM965モデルとGM965搭載モデルが用意されるが、前者の場合、CPUにはGeForce 8000Mを搭載。しかもオプションでBlu-ray Discドライブも搭載可能という意欲的なスペックとなっている。日本では同社のノートPCは販売されていないが、このサイズにGeForce 8000Mシリーズが搭載可能という事実だけでも、ハイスペックモバイル機に注目しているユーザーには嬉しいだろう。 このほか、Crestline搭載機として、15.4~17型までの液晶を搭載する4機種が展示されていた。 GIGABYTEはPM965搭載機2機種、GM965搭載機1機種を展示。3機種とも液晶ディスプレイの解像度は1,280×800ドット。5月にも出荷予定だという。 「W466U」はGM965/14.1型液晶搭載機だが、GML960という下位チップセット搭載機も予定されている。「W468N」はW466Uと似たスペックのPM965搭載機。GPUはNVIDIAのMB8Pで、256MB/128bitのビデオメモリを搭載。「W566N」は15.4型液晶搭載機で、GPUはMB8M(256MB)となっている。 もう1つCrestline搭載機ではないが紹介しておきたいのが「W756N」。チップセットはNVIDIA nForce4 SLIで、G70/G71コアのMXMモジュールを2基搭載できる。HDDも2.5インチを2基内蔵可能で、RAIDに対応する。CPUはAMD Turion 64/Sempronシリーズに対応し、1,920×1,200ドット(WUXGA)表示対応の17型液晶を搭載可能となっている。
主にOEM/ODMを専業とするCLEVOは、PM965搭載の「M570RU」を展示。GPUはMXM形式になっており、DirectX 10対応とのことからGeForce 8シリーズを搭載するものと思われる。そのほかの仕様は、1,280×800ドット(WXGA)対応17.1型液晶、最大4GBまでのDDR2-667、ステレオスピーカー、サブウーファー、IEEE 802.11n無線LAN、Webカメラなどを搭載する。 「D900C」はSanta Rosaではなく、Intel P965、すなわちデスクトップチップセットを搭載したデスクトップ代替機。CPUもデスクトップ向け(Conroeコア)のCore 2 Duoに対応し、仕様表によればMXMによりDirectX 10対応GPUによるSLIが可能という。 また、HDDも2.5インチを3台内蔵可能で、RAID 0/1/5に対応という圧巻のスペック。液晶は1,920×1,200ドット(WUXGA)表示対応の17型。メモリはDDR2-667を4GBまで搭載できる。 これらの製品は8月頃の発売予定。
MSIの「GX700」はチップセットやGPUが明らかにされていないが、PM965+GeForce 8シリーズを搭載していると推測される製品。ビデオメモリは512MBを搭載し、17型の液晶ディスプレイを採用し、HDMI出力にも対応する。 これと似たスペックでAMDプロセッサ向けの「GX710」も用意。こちらはATIチップセットで、DirectX 10完全対応と書かれていたのだが、チップセットがAMD 690と明記されていることから、DirectX 10には対応していないと思われる。両製品の出荷時期は第2四半期。
このほか、ECSやCompalなどがCrestline搭載機を展示していた。 ●そのほかのノートPC TOSHIBAは例年通り、燃料電池対応のノートPCを展示。筐体はCES 2007で展示されたものと同じで、ノートPC本体と燃料電池のモジュールが一体化されたものだが、内部的にはファームウェアを更新し、外的要因に対する耐性を高めたという。 展示機は燃料電池のみで5~7時間の動作が可能。今後さらなる小型化を突き詰める予定だが、1月から機内持ち込みに関する規制が緩和されたこともあり、すでに基本的な量産体制は整っているほか、10時間や1週間といった長時間駆動も実現の見込みがついているという。 ただし、燃料電池パックの流通や、販売形態、形状等の点で業界のコンセンサスが取れておらず、むしろこちらの方が解決すべき課題は多いが、利便性や価格などユーザーが満足できることを前提に話し合いを進めていきたいとしていた。 もう1つ同社が展示していたのが、同社製ノートPC用のポートリプリケータ。説明員の説明がややあいまいで、はっきりしない点もあるのだが、PCとUWB(Ultra Wide Band)で通信することで、ディスプレイケーブルをつなぐだけで、ポートリプリケータに接続されたUSB機器やEthernetなどを利用できる。 Panasonicは、Let'snote各モデル(現地での製品名はTOUGH BOOK)を展示していたのだが、欧州向けのオプションとしてUTMS対応機もデモしていた。UTMSは欧州で採用されている3G通信規格。デバイスやアンテナが大きいためか、搭載機は大型の天板を採用していた。
□CeBIT 2007のホームページ(英文) (2007年3月19日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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